参院選・宮城選挙区 「市民との共闘」議席を守る
現職(立民)が再選
【宮城】宮城選挙区で石垣のりこ候補(立民)が再選をかちとった。6年前、「市民と野党との共同候補」として立候補、1万票差の接戦で当選を果たした。二期目に挑むにあたり「市民連合みやぎ」は政策要請を行って支援し、共闘の議席を守った。政策要請は共産党県委員会にも行われ、共産党田村委員長は仙台での選挙演説で、選挙区では石垣候補の勝利をかちとろうと呼びかけた。「市民連合みやぎ」は3年前の参院選敗北の後も粘り強い活動を続け、今回の再選に大きく貢献した。
「多党化」の波が一人区の宮城にも波及した。立民候補は自民党候補に7万4千票の差をつけたが、得票は6年前より10万票を減らした。自民党支持基盤の衰退が進み、他方で候補者が「多党化」し「一対一の構図」が崩れたことが影響している。その傾向は次の衆院選や統一地方選でもつづくことが予想される。自公のゆきづまりと選挙構図の大きな変化を示した参院選だった(仙台からのレポート)。
「消費税と人権」
「あげるべきは賃金であって、消費税ではない」。それが6年前に新人候補者として叫んだ言葉だった。議員になってからは「無理だ、無責任だ」という批判も受けたというが、その主張を曲げずに貫き、消費税が大きな焦点になった参院選にのぞんだ。今回の選挙でも「消費税は減税できる」「大企業や高額所得者、資産家に対する過度な税優遇を是正することで、財源は確保できる」と訴えた。
石垣候補は「人権ファースト」「消費税ゼロへ」「賃金アップ・労働時間短縮」「農こそ国の礎」「医療・介護従事者の処遇改善」、これらの政策テーマについて、地域での対話や集会などで議論をかわしてきた。議員や市民運動の担い手たちが応援演説する光景が日常のシーンとして定着していった。
選挙戦を通して強まる「日本人ファースト」に対して、「人権こそ第一だ」と主張した。「人権第一の政治をいかにつくっていくのか、それが次の6年の大きな課題だ」と当選インタビューで強調した。入管法や選択的夫婦別姓など、国会前でアピールしてきた議員活動を支持者たちは応援してきた。選挙中にも「リベラル議員」として二期目の活動への期待が寄せられ、勝利を後押しした。地元紙は〈当選者の横顔〉に「政策の根底に据えた『人権ファースト』の信念は揺るがない」と書いた。
衆院選につづく自民党の敗北
自民党にとって東北の6選挙区は当初から苦戦が予想されていた(結果は5選挙区で自民が敗北)。宮城では、昨年の衆院選で自民党は5選挙区のうち4選挙区で議席を失った。県内の市町村長は今回、自民党候補支援に向けて「有志の会」を結成、35人全員が名を連ねた。6年前、自民党候補は仙台市以外の地域では勝勢だった。今回は「郡部」の大多数でも立民候補に及ばなかった。
小泉農水大臣による「備蓄米放出」が東北や新潟などでも追い風になるとの観測があった。しかし、産地では「減反農政」への不信は大きかった。大臣の応援演説は注目され、仙台などでの演説は人で埋まったが、効果はどうであったか。自民党からの離反に歯止めがかからず、一部は立民候補への投票にもつながったようだと報じられた。
自民党候補の獲得票は6年前から17万票の減となった。参政党の影響もあった。全国的な現象となった参政党への票の「流出」が宮城選挙区でも起き、自民党大敗の一因となったと指摘されている。
「一対一」から「多党化」へ
9年前と6年前の宮城選挙区は自民党候補と野党候補による「一対一」の対決だった。安保法制反対運動のなか「野党共闘」が全国的に広がっていった。その後、選挙情勢が変化していった。3年前には連合会長を先頭に「共闘」への攻撃が強まった。「立民・共産党」批判が象徴したように、各地の選挙は大きな困難に直面した。
3年前の参院宮城選挙区では「多党化」のきざしも見られた。維新が初めて宮城選挙区に立候補して9万2千票を得た。
参政党も候補を擁立し、5万3千票だった。それから3年、参政党は仙台市議選での初議席をへて知名度をあげ、前回の3倍を超える18万票を得るにいたった(参政党の参院宮城の比例区票は3年前が3万弱、今回が11万超)。参政党に投じられた票は、各種のマスコミ調査を参考にすれば、大きく二分される。旧来の自民党支持者からの離反票、もう一つは「無党派票」だが後者のほうが多数だろう。参政党をはじめ「多党化」が投票率を引き上げたことは確かで、「投票場の雰囲気が違う、見知らぬ顔が多い」という感想が聞かれたほどだった。
宮城選挙区は、今回、れいわ新選組が擁立した唯一の一人区だった。候補者は自民と立民による「一対一」にいどむと語った。選挙構図を脅かすまでの躍進とはいえないにしても、選挙区で8万8千近く、比例宮城で8万6千を獲得した。出口調査では、れいわ支持者層の一定数(一部報道では一割台)が立民候補に投じたという。一方、「立民支持層の一部が(政策的な親和性の高い)れいわに流出した」という立民関係者の言葉もマスコミで紹介されている。
候補者を立てたチーム未来は「課題をテクノロジーの力で解決する」と訴え、選挙区で5万6千票を獲得した。とくに仙台ではれいわに5千票差まで迫った。
国民民主と維新は宮城選挙区での擁立をめざしたが実現しなかった。両党は比例区への注力を表明、選挙区での投票方針を示さなかった。
(仙台・八木)

選挙運動中の石垣のりこさん
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