9・30に水戸150号、ひたちなか94号奪還!

茨城育樹祭ビラ弾圧

 茨城育樹祭ビラ弾圧は、9月11日の不当逮捕からあっという間に20日間勾留が裁判所によって認められてしまった。しかし救援会と仲間たちが、2人を拘束する留置先前での激励行動、抗議声明の発表、賛同署名集めをする中、9月30日に2人は釈放された。

退廷乱発の福本裁判長を許さない

 水戸地裁と同じ敷地、水戸簡易裁判所で9月27日午後に開かれた水戸150号、ひたちなか94号両氏の勾留理由開示請求裁判では、整理券をわけてもらい、傍聴席にはいることができた。この日、40名近くが傍聴支援、激励に駆けつけた。また、同日午前中から救援会が呼びかけて地方検察所に対する要請、裁判所前情宣も約20人で行われた。
 ひと気もまばらな簡易裁判所で開かれた理由は、即席の警備法廷を作ろうとしたためのようである。裁判所周辺には警察車両数台が待機し、そこかしこに制服警官が立っていて、この周辺では異例の警戒態勢なのかもしれないが、とても的外れな警戒ぶりだ。法廷の廊下には、使わない書類棚を横たえてバリケードのようにして通路をふさいでおり、傍聴者の貴重品預かりの裁判所職員多数に交じって、警察官もかなりの数が入り乱れていた。城下町の風情漂う水戸市中心部において異様な茶番が繰り広げられていると感じた。公安警察が仕組んだ弾圧なのでやはり、というべきか、ただ、法の上では独立すべき司法がなぜ警察との結託を隠さないのか、という疑問しか浮かばない光景である。
 1回目の水戸150号のときに退廷指示が7人に乱発され、警察などの言うなりになって訴訟の場を用意するだけの裁判所にどんな意味があるのか、と抗議の声が激しく相次いだ。
 福本裁判長は警察、検察がでっち上げた勾留理由を読みあげた後は、被疑者からの直接の異議にも答えず、吉田弁護士から「罪状の性質」とは何か、勾留延長の理由を説明できるか、逮捕の根拠である逃亡、罪証隠滅の恐れなどないと見受けるがどう考えるか、司法が警察の主張を客観的に判断できていると思うか、など具体的な質問を受けることになった。
 福本裁判長は「こたえない」、「わからない」を連発して、当然のように傍聴席からの抗議、失笑を浴びた。
 川村弁護士も、要点を定めて裁判所の姿勢を重ねて問うたが、たじろぎながら何も答えないという姿勢を福本裁判長は貫いた。留置所での警察官による取り調べが容疑の建造物侵入ではなく、天皇制に反対なのか、どうなのかの確認だけに絞られている点がこの弾圧の特徴といえるようだが、その点を浮き彫りにしようとする弁護士、被疑者2人の確信をはぐらかすことだけに裁判所側は専念している、という感じだ。
 まさに小心翼々とした官僚の態度だが、法廷でのメンツを保つために「退廷」指示をだす時だけ張り切る姿勢は悪質である。
 被疑者は勾留理由請求の陳述をしたが、私が聞いたひたちなか94号の演説も司法、警察を含めた国家権力の不当、だらしなさ、ビラで訴える内容の正当性など、真摯で聞きごたえがあった。水戸150号の陳述も、救援会ブログに掲載されているとおりユーモアを交えつつ、人権侵害が続く状況の告発、天皇制の差別性を縷々のべて傍聴席をわかせたと聞いた。追及されているのは裁判長、茨城県警の側であるのは明らかだ。

天皇制弾圧をはね返そう

 茨城県警は、天皇制の持つおかしさに異議をとなえる人の自由を拘束し、運動の抑止をくわだて、違法な情報収集などいやがらせをしたことを謝罪しなければならない。全国の警察は、天皇制について行動する人へのこうした弾圧を二度とおこなってはならない。
     (海田 昇)

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