8・6ヒロシマ平和へのつどい2026

非暴力で、非武装(米軍基地と自衛隊基地の撤去)・非同盟(日米安保条約破棄)・中立(米国と中国からの)の日本列島へ
戦争の加害者にも被害者にもなる道を止めよう

 【広島】8月5日夕方広島市内で「8・6ヒロシマ平和へのつどい2026」が180人の結集で開催した。集会タイトルは「捨てた筈の武器を ほんとうに 捨てねばならない─非暴力で、非武装・非同盟・中立の日本列島をつくろう」というもの。

ヒロシマの歴史を問う

 最初に西岡由紀夫さん(被爆2世、日鉄呉跡地問題を考える会共同代表)が「ヒロシマの歴史認識を問う中で、現在をみつめる」と題して次のように発言した。
 「中国侵略した日本軍兵士の父の歩みと爆心地から2・6キロのところで被曝した母の歩み。歴史的に見れば軍都廣島への原爆爆撃を経ての『平和都市ヒロシマ』という欠くことのできない両面である。今日の集会タイトルにある言葉、捨てた筈の武器~というフレーズは栗原貞子の詩、『ヒロシマというとき』。これは1974年。平岡敬広島市長が『平和宣言』に日本の植民地支配や戦争によりアジア・太平洋地域の人々にもたらした被害に対する謝罪を盛り込んだのが1991年。1994年の『広島アジア大会』前に広島城掘端にある『歩兵第十一連隊』跡碑の戦争美化文言を十数か所修正した。1996年、原爆ドームがユネスコ世界遺産に登録された際、本島等長崎市長は『広島よ、おごるなかれ』と喝破した。
 私は平和公園碑めぐりガイドをしているとき、子どもたちに『戦争被害』と『侵略加害』の両面を見ることの大切さを語っている。2016年のオバマ演説は、原爆攻撃を自然現象のように語り、『核のフットボール』を平和公園に持ち込んだ。平和公園の入口には湯川秀樹歌碑があり『まがつびよふたたびここにくるなかれ 平和をいのる人のみぞここは』とある(『まがつび』とは災いや凶事を引き起こす神のこと)。歴史家の田中利幸は、『検証「戦後民主主義」 わたしたちはなぜ戦争責任を解決できないのか』で、『加害責任』と『戦争被害』の相互関連、『歴史認識の欠如』克服の道を示している。母の4才年上の兄は、ルソン島で戦死している。
 出兵した宇品の波止場公園には『陸軍桟橋とここを呼ばれて還らぬ死に兵発ちにき記憶をば繋げ』(近藤芳美)『陸軍桟橋跡記念歌碑』がある。ヒロシマの周囲を見ると海上自衛隊と米陸軍秋月弾薬廠からなる呉周辺の基地群と米軍岩国航空基地を中心とした岩国の基地群がある。呉は新たな軍事拠点にされようとしており、呉湾は『特定利用港湾』の説明が国によって行われた。『平和都市ヒロシマ』の課題としてみつめていく」。

在朝被爆者に援護を

 大月純子さん(被爆2世、福島原発告訴団・中四国)が「在朝被爆者に一日も早い援護を!」と題して次のように発言した。
 「当時、広島には朝鮮人が8万7千人いて、5万人の朝鮮人が被爆し、3万人が亡くなった(広島県朝鮮人被爆者協議会の調査)。在韓被爆者をはじめとする在外被爆者には運動の成果で居住国から被爆者健康管理手帳の申請ができるようになった。しかし、国交のない朝鮮民主主義人民共和国に帰った被爆者たちは援護の対象外である。
 2001年3月には、外務省と厚生労働省が合同で『在北朝鮮調査のための代表団』が訪朝。在朝被爆者の調査を行った。『反核平和のための朝鮮被爆者協会』から『人道的な医療支援が急務である』と要望。2002年、『日朝平壌宣言』に合意したものの拉致問題で国交正常化の動きが止まった。『植民地支配に対する謝罪と賠償』も被爆者への人道的な医療支援も実現しないまま、現在に至る。
 2007年末時点で、1911人の被爆者を確認、うち生存者は382人。2018年の中間報告では、そのうちの111人の調査が行われ、生存者は60人、死亡者が51人。死亡率が45・95%。被爆者健康管理手帳保持者の死亡率(38%)より高い。今年の原水禁大会分科会で金子哲夫さんが在朝被爆者救援を取り上げている。みなさまと連帯して取り組んでいくことを改めて確認する」。

