12.14くとぅば じんじけー~琉球・島じまのナラティブ~

独自のアイデンティティを守り継いで

 【東京】12月14日午後2時半から、日比谷コンベンションホールで、琉球文化イベント「くとうばじんじけー~琉球・島じまのナラティブ」が主催:沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックで行われた。
 「くとうばじんじけー」とは言葉(は)銭使い。言葉は使い方によっては、お金と同様、善にも悪にもなる性質を持つ。言葉は人を活かし、人を傷つける。だから、お金を使う時のようによく考え、慎重に用いなければならないということ。言葉の大切さを説く黄金言葉。
 日本とは異なる歴史を背景に、独自のアイデンティティーを育んできた琉球・沖縄の島
じま。とてつもなくながい永い年月を重ねて培われてきた島(沖縄島、宮古島、八重山、与那国島)の伝統や文化、とりわけ言語はシマの中で生き続けている。
 たとえば絶滅の危機に瀕しているどなんむにぃ(与那国語)は、自衛隊の進駐によっていとも簡単に奪われていくのだろうか…。(呼びかけ文より)

プログラム
第1部 琉球諸語について
 琉球諸語研究者の仲間恵子さんが次のような内容を詳しく講演した。
 •琉球語の歴史と多様性。日本による琉球併合から現在にいたる言語状況、琉球語の多様性(貴重な音声記録を披露)、•琉球語はヤワじゃない。ウチナーヤマトゥグチ・言語接触について、日本語を強制された歴史を経ても残る琉球語の体系性。•言葉を意識して大事に使うということ。
 第2部 唄・三線。垣花曉子(かきのはなあきこ)さん、舞踊 日南田優子さん、笛竹 内みつひろさん。垣花さんの歌声は高音で澄んで人の胸をうつものだった。ゆったりとした唄や早く全体が輪になって踊るものなど、そしてそれに合わせた日南田さんの踊りも素晴らしかった。
第3部 トークセッション。沖縄島 仲間恵子さん、宮古島 垣花曉子さん、与那国島 大仲尊さん。
 仲間さん。「方言をしゃべることはできなかったが格好いいと思った。財産である祖先の思いが入ってきた。急激な基地の広がりがあり、それは言葉にも表れる。日本語・標準化の影響がこれから出てくるだろう」。
 大仲さん。「方言札を経験している。方言をしゃべると学校の先生に殴られた。方言を使うと、どうしようもない人、罰則の対象になる。劣等感を植え付けられた。台湾有事になれば、与那国島の人は佐賀県に強制避難・移住させられる。そして、最後に水道・電気を止める。文化が失わせる。与那国語が消滅させられる。言葉が一番大事なことだ。母親が子どもに話せないと受け継がれていかない。国家によって、言葉が奪われていいのか」。
 垣花さん。「沖縄島から石垣島に移住した、沖縄の方言の歌・黒島(くるすぃま)節がある。大津波で半数が亡くなった。生き残った人がいい島を作っていった。それから生まれた歌。いい島にしよう。基地はそれをばらばらにしてしまう」。
 琉球の島々の言葉・文化の歴史と現実を考えさせられる催しであった。     (M)

【おわび】かけはし新年号、12面コラム「架橋」の「年金50万円は高いか低いか」で書いている「年金50万円以上もらう」は、事実誤認のうえで書かれていました。在職老齢年金の支給額減額について、減額(支給停止)が始まる50万円を年金額と勘違いして書かれていますが、働いて得ている報酬月額と老齢厚生年金月額の合計が50万円を超えると減額される、という制度です。今回のコラム「架橋」は削除し、おわびします。詳しくは下記を参照。https://www.nenkin.go.jp/service/pamphlet/kyufu.files/LK39.pdf

【訂正】かけはし新年号10面、「変えたらアカン!平和憲法集会」上から7段目「危険な軍事オタク・石破首相」の見出しの最後から2行目「自民党憲法改正草案(1912年)作成」を(2012年)に訂正します。
 かけはし2024年12月16日号3ページの投稿「戦争を止めよう!沖縄・西日本ネットワーク」をつくろう記事の【11月30日】〔由布院温泉に敵基地攻撃ミサイルが配備される〕の最後の行の「尚、大分県以外からの参加者が、東京、神奈川、長野、静岡、滋賀、奈良、京都、大阪、広島、山口、福岡、熊本、鹿児島、沖縄の14都府県に及んだ。」に、山口の後に愛媛を入れ、14都府県を15都府県に、訂正します。


 

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