9・193つの戦争から考える解放闘争─ロシア帝国戦争の30年
ウクライナ―チェチェン―パレスチナ
ロシアによる侵略を止めよう
【東京】9月19日午後6時半より、川崎市立産業振興会館で「ウクライナ―チェチェン―パレスチナ」3つの戦争から考える解放闘争―ロシア帝国戦争の30年がウクライナ連帯ネットワークの主催で行われた。
ダブルスタンダードの欺瞞と文化活動
ネットワークの原さんが主催者あいさつを行った。
米欧日がウクライナに対するロシアの侵略には反対するが、イスラエルによるジェノサイド・侵略占領について、反対の立場を取っていない ダブルスタンダード・二重基準ではないか。
もう一つ、左派・社会運動の中で、パレスチナの連帯の取り組みは歴史があるが、ウクライナについてはどうも。そこに問題を投げかけたい。パレスチナの民族自決権は支持するけど、ウクライナの民族自決権は支持しない。それはトランプと同じではないか。
こうした二重基準が分断をもたらしている根拠ではないか。これを乗り越えていく。
キーワードはバンクシーだ。この前もイギリスの裁判所に「裁判官が裁判の時に小槌を振るって、デモ参加者を抑圧している」絵を描いた。パレスチナ連帯の取り組みがあって、890人が逮捕された。それに対する抗議のメッセージであろうと。そのバンクシーはウクライナにおいても、「柔道着を着たプーチンを子どもが投げ飛ばしている」絵だ。だからバンクシーを通してつながる。
川崎で開かれている「この海の向こうに―パレスチナ・ウクライナを思う展覧会」ともつながる。
アートとか文化を一段低く見る左派の見方がある。文化という側面を見ると政治に対して日本の場合、忌避感を持つ。政治と文化の分断をどう乗り超えるか。
ロンドンをトランプが訪問した。千人以上の市民が反トランプの抗議運動をやった。そこの中にはパレスチナの旗が多かった。同時にウクライナの旗もあった。そういう政治センスが必要だ。日本の運動の中に作りたい。
植民地主義と民族問題。チェチェンやウクライナ、パレスチナ問題でも問われている。独自の文化・歴史、アイデンティティの問題。イスラエルはパレスチナに対するアイデンティティを認めない、パレスチナ人なんて存在しないと極右閣僚は言っている。プーチンも同じことを言っている。大ロシア主義、プーチンからしたらウクライナ侵略は侵略ではない。もともとのロシアのものを取り戻す。ネタニヤフも、イスラエル国旗に描かれた上下の線。西はナイル川から東はユーフラテス川、これは大イスラエルのものだ。パレスチナに侵攻している意識ではなく、もともとイスラエルのものだ。それを取り戻す。ここにおいて植民地主義者の共通点がある。
ウクライナ女性兵士のドキュメンタリー
続いて「ウクライナ女性兵士 絶望の戦場」NHKドキュメンタリー(2025年2月23日 放送)が上映された。
ウクライナ軍は、世界でもトップクラスの“女性の軍隊”になっている。女性たちは、全員が徴兵ではなく、志願して軍に入ってきていて、士気が高い。英雄とされ、愛国心の象徴となっている女性兵士もいる。しかし、彼女たちは、むき出しの暴力の中で、人知れず喪失感と絶望感に襲われていた。女性兵士たちの本音に迫る。
ウクライナ兵の死傷者は43万人、ロシア兵は80万人。
女性は兵役の義務はない。地下集団生活が半年以上続く。いつも笑う。生きるのが楽になる。男性兵士が関係を迫ってきた。そうした男・仲間とも闘う。
ドローンを扱う若い女性兵士がロシアのドローンによって顔面と手に負傷を負う。6回も手術し、回復すると、私は以前と変わらないとまた戦場に戻る。3年間で4万6千人の兵士が死亡した。
仲間を撃った兵士、士気の低下が問題になっている。アルコール依存症。徴兵拒否、脱走した兵士3万人。元受刑者も受け入れ。43歳の最前線で戦う突撃歩兵・オレーナ。陣地を奪い合い、仲間たちが命を失っていく。英雄と称えられるが、5m先の敵を撃てなかった。心がむしばまれる。娘を置いて、1年半に渡り戦場にいた母親が娘にこわれて、兵役から戻る。しかし、娘は戦争の意味が分からず、いずれウクライナから外の世界に行くと主張し、母親と対立する。
最後まで戦うと決意を語るオレーナ。この先、世界はどこに向かってしまうのかと、ナレーション終わる。
過酷な戦場のリアルな映像と女性兵士たちの苦悩とそれでも侵略者を撃退したいという強い意志。ロシア軍の侵略戦争が如何にひどいものか胸に突き刺さる。「ウクライナ連帯」を言葉では言えるが、この重たい現実とどう向き合うのか、どうロシアの侵略戦争を止めるのか、と考えるざるを得なかった。
ロシア帝国戦争の30年
続いて、林克明さんが、「3つの戦争から考える解放闘争―ロシア帝国戦争の30年」と題して、ロシアによるチェチェン侵略戦争がいかに行われたのかについて、歴史的経緯について報告し、ウクライナのロシア侵略の構図について明らかにした。
今後について、ウクライナに有利な形で実質的な勝利で終わるとか、一種のロシア自体が革命的状態になって、大改革されないかぎり、また同じようなことが起きる。第四次ロシア革命ぐらいなことにならないとあの地域が安心できない。ロシアの変動は確率的に一番大きいのは、第一に経済の破綻、二つ目は大きな政治的動乱であれば、支配層の中での離反、軍幹部が今の主流派に反対するとか、反プーチンの動きで徴兵事務所に火をつけたりする動きもある。
もう一つチェチェンを含む少数民族の運動が大事で、ここ3年で活発になってきたようだ。ロシアは民族の牢獄と言われたように、支配された少数民族は悲惨なことを経験してきたから、彼らが民族運動をやっていくとロシアの変動の大きな要因になっていくのではないか。その中の一つ、かつてロシア革命期に出来た山岳共和国という独立した共和国があった。北コーカサス一体だ。これを北コーカサス連邦共和国として復活させようという採択が2023年11月に、その地域の少数民族が全部集まって106年ぶりに第3回北コーカサス諸民族会議を開いた。そういうことも今後どうなっていくか注目していきたい。
ロシアが変わらないとどうしようもない。
侵略を絶対に許さない
原さんの再度の発言。
パレスチナの活動家と話した。今後ということでは、三つの点が必要だ。①パレスチナ人自身が占領に対して、抵抗する意志を絶対にあきらめない。②侵略者・占領した側の中に、分断・厭戦意識が生まれること。③国際社会の支援。
パレスチナに行くと分かることだが、パレスチナ人を滅ぼすというイスラエルの言い分は無理だ。パレスチナ人の日常生活におけるたくましさ、アイデンティティの強さを私は肌で感じてきた。軍事力をもってしても根絶やしにすることはできない。
イスラエルの中で、反ネタニヤフの声が上がり、亀裂も深まっている。問題なのは国際社会の支援だ。ウクライナについて国際社会の関心が薄れていくことはロシアのプーチンを利することだ。それを乗り越えていく。ロシアの侵略を許せば、第二・第三のウクライナが生まれる。「絶対に許さない」というのが反戦運動の基本だ。
ウクライナ・パレスチナ連帯運動を担っていこう。 (M)

ロシア帝国戦争の30年を説明する林克明さん
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