11.11防衛省にレッドカード

石垣島の上原正光さんがアピール

辺野古に基地を作らせない実行委

 【東京】11月11日午後6時半から、東京市ケ谷の防衛省に対して、辺野古に基地を作らせない実行委が月例の申し入れ行動を行った。
 この日も先月に続いて、安和桟橋の闘いの皆さんに連帯して、レッドカードを掲げて防衛省に突きつけた。「辺野古新基地建設をやめろ、防衛省は新基地建設をやめろ、大浦湾への杭打ち反対、チュラ海を壊すな、沖縄へのヘイトスピーチ許さないぞ、でっち上げ逮捕許さないぞ」。
 工事を急いだから、死傷者が出る悲惨な事件が起きた。被害を受けた女性が赤い色を身につけて、「車に止まれ、工事よ止まれ」、この意味を込めて、安全にしかし毅然と抗議を続けようという趣旨で赤色を身に着けて、抗議行動をした。

大浦湾杭打ちをやめろ

 最初に辺野古実が主催者あいさつをした。
 先月末から辺野古に行ってきた。そのことを含めて報告したい。
 辺野古・大浦湾ではA5湾近辺で、引き続き直径1mくらいの鋼管矢板の杭打ちが続けられている。予定では4年間で千本打ち込むことになっているが、2カ月経っているのにも関わらず、10月末現在で20本しか打てていない。1年間に250本の予定なので、早くも杭打ち工事が大幅に遅れていることが明らかになっている。
 原因は分からないが、意外と地盤が固かったから苦労しているという話もある。大浦湾がますます破壊されている。防衛省は水深90mの軟弱地盤の土質調査をしている。その調査報告書をはっきりと出させて、軟弱地盤に杭打ちは無理だという具体的な根拠をもって、さらに防衛省を追及していく必要がある。一方、移植したサンゴのほとんどが死滅した。怒りを禁じえない。
 6月18日に辺野古への土砂を搬出する安和桟橋付近で痛ましい死傷事件が発生した。その原因とかをまったく明らかにしないまま、作業の再開が始まっている。安和桟橋の前は今まで以上の厳戒態勢で、警備会社員が20人くらい、人間の壁を作って、オレンジ色の幕を持って、歩行者が自由に通れなくしている。公道を1民間会社が歩行を止める。それは何の根拠もない法律違反の行為だ。違法行為が警察の前で、まかり通っている事態が安和桟橋であることにその怒りを防衛省にぶつけていきたい。
 10月26日から、沖縄を始めとして全国で、戦後最大規模の日米共同軍事演習が行われた。日米、オーストラリア、イギリス軍も含めて4万5千人の大規模の参加があった。沖縄でも沖縄本島をはじめ、石垣・宮古そして与那国と、全島あげて軍事演習が行われた。
 与那国の自衛隊の駐屯地から飛び立とうとしていたオスプレイがちゃんと飛び立てずに、人々が通る公道の脇で、破損事故を起こした。非常に危険な事故も起きている。事故を検証することなく軍事訓練を続けた。沖縄の島々は軍事要塞化、自衛隊・米軍がわがもの顔になってのさばり歩いている状態になっている。怒りを改めて突き付けていきたい。
 そして、もう一つ。講談社の発行する「モーニング」という雑誌、弘兼憲史の漫画「島耕作」で辺野古抗議活動に「日当」が払われていると描かれる事態が発生した。根も葉もない事実とはっきりしているにもかかわらず、堂々と講談社が発表するという事態に対して、80人くらいが抗議行動をした。
 弘兼憲史と講談社は事実確認が不充分だったと謝罪とお詫びを発表したが、未だに沖縄の人たちに直接の謝罪もお詫びもやっていない。直接お詫びしてこいと言いたい。
 沖縄と連帯して行動を積み上げていく。

石垣の上原正光さんが電話で訴え

 沖縄・石垣の「基地いらないチーム石垣」代表の上原正光さんが電話でアピールした。
 石垣島の駐屯地の現状について。与那国島で起きたオスプレイのほぼ墜落ではないかという事故について報告したい。
 石垣島は昨年3月16日に、駐屯地が開設された。これは完成ではない。9月に、4つ目の弾薬庫が完成に近づいている。基地拡張の土地買収が各地で起きている。基地周辺では装甲車が朝・晩動いている。米軍が来てもいいような、有刺鉄線を巡らせる地域、日米で合意されたのだろう。全県から集められた消防車が20数台、異例の状態で防災訓練が行われた。県を巻き込んだ形で、防災に名を借りた軍事訓練が海上自衛隊、陸上自衛隊、航空自衛隊が参加をして行われた。それに対する反対運動は非常に弱いのが現状だ。石垣島ではほかの島では起きていないようなことが起きている。

与那国の状況について

 オスプレイの事故が起きた。自衛隊関係者に聞いても、あれは半ば墜落だろうという見方をしている。機体が損傷して、飛び立つことができない。10月27日午前11時38分に事故を起こした。プロペラが回転し始めて、約17秒後に機体が降下し陸地に触れた。現場に居たのは私とフリーライターのみだった。陸自のオスプレイは必要以上に旋回して、操縦が不可能になってきた。オスプレイが欠陥機であることが間違いなく証明された。
 与那国島で何が起きているか。小さな島だ。硫黄島で日米の戦争があったが、1944年島民を強制疎開させて、日本軍が支配した。1968年に返還されるが、その後に自衛隊、日米の管理下に置かれている。

軍事要塞化して島は疲弊している

 与那国もそういうふうになっていくのではないかと危機感を持っている。与那国ではすでに、人口が自衛隊も含めて1700人。島民はかなり島を出て行ってしまっている。生活ができない状態。老人ホームが今月末で閉鎖される。去年4月幼稚園が閉園になった。いろいろ生活ができないように押し込められている。生活ができない状態にしておいて、軍事要塞化が進んでいる。このまま見過ごすことはできない。何とかしなくてはいけない。琉球弧、1600キロの中にミサイル部隊を構えるということは、専守防衛から敵基地攻撃までやれる島として、非常にシビアな状況に立たされている。
 いまいっしょにできることは日米安保の即時破棄、日米地位協定の即時破棄を運動の共通項とすることだ。

与那国島町長選への支援を

 来年、8月27日に与那国町長の任期が切れる。選挙戦が始まる。与那国の将来を決める町長選挙を全力で支える必要がある。そのために島の人たちを孤立させてはいけない。畜産業、第一次産業の中で暮らしてきた人たちは非常に不安な状態だ。島の人たちを支えるためにも、他人ごとではなく、共に闘うことだ。支援をしてほしい。
 私たちの闘いは日本国内だけの闘いだけではなくて、東アジアの人々との関係を作る必要がある。アメリカと韓国と日本の3カ国で軍事訓練が強化されようとしている。国際的な連帯行動が必要だ。共に闘おう。

1カ月間の連続行動をやり抜こう

 この後、防衛省に対する抗議申し入れが行われた。次に参加した団体がそれぞれ行動への参加を訴えた。埋め立て企業への抗議行動、11月20日埋めるな連の学習会・大浦湾を埋めるなと1カ月のキャンペーン行動。11月30日国会包囲行動。沖縄連帯行動に参加しよう。
(M)
 

辺野古に新基地建設は許さないと、防衛省に抗議(11.11)

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