長射程ミサイル配備に抗して

 海北由希子さん(平和を求め軍拡を許さない女たちの会・熊本事務局長、戦争止めよう!沖縄・西日本ネットワーク共同代表)が「国内初の長射程ミサイル配備に抗して」と題してオンラインで次のように発言した。
 「自衛隊のいる街で平和を創る。軍都熊本。家族に自衛隊員がいる。意見を言えない。陸上自衛隊西部方面隊。健軍駐屯地、熊本駐屯地、北熊本駐屯地。司令部の地下化工事。第301電子戦中隊。2026年度、対空電子線部隊配備。与那国と健軍に。2025年度末(3月31日)に25式地対艦誘導弾(射程1000km)が健軍に配備されたがこれからも反対運動を続ける。
 家族の中に自衛隊員がいるからこそ、絶対に戦争になってほしくないという声が急激に高まっている。弾薬庫建設にも反対している。健軍駐屯地の半径2キロ内は学校をはじめ生活圏である。昨年11月に地元の人たちが初めて立ち上がった。長年にわたる自民党支持者たち。自分たちの商売の基が自民党、自衛隊という意識だった、その人たち1200人が健軍商店街で立ち上がった。今年の2月24日、健軍駐屯地を囲む行動をした。人間の鎖で基地を包囲したが基地を背にして戦争させない、皆で守るという姿勢で取り組んだ。7月28日に地震があった。防災費と防衛費を比べてほしい。軍拡している場合でない。政治家に対して声をあげていこう」。

朝鮮人原爆犠牲者追悼団

 韓国からの「広島・長崎原爆81年朝鮮人原爆犠牲者追悼団」25名が登壇し「韓国からの連帯メッセージ」を発言した。
 チョ・ウォノさん(統一の道共同代表)は次のように述べた。「本日午後1時に朝鮮人原爆犠牲者追悼式を流川教会で行った。明日8月6日はソウルで、午後5時から朝鮮人原爆犠牲者追悼式を行い、アメリカの原爆で亡くなったすべての方々の冥福を祈り、反戦平和、歴史の正義のために共に誓い合いたいと思う。故郷を離れた5万人の朝鮮人が犠牲になり、日本政府は救助、謝罪を拒否してきた。2世、3世まで苦痛は続いている。米国の民間人大量殺害は正当化できない戦争犯罪だ。歴史を記憶し責任を問うことが必要だ。戦争と核のない平和な世界をつくるため連帯していく。米国と日本の反人道的戦争犯罪の責任を問う。朝鮮半島の平和と統一の道を切り開いていく」。

沖縄・福島からのメッセージ

 具志堅隆松さん(ノーモア沖縄戦命どぅ宝の会共同代表、遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表)の「沖縄からのメッセージ」を池田年宏さんが代読した。
 武藤類子さん(福島原発告訴団団長)の「福島からのメッセージ」を島村眞知子さんが代読した。

鵜飼哲さんの講演

 記念講演として、鵜飼哲さん(一橋大学名誉教授)が「国境を越える反戦闘争を、今、地域から」と題して次のように発言した。
 その他、ウクライナ情勢含めて話は多岐にわたった。
 「市民による平和宣言2026」が小武正教さんによって提案され参加者の拍手で採択された。
 翌日の行動提起を新田秀樹さんが行った。最後に、長崎の舟越耿一さん(ピースバス長崎代表、長崎大学名誉教授)が連帯のあいさつをした。

「グラウンドゼロのつどい」

 8月6日早朝の行動は、ひろしまゲートパーク内「ピースプロムナード」で「グラウンドゼロのつどい」を行った。発言者は以下。
 西岡由紀夫さん、ピースサイクルの小田諭さん、関西共同行動の古橋雅夫さん、京都の松尾憲さん、アジェンダ・プロジェクトの谷野隆さん、アウンチーミインさん、小武正教さん、池田年宏さん、鵜飼哲さん、人民の力協議会の実国義範さん、上関ネットの渡田正弘さん。
 8時15分に「追悼のダイイン」を行った。8時30分から「8・6反戦・反原子力・反ジェノサイド広島デモ」を中国電力本社前まで行った。
 9時15分から「脱原発座り込み行動」(中国電力本社前)10時まで行った。参加者100名。
      (久野成章)

反戦・反原子力・反ジェノサイド広島デモ(8.6)

