8・30討論会 さようなら原発みやぎ実行委員会
原発ゼロの未来を選ぶ
【宮城】女川原発2号機が昨年末再稼働され「原発回帰」が加速しているなか、8月30日「さようなら原発みやぎ実行委員会」は、原子力資料情報室事務局長の松久保肇さんを講師に招き「自公政権による『原発回帰』への大転換を問う」という基調講演を受け「原発ゼロの未来を選ぶ討論会」を開催した。会場には130人が、リモートで25人が参加した。
福一の廃炉計画は無理、見直しを!
松久保さんは、はじめに福島原発事故の廃炉計画(デブリ取り出し)にふれ、スリーマイル島原発では133tを一日85㎏取り出したが、880tある福一のデブリを取り出す計画は、2037年から2051年になっている。そうなると一日170kgになり、スリーマイル島原発の2倍になり無理である。廃棄物の処分場所すら決まっていないし、廃炉費用も8兆円を見積もっているが全く足りない。将来的に電気料金に上乗せされ国民負担になると指摘した。
温暖化対策にはなり得ない原発
「原発回帰」の根拠とされている温暖化対策については、緊急にCО2削減は必要だが、計画から稼働まで原発建設には20年以上かかるため時間軸が合わない。これだけでも、温暖化対策の選択対象外である。原発のCО2排出量の推計値にはかなりバラつきがあり、コスト高でもありポテンシャルが少ないと。
国民負担の建設コスト
原発のコストについては、発電コストも建設コストも他の電源と比べて高くなっている。エネルギー基本計画では、建設コストは1基7200億円となっている。電力会社は、原発は安いと推進しておきながらコストがかかるのですべて「国民負担」にしている。これは詐欺だと指摘した。
原発はエネルギー安全保障に資することはない!
原発はエネルギー安全保障に資するとしているが、戦争時には攻撃目標となり、防衛はイージス艦とPAC3でするとしているが不可能だ。(因みに女川原発の、PAC3配備基地は280km離れた霞ヶ浦分屯基地)
また、ウラン産出量シェアは41%のカザフスタン等に偏っており決して安定した資源ではないと語った。
世界と逆行する電源構成と電気料金
世界の電源構成は、2040年に原子力10%程度としているが日本は20%としている。再エネは世界の半分と逆行している。(原子力20%は、すべて再稼働しないと達成しない)
「再稼働で電気は安くなったのか」については、東北電力の計画などを示して、原発維持のために巨額の支出を既に行っているので、電気料金は原発があることで上がっていて、下がるというのは間違っていると指摘した。
このように「原発回帰」の根拠を一つひとつ潰し「再エネ100%の未来は可能」と結論付けた。
質疑応答のなかで、「それでも尚、原発をやめられないのは何故か?」とフロアからの質問に対し、松久保さんは、「経路依存性」(過去の決定に縛られて、現在の合理的な選択・決定が出来ないこと)という概念で説明し「例えば政権交代などによって、これを立ち切らねばならない」と答えた。
住民の意見が反映される仕組みを!
第二部のパネルディスカッションでは、中嶋廉さん(原発問題住民運動宮城県連絡センター世話人)から「使用済燃料の乾式貯蔵施設に不同意を求めた運動で問いかけたもの」と題して乾式貯蔵施設建設反対運動の報告があった。この取組みで、村井知事は、搬出期限をつけることを示さなかったが、東北電力に早期搬出を要請せざるを得なくなったことは成果であると語り、今後、経済性の追及、老朽原発の検査、避難計画の再検討などを求めて、10月の宮城県知事選でこのようなことができる新知事を誕生させようと呼びかけた。
鴫原敦子さん(東北大学大学院農学研究科 学術研究員)からは、「何が『原発回帰』を可能にしているか!事故後の汚染廃棄物問題から考える」と題して報告。福一事故後、廃棄物の減容化に向けて、関係者との約束が反故にされたり、これまでのクリアランスレベル100Bq/㎏が80倍の8000Bq/㎏に法律を変えたりしていることが原発活用と表裏一体で進められている。女川原発の再稼働が決まったときは、国策だと村井知事が言ったことを見過ごすことはできない。福島事故は、国策が生んだのに同じ論理を正当化することに驚いたと話した。 三人の提起を受けて、住民の意見をどのように反映していくのか真摯な討論が行われた。パブコメが形骸化され、「国策」決定プロセスに当事者である住民の意見が反映される仕組みがない中で、改めて地方自治(団体自治・住民自治)の役割発揮が求められる。
県内の運動を連携させていくためにも10月に行われる宮城県知事選挙をそのための大きな契機としていくことを確認し集会を締めくくった。 (m)
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