原子力規制委員会による福島第一原発処理汚染水の放出計画認可を糾弾する
海に流すな! 命を守れ!
東電の約束違
反を許さない
【いわき】先に実施された参議院選において、野党候補は原発・汚染水対策を政策から外し自民党推薦候補に敗北した。そして7月22日原子力規制委員会は、東京電力の福島第一原発処理汚染水の放出計画を認可した。自身が実施したパブコメに寄せられた意見を、公開の議論もないまま、にである。
それは、事実上のパブコメ無視でありかつ、東京電力による約束違反行為の片棒を担ぐ暴挙である―東京電力は漁民と、関係者の理解なしにいかなる処分も行わないとの約束文書を発行していた。東京電力・原子力規制委員会による、「汚染水放流による環境影響なし」の評価は、信頼に値しない。64核種を除く、含有放射性物質のデータ不明等、難点が山積しているからである。そしてまたこの措置による、汚染水問題の解決を見通すことはできない。
先ず福島第一原発炉内への雨水の流入は続き結果として、福島第一原発事故炉経由の汚染水がなくなることはない。汚染水の浄化とは汚染水中の放射性物質の移動に過ぎない。そもそも汚染水問題とは、福島第一原発事故由来の放射性物質の処理問題である。
今回東京電力が採った措置は目先の利益を優先し被害を顧みない暴挙である。闘いは続けられている。
漁業者に対する
打撃をやめろ!
2022年7・18海の日アクション・汚染水を海に流すな!海といのちを守るパレードが福島県いわき市小名浜「アクアマリンパーク」で行われ、リレートーク及びパレードが実施された。トーク終了後100人が参加しパレードが行われた。
トークはリレー形式で実施された。トークの最初に柳内孝之さん(小名浜底曳網漁業協同組合専務理事)が登壇し、以後、安藤栄作さん(彫刻家)、会津・南相馬、いわき・県外からと参加者が次々に汚染水放流への不信・糾弾・反対等々の意思を表明した
柳内さんは、「津波に襲われ操業及び魚市場の営業ができなくなった中で、原発から大量の放射性物質が海に流れた」と語った。水産庁や経産省各省庁に電話をしても「たらい回し」だった。
魚の汚染状況は徐々に改善され、昨年3月には出荷制限魚種がなくなった。試験操業拡大を準備中の海洋放出問題。漁業者の足を引っ張る決定だった。
海洋放出されたら、福島の漁業や水産物は消費者への影響が心配だ。「関係者の理解なしには、いかなる処分も行わない」という確約を取った。「文書もある。海に流すのは受け入れがたい。水揚げは震災前の2割弱。商売にならない状態。取り扱う業者も減った。多くの意見を聴きながら物事を決めるべきだと思う」と放流反対の意思と漁業の将来への不安を述べた。
コスパ優先でよいのか? 「心が被曝した。そこを無視し数値だけ見せて全部解決したみたいなマジックを言うな」と、彫刻家の安藤榮作さんは怒りの発言。会津から参加の片岡さんは、ビキニ環礁被曝=アメリカの水爆実験で被ばく=を紹介し「海洋では放射能は混ざらない」との発表がある。「東京電力は過去の例から学ぶべき」と発言。認定NPO法人「いわき放射能市民測定室たらちね」理事長の鈴木薫さんも金がかからない方法ならば良いのか。「本当に腹立たしい」と怒りの発言。
満田夏花さん(国際環境NGO FoE Japan理事)は「議論されている『水』は中身が不明。ストロンチウム90もある。海も空も人間のゴミ箱ではない。とんでもないしっぺ返しを食うことになる」と警鐘を鳴らした。
「これ以上海を汚すな!市民会議」共同代表の織田千代さんは、「多くの市民が反対。しかし、東電は約束を無視し事前了解のいらない工事を始めた。参院選でも、この海洋放出問題が取り上げられなかった。本当に残念。子どもたちの未来にきれいな海を残したい。声をあげ続けましょう!」とアッピール。
最後に登壇した同じく共同代表の佐藤和良さん(いわき市議)は、「これは大義のある闘いだ。いくら強権的に進めようとも、すべての命を守るという大義の前には、海洋放出はいかに無謀か。今月中に恐らく、認可されるだろう。だが、私たちは反対していく。私たちが臆することなく怯まなければ止められるだろう」と檄を飛ばした。
トーク終了後「イオンモールいわき小名浜」前を「海に流すな!命を守れ!」と訴えパレードした。現地は諦めてはいない。(浜西)
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