鵜飼哲さんの講演

国境を越える反戦闘争を、今、地域から

 「2023年の広島G7サミット反対運動のときから広島の皆さんと連帯してきた。比治山の陸軍墓地をフィールドワークしたとき、西南戦争から埋葬されている墓地。沖縄は日本でなかったと高里鈴代さんは言われた。1900年の義和団事件と8カ国による出兵の話になった。126年たっても構図が変わらないものがある。松本にも小さいが陸軍墓地がある。護国神社のそばに。松代大本営の話。戦争ができる国に。高市政権は「年単位の継戦能力を持つ」と言う。
 パレスチナ連帯運動にかかわってきた中からお話しする。今日、東京では「イスラエル企業に税金1600億円出すな! 8・5経産省前行動」(呼びかけ・パレスチナに平和を!緊急行動会議、BDSJapan Bulletin、武器取引反対ネットワーク(NAJAT)、ジェノサイドに抗する防衛大学卒業生の会)が取り組まれる。
 タワーセミコンダクターは米国、イタリア、日本に生産拠点を有するイスラエルの光通信半導体企業王手。魚津工場はタワーセミコンダクターが51%、台湾企業ヌヴォトンテクノロジーの日本法人が49%の株を保有する合弁会社が運営。タワーセミコンダクター、経産省の1600億円の助成金により、新潟県妙高市と富山県魚津市の製造拠点の整備発表。経済安全保障体制にあらがう運動がパレスチナ連帯運動、イスラエルボイコット運動、日本の反戦平和運動の課題になっている。柏崎刈羽原発再稼働反対運動、膨大な水資源使用反対運動ともつながる。全国の行動と提携しつつ現地での運動展開の可能性模索。
 AIと米中関係について話したい。「米国の対中計画」という『ルモンド・ディプロマティーク』(2026年6月)は、「1・5兆ドルのトランプ国防予算」が意味するものとして次のように書いている。
 「米国は自由市場の仮面を脱ぎ捨てた。米国政府はいまや大ぴらに活動分野を選択し、価格を固定し、民間会社の株を取得し、国際援助を被援助国の政治的忠誠に紐づける。冷戦期やポスト冷戦期の用語はもはや通用しない。かつて「軍事ケインズ主義」は承認された需要を、防衛費を増額して支えることを意味していた。「軍事新自由主義」は同じことを、民間の助成金と補給網の規制緩和によって追求した。私たちが目にしているのはもはや予算ではなく配分の問題である。どんな価格で売りどんな生産費を投入することで、どの会社がどんな部門で存続可能かを決定することである。
 準備されつつある戦争は物理的なものであるよりも経済的なものである。その戦場は供給網であり、隘路であり、会計収支である。こうしたことすべての背後にはもちろん中国に対する恐怖があり、そして他のあらゆる優先事項を服従させるテクノロジー、すなわちAIがある。背景にある諸問題は新しいものではない。国防総省の計画担当者やランド・コーポレーションのアナリストたちは数十年前から、鉱物資源、チップ、ケーブル、海峡、原子炉について語ってきた。
 いままで政府の側は礼儀正しくうなずいては話題を変えていた。AIに固有の事態はこうしたテーマがすべて唯一のナラティブに溶解されることだ。このナラティブでは差をつけられることは白旗を上げることと同義なのである。これらの動きに対して反対の動きもある。
 自動化崇拝、データセンターの増殖、テック・エリートの傲慢と権力、彼らに拝跪する議員たちの腐敗……異議申し立ての高波は例外ではない。オープンAIの創業者宅に火炎瓶、データセンター建設賛成派のインディアナポリス市市議会議員宅に銃撃、地域のデモ活性化……。
 「AI業界より速く成長している唯一のものはそれに対するアメリカ人の反感だろう」(WSJ、5月18日)。AI関連の動きが速すぎると感じている人は過半数、18〜29歳では64%。
 図式は19世紀以来不変。不変資本(技術革新)による可変資本(労働力)の置き換え。近代化の犠牲となる労働者、農民、職人、会社員。だが「新ラッダイト」は左から右まで、全階級、全職種、全年齢層に。とりわけデータセンターの環境破壊に対する地域闘争が各地、各国で発展(チリ、メキシコ、スペイン。フランスではマルセイユ、グルノーブル……)。
 ただし今のところ運動は自然発生的、分散的。連帯はきわめて困難。11月の中間選挙への影響は大だが、民衆的憤怒は政治的媒介を見出せていない。民主党でもサンダース、アレクサンドリア・オカシオ・コルテス(AOC)など、データセンター建設一時中断を唱える人々は少数。トランプに不満を募らせるМAGA派(スティーヴ・バノン)による回収が始まっている。

「America First」から「Humans First」へ

 1月に与党議員団がイスラエルを訪問した日本は、インド、アルゼンチンとともにジェノサイド国家と躊躇なく関係を深めている稀な国の一つ。日本は安倍政権以来の流れ。
 米国に脅かされ解体の危機に瀕する国際司法裁判所、国際刑事裁判所の裁判長はどちらも日本人。外務省は表向き支持表明。国際法をめぐる闘いを国内/地域の闘いといかに結合すべきか? 国内の改憲勢力が世界の国際法蹂躙勢力と一体であることをいかに暴露すべきか? 反核運動の今後の展望をこの課題のなかにいかに位置づけるべきか?

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