沖縄の闘いに呼応して、声をあげよう!

11.30 秋晴れの国会前 300人が決意新たに

 【東京】11月30日、「国会正門前アクション」が行なわれた。沖縄の反基地闘争に連帯する市民らが「沖縄の闘いに呼応して『本土』でも声をあげよう」と掲げた。主催は「『止めよう!辺野古埋め立て』国会包囲実行委員会」。東京・千代田区の国会議事堂前に約300人が集まった。

大浦湾の環境破壊を許さない!

 午後2時過ぎ、実行委の中村利也さんが主催者としてあいさつをした。
 「大浦湾の珊瑚は埋め立てでほとんど死滅しているといわれている。地盤改良も難しい。今年6月の土砂搬送ダンプカーによる死亡事故での『市民責任論』を絶対に許さない。自国民の命や安全を守ろうとしない政府は、日本とアメリカのどっちを向いているのか」。「本日は皆さんの発言や報告を取り上げ、国会に真剣な議論を求めていくために開かれた」。
 山口菊子さん(総がかり行動実行委)が発言した。「沖縄は憲法番外地だ。基地の負担が県民に覆いかぶさっている。憲法が生かされる沖縄にしていく。日本中が憲法番外地にならないよう、声を大にして頑張っていく」。
 社民党衆院議員の新垣邦男さんは、「基地による悪臭、爆音、騒音に悩まされている。この犠牲を訴えていこう」。
 社民党参院議員の大椿裕子さんは「石破首相よ、日米地位協定の見直しはどこへ行った」と追及した。
 山城博治さん(沖縄平和運動センター顧問)は、電話で集会にメッセージを寄せた。「今年6月の安和桟橋でのダンプ事故で政府は『反対派が引き起こした』などと言っている。被害者は自身の健康保険で治療している。怒り心頭だ」。
 「仲間たちは懸命な活動でめげずに闘っている。それなのに県はなぜ何もしないのか。全国から沖縄県に抗議をしてほしい」。「南西諸島では戦力の増強、大軍事化が進んでいる。これを止める努力をしてほしい。今日は参加できませんが全国の皆さんと共に闘っていく」。
 「基地・軍隊はいらない4・29実行委員会」の與儀睦美さんがマイクを握った。
 「2016年4月28日、当時20歳の女性が米軍関係の男に強姦されて殺され死体を遺棄された。この事件に抗議してスタンディングを続けている。抗議声明を外務省と防衛省に提出した」。
 「昨年12月に起きた米兵による性暴力事件を外務省は、今年6月まで隠ぺいして県や防衛相に伝えなかった。6月の沖縄県議選が終わるまで隠されたのだ。裁判では加害者が被害者と衝立1枚を挟んで出廷した。これはセカンドレイプだ。沖縄に基地があり続ける限り事件は起きるのだ」。
 「安保破棄中央実行委」の東森英男さん、伊波洋一参院議員、「平和フォーラム」の染裕之さんがそれぞれ発言した。3時からは太田武二さんらによる三線ライブも行なわれた。

カヌー隊の体を張った闘いを報告

 「辺野古ブルー」の中島和也さんがステージに立った。大浦湾にカヌーを出し、体を張って埋め立て工事に抗議しているチームだ。
 「目の前で海が壊される現状を見てきた。カヌー隊が海に出ることで、工事を少しだけ止めることができる」。  「今年4月から作業ヤードで資材置き場づくりが始まった。石を投下し千本の杭を打ち込む。珊瑚の移植作業も進んでいる」。「ダイバーが珊瑚を割り工事区域外に移動する。スーパーの買い物籠のような物に珊瑚が入れられ海中に放置されている。乱暴な作業で珊瑚は死ぬ」。「現代は環境破壊をする時代ではない。軍事基地建設を止めていく」。
 「土砂全協首都圏グループ」の毛利孝雄さんが発言した。
 辺野古新基地の埋め立てに必要な土砂、石材は、10tダンプ約360万台分。当初計画ではそのうち75%が、奄美・九州や瀬戸内海など沖縄県外6県から調達する予定だった。しかし埋め立て開始後に、大浦湾一帯に軟弱地盤が存在することが明らかになり、大規模な地盤改良工事が必要になった。沖縄県内の採取候補地は戦跡にあるため、「遺骨混じりの土を軍事基地の建設のために使うな」と反対の声があがった。
 一方、奄美大島には多くの採石場があり、住民らは採石場からの粉塵、振動、赤土流出による海の汚濁等に悩まされている。石材であれ土砂であれ、特定外来生物が付着して沖縄県に侵入し、貴重な生態系をかく乱する恐れがある。
 くっきりとした秋晴れの空の下、約300人が国会前に長い人垣を作り、沖縄の闘いに連帯する声をあげた。        (S)

環境破壊を強める辺野古新基地建設を止めようとアピール(11.30)

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