8・12~15「国のために死ぬこと」礼賛を許すな!

ストップ!「戦争国家」体制づくり

国家による「慰霊・追悼」を許すな! 8・15反「靖国」行動実行委員会

 【東京】国家による「慰霊・追悼」を許すな! 8・15反「靖国」行動実行委員会は、8月12日に「顕在化する〈自衛隊と戦争神社〉」講演集会、8月15日に反「靖国」デモを行った。

軍事と靖国・天皇制の結合と対決へ

 「国家による『慰霊・追悼』を許すな!8・15反『靖国』行動」は、この間の天皇制をめぐる状況に対して次のように批判した。
 ①「皇位の安定的継承」をめぐり、衆参両院議長と各党代表者らによる協議が2年4カ月ぶりに再開し、「皇族」(または「準皇族」)という特権身分を拡大し再編しようとしている。皇族身分の拡大など許されない。天皇制は消滅されるべきである。
 ②自衛隊と靖国神社との結びつきは、主なものでも以下のように深くなってきている。
 小林弘樹陸自幕僚副長ら10数人が靖国神社を集団参拝(24・1・9)、靖国神社の新しい宮司に、海自自衛艦隊司令部幕僚長も務めた大塚海夫元海将が就任(24・1・9)、防衛大学校の「有志」が、毎年11月に横須賀から徒歩で「夜間行進」をして靖国参拝する。昨年はこれに493人が参加。
 木原稔防衛相は「政教分離」の観点から神社等への「部隊としての参拝」などを禁じた1974年の防衛事務次官通達違反に対して「必要に応じて改正を行うべきだ」と述べている。
 軍隊と靖国の結びつきを改めて確認させ、「国のために死ぬこと」を礼賛し、その思想を隊員に改めて注入する目的を持っていることは明白である。靖国神社のみならず、護国神社や一般の神社と自衛隊との結びつきも強化されてきている。
 自衛隊と靖国神社等とのこうした結びつきの拡大は、現在の「戦争国家」体制づくりに向けた動員攻撃の一環だ。軍事と靖国・天皇制の結合と対決し、「国のための死」のイデオロギーを拒否しよう。

「顕在化する〈自衛隊と戦争神社〉」

小畑太作さん(「合祀いやです」少数者の人権を求める会〈山口〉)

8・15反「靖国」行動実行委員会

 8月12日は、文京区民センターで「顕在化する〈自衛隊と戦争神社〉」をテーマに小畑太作さん(「合祀いやです」少数者の人権を求める会〈山口〉)が問題提起した。
 小畑さんは、冒頭、山口自衛官合祀拒否訴訟(中谷訴訟)の取り組みを次のように紹介した。

 「自衛官であった中谷孝文さんが、1968年、公務中に交通事故死。妻の中谷庸子さん(当時、日本基督教団山口信愛教会員、現在、同前小郡教会員)が拒否したにもかかわらず、自衛隊と山口県護国神社は共謀して中谷孝文さんを山口県護国神社に合祀(1972年)。これに対して中谷庸子さんは『信教の自由』(憲法20条)の侵害として山口地裁に提訴(1973年)。一審、二審は、中谷さんの『宗教上の人格権』が認められ勝訴。しかし天皇代替わりの直前、188年6月1日、最高裁大法廷は中谷さんの全面敗訴の逆転判決(1対14)を出す。1989年、当会が立ち上げられ『自衛官合祀拒否訴訟最高裁不当判決抗議集会』と山口県護国神社への合祀取下要請行動を開始。提訴50年目の2023年に新たに山口県知事護国神社公務参拝違憲訴訟を始めた」。
 そのうえで「靖国神社・護国神社という宗教を必要とする自衛隊」という観点から「死の危険を避けるために死の危険を犯すという矛盾を他者をして納得させて為さなければならない。そのために必要なものは、①矛盾を問わない枠組み(世界観・歴史観) ②そうして死んだ(殺された)人の意義付である。それらを提供するために作られたのが靖国神社であり護国神社である」と批判した。
 さらに「教育現場への靖国神社・護国神社の介入」の実態を紹介し、①自治会による神社費徴収や神事案内②知事他の防府天満宮支援③下関市による建国記念の日奉祝大会、他神事支援などを取り上げ、見過ごしてはならないと強調した。
 連帯アピールが戦時下の現在を考える講座から行われ「茨城における朝鮮人強制連行を知る8・25集会デモ」への参加を呼びかけた。
 最後に実行委は、「声明 『皇族数確保策』も『皇位継承策』もいらない」を提起し、採択された。

8・15反「靖国」デモ

 天皇制の植民地支配の犯罪、戦争・戦後責任を追及し続けるぞ


 8月15日の反「靖国」デモは、東京・淡路公園に集合し、前段集会を行った。
 渡辺健樹さんは、朝鮮半島と日本に非核・平和の確立を!市民連帯行動主催の「日朝ピョンヤン宣言22周年集会 ストックホルム合意から10年 国交正常化はなぜ進まないのか」(9月15日〈日〉/午後2時開会/文京区民センター3A)をアピール。
 即位・大嘗祭違憲訴訟の会が「なぜ私たちは天皇制に反対しているのか 即大訴訟控訴審に向けて 8・31集会」(8月31日〈土〉/18時/文京区民センター2A)への参加の訴え。
 続いてノー!ハプサ(ノー!合祀)訴訟裁判のアピール、8・15東京集会のアピール紹介が行われた。
 デモに移り、権力機動隊の不当な規制、天皇主義右翼らの挑発を許さず「国家による慰霊・追悼反対! 靖国は侵略戦争のシンボルだ! 戦争賛美の神社はいらない!」のシュプレヒコールを神保町・九段下一帯にわたって響かせた。とりわけ靖国神社を正面にして「靖国神社は戦争神社!戦死者賛美を許さない!」などの抗議をたたきつけた。

靖国派の策動をはねかえそう

 この日、武道館では政府主催の全国戦没者追悼式が行われ、天皇は「おことば」で「再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、全国民と共に、心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります」と述べた。
 アジア・太平洋民衆に対する謝罪もなく、天皇制の植民地支配の犯罪、戦争・戦後責任に対して居直った。
 岸田首相は、「国際秩序の維持・強化を進め、『人間の尊厳』を中心に据えながら、世界が直面するさまざまな課題の解決に全力で取り組み、国の未来を切りひらいていく」と述べ、軍事大国建設によって米国とともにグローバル戦争への参画、対中国、対北朝鮮シフト強化をねらっている。
 岸田首相は靖国神社に私費で玉串料を納めた。「自衛隊と靖国神社」の結びつき強化をねらう自民党の木原稔防衛相を先頭に、新藤義孝経済再生担当相、高市早苗経済安全保障担当相は靖国神社参拝を強行した。
 さらに、「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」(約70人)が参拝した。
 このような天皇、岸田政権、天皇主義者、靖国派が一体となってアジア・太平洋侵略戦争に対する居直り、憲法9条改悪にむけたイベントに抗して実行委は、反「靖国」行動を貫徹した。    (Y)
 
 

「全国戦没者追悼式」に抗議する!(8.15)

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