8.9平和の灯を! ヤスクニの闇へ

靖国の『英霊』─様々な『戦没者』、そのさまざまな死にざま

 【東京】8月9日、「平和の灯を! ヤスクニの闇へ」キャンドル行動実行委員会は、文京区民センターで「2026 靖国の『英霊』─様々な『戦没者』、そのさまざまな死にざま」をテーマに集会とキャンドル・デモを行った。
 開会あいさつが野平晋作さん(ピースボート共同代表)から行われ、「2006年ヤスクニ・キャンドル行動から今年で20年です。高市政権は、2月総選挙での『圧勝』を背景に、軍拡、改憲への動きを強めています。靖国神社を『平和の杜』どころか『軍国神社』へと変えていこうとする動きは急です。今年は、戦争反対、改憲阻止、ノー!ヤスクニ、靖国神社を二度と『戦没者』顕彰施設にさせない、無断合祀を許さないことを確認し、ともに闘う決意をかためあおう」と発言した。

シンポジウム

 シンポジウムは四人の発言者から問題提起が行われた。

高橋哲哉さん

 高橋哲哉さん(東京大学名誉教授)は、「靖国の『英霊』─合祀の本質」をテーマに以下のように提起した。
 「自衛隊にこれから出るかもしれない戦死者は、大日本帝国や天皇のためにではなく、戦後日本国(および日本国民)のために死ぬ形になるはずだと言いました。しかし、パランティア等アメリカのAIシステムを通じて自衛隊が米軍に飲み込まれていくとき、自衛隊員は日本国や日本国民のために死ぬと信じられるでしょうか。実際には、限りなく『アメリカのために死ぬ』ことに近くなっていくのではないでしょうか」。
 「トランプ政権で国防次官を務めるエルブリッジ・コルビーのいわゆる『拒否戦略』、つまり、中国共産党政権の打倒が目的ではなく、中国が第一列島線から外に出て西太平洋に地域覇権を打ち立てることを拒否する、そのために地域の同盟国にも対中抑止を分担させる、という戦略です。ヘグセス国防長官は、東アジアで軍事的な威圧を強める中国に対し日米は結束すべきであり、この地域で有事があれば『日本は最前線に立つ』と述べ、自衛隊と在日米軍の指揮統制の連携強化を図るとしました。要するに、日本はアメリカの対中抑止政策におけるコマのひとつ、最大のコマとしてカウントされており、米軍に飲み込まれた自衛隊はそのために活用されるだろう、ということです」。
 「自衛隊員の戦死者を靖国神社に合祀すべきだという人たちは、大日本帝国および旧日本軍との連続性を幻想しながら、実際には、靖国神社をも日米同盟軍の戦争神社に、自衛隊を飲み込んだ米軍の対中拒否戦略のための戦争神社にすることになっているのではないでしょうか」。

石原昌家さん

 石原昌家さん(沖縄国際大学名誉教授)は、「日本軍に虐殺された被害住民が靖国神社に合祀されているカラクリ」をテーマに問題提起。
 「沖縄戦は『軍民一体の戦闘』だったということにし、国家の戦争責任を免責にして、日本軍の戦争犯罪を免罪にするという日本政府の情報操作だった。沖縄戦後史研究者や沖縄戦体験研究者が、この沖縄の『援護法』の研究に着手してこなかったのは、経済的に困窮した遺家族が『わらをもつかむ気持ち』で、『戦闘参加者についての申立書』を申請するにあたり、『捏造』文書を書かざるをえなかったから、その研究にだれも着手できなかった」とまとめた。

許美善さん

 許美善さん(早稲田大学大学院博士後期課程・大学非常勤講師)は、「朝鮮人BC級戦犯と靖国合祀─その不条理を問う」というテーマで提起。
 許さんは、①なぜ朝鮮人BC級戦犯は靖国神社に合祀されたのか ②なぜ、朝鮮人は戦犯になったのか ③靖国合祀はどのように行われたのか ④韓国遺族会・同進会による合祀撤廃運動について提起し、「植民地支配のもとで『日本臣民』として動員され、『日本人』として裁かれ、『外国人』として補償から排除され、それでもなお『日本の英霊』として本人や遺族の意思に反して祀られる─この歴史的矛盾は、今日に至るまで解決されていない。いまなお続く植民地主義の構造を問い直しつづけることが歴史的責任を果たすための第一歩だ」と結論づけた。

 中島光孝さん(弁護士)は、 台湾原住民族靖国訴訟の現状について報告。
 さらにイ・ヒジャさん、チャン・ジヌァさん、パク・ジンプさんは、日本政府と靖国神社を相手取り、合祀の撤回と損害賠償を求めてソウル中央地裁に提訴したことを報告。
 続いてチャン・ワクニさん(民主社会のための弁護士会)が「韓国・靖国韓国人合祀撤廃訴訟とその意義について」、韓国・若者からの活動報告が行われた。
 ソン・ビョンフィさん(民衆歌手)の歌唱アピール後、反靖国共同行動・韓国委員会が閉会あいさつした。
 終了後、キャンドルデモに移った。  (Y)

キャンドルデモ(8.9東京)

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