5・24経済安保法からサイバー防御法が示す未来を問う
今は戦争前夜なのか
【大阪】5月24日(土)13時半より、エル大阪で「経済安保法からサイバー防御法が示す未来を問う」と題する講演集会が行われた。主催は「戦争あかん!ロックアクション」、「共謀罪に反対する市民連絡会・関西」「関西共同行動」の三者であった。
主催者あいさつに立った茨木市議の山下けいきさんは「この10年で、戦争法、共謀罪、マイナンバーカード導入、通信傍受法等が次々成立し、私たちが国から管理支配される法体系が完全にできあがり、戦争前夜のようになっている」と現状認識についてまず語った。
そして、「サイバー防御法に立憲民主党も賛成し、反対したのは共産党と社民党のみだった」と危機意識を露わにし、戦争反対の運動を広げていくためにも「7月の参議院選挙で社民党の政党要件を失わせてはいけない」と、参加者に訴えた。
経済安保情報保護法は
経済版秘密保護法
講師は「秘密保護法対策弁護団」事務局長の海渡双葉さん。海渡さんは司法修習生の時に参加した秘密保護法反対闘争の経験から話に入った。
そして、「この法律は重要経済安全情報を秘密指定し、この情報にアクセスする人の適正を評価し、情報を漏洩し、取得することに対して刑事罰を科している。特定秘密保護法と同じ構造」と批判し、この法律の問題点として、第一に秘密指定の範囲が不明確、第二に秘密の範囲を大幅に拡大している、従って、第三に冤罪の温床になりかねない、第四に適正評価を理由にしたプライバシー侵害の恐れがあると指摘した。
次に、「適正評価のための調査記録は、内閣総理大臣の下に設けられる情報機関に蓄積され、監視社会が進む」「秘密裏に軍産学共同での兵器開発、兵器輸出が進められる」と危惧を表明し、「この法律の運用を注視し続けることが重要」とこの話を締めくくった。
能動的サイバー防御法とは
ネット監視・サイバー先制攻撃法
次に海渡さんは「能動的サイバー防御法」に話を移した。彼女は「この法律は平時からサイバー空間を監視し、サイバー攻撃の危険性があるときには、攻撃者のサーバーに侵入して無害化するのを合法化するための法律であり、違法なハッキングやオンライン詐欺を防ぐための法律ではない。サイバー空間における戦争に参加するための法律であり、国家による違法な監視を合法化するための法律である」と、この法律の性格を規定した。
そして、「伝達手段は社会生活にとって不可欠なものであり、通信の秘密が保護されているから、表現の自由が守られ、プライバシーも保護される」と述べ、「政府は、同意なしに収集するのは海外との通信のみで、国内で完結する通信は対象外と説明している。しかし、国内で完結する通信でも、そのほとんどは海外のサーバーを経由しており、この場合は国内通信と定義されず、同意なしの収集の対象となる。国内通信として適用除外となるのはわずか6・8パーセントにすぎない」と、詭弁を弄するような政府の説明を批判した。
続けて、「情報を機械で自動選別しても不正閲覧することが可能であること」、「電子メールアドレスも収集対象に入っている可能性が高いこと」、「捜査令状なしで情報を取得できること」などをあげ、警察等に悪用されることへの危惧を呈した。
そして、「政府は諸外国にも、同様の規定があると答弁しているが、現在ドイツを始め各国でこうした規定による人権侵害が問題になっている。また、日本の法律はサイバー攻撃に対する国際ルール、タリンマニュアル2・0が反映されていない」と批判した。
海渡さんは最後に「こんな法律を、総与党化した国会は、本質に迫る論議もせずに簡単に可決してしまった。私たちは抗議し続けなければならない」と講演を締めくくった。
関西生コン弾圧事件
控訴審では次々と無罪判決
特別アピールで、元衆議院議員の服部良一さんはサイバー攻撃防御法だけではなく、軍拡予算、ミサイル基地・弾薬庫建設、防衛産業育成のための法律等が、野党三党=立憲、国民、維新の賛成で簡単に成立してしまう現在の国会の状況について報告した。
全日建近畿地本書記長の西山直弘さんは「一審判決ではストライキをしただけで全員が有罪判決を受けたが、様々な運動、取り組みの中で控訴審では次々と無罪判決を勝ち取っている」と、関西生コン弾圧事件をめぐる運動の状況を報告した。
関西共同行動の根本博さんは、琉球弧から種子島、馬毛島、九州に至る西日本の軍事化の実態と、各地の反対運動を紹介した。
戦争準備の邪魔をする、
そのためには何でもしよう
最後に閉会あいさつに立った「共謀罪に反対する市民連絡会」の永嶋靖久弁護士は、「経済安保とは経済を戦争の手段にするということ。安全保障とは戦争の言いかえであり、間違いなく戦争の準備が進んでいる。今、何が起きているかを知ることが大事で、そのことが戦争を止める力になる。戦争準備の邪魔をする。そのためには何でもする。今日の集会もその一つになればうれしいと思います」と集会を締めくくった。 (山三)

「秘密保護法対策弁護団」事務局長の海渡双葉さん(5.24)
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