1.31「平和への道」上映と交流
歴史に学び東アジアの平和へ日韓連帯を
【大阪】1月31日午後、「エルおおさか」で『「平和への道」上映・日韓&反戦/平和討論会』が開催された。はじめに今回の討論会の呼びかけ3団体を代表して「OK交流会」(大阪韓国連帯情報交流会)事務局長の服部さんが主催者あいさつ。OK交流会がこれまで韓国で朴軍事独裁政権によって政治犯として重罪判決を受けてきた在日韓国人の支援運動をきっかけに交流を続けてきた知人を経由して、「韓・ベトナム平和財団」と「素朴な自由人」(反戦平和市民団体)の両団体から、自主上映映画「平和への道」の大阪での上映と、東アジアの平和を目指す日韓連帯のための討論会の開催への協力を打診されていたこと、それを受けて大阪で1年以上かけて準備の打ち合わせ、企画内容の検討を重ね、同交流会と「ヨンデネット」(日朝日韓連帯大阪連絡会議)、関西共同行動の3団体で実行委員会を呼びかけることとなった。
韓国軍による
犯罪的大虐殺
次に、韓国から参加した2団体、合計6人の活動家と通訳の紹介に続いて、「平和への道」(50分)の上映。この映画は2023年にベトナム国営放送(VTV)で初めて放映されたドキュメンタリーで、25年1月にアンコール放映、同年6月には韓国でも上映会が開催された。ベトナム戦争中の1968年2月12日にベトナム中部クアンアム省フォンニィ・フォンニャット村で、米軍支援のために参戦していた韓国軍兵士が民間人70余人を虐殺したとされる事件について、ベトナムの現地を訪問・取材し、この事件の生存者で、数少ない生き証人の一人であるグェン・ティ・タンさん(当時8歳)との交流と韓国政府に対する国家賠償請求訴訟を支援する活動の中で制作された作品で、23年にベトナム言論協会賞を受賞している。
ベトナム戦争
での加害者
韓国では、民主化運動や日本の植民地支配と戦争責任を追及する運動は、被害者としての立場だけでなく、韓国がベトナム戦争で果たした加害者としての役割も意識して、両方の立場から戦争の非人道性を過去の出来事としてではなく、現実に世界で起こっている戦争や軍拡に抵抗する必要があるという問題意識から、1999年以降、ベトナム戦争真実糾明運動が市民運動として始まっている。グェン・ティ・タンさんが原告となっている国家賠償請求訴訟は23年2月に一審で勝訴、25年1月の控訴審でも勝訴、国が上告しているが、韓国の司法が国家の犯罪を認めたという画期的な成果を実現している。映画の後半は控訴審を迎えるグェンさんの心境に寄り添って、グェンさんが少しずつ傷を癒していくようすを記録している。
上映の後、「素朴な自由人」のキム・チャンソプさん、「韓・ベトナム平和財団」のクォン・ヒョヌさん、関西共同行動の古橋雅夫さんがそれぞれ用意している発言内容(全部でA4・18ページの資料として配布された)を10分ずつの持ち時間(同時通訳入り)に圧縮して語った。
「弱者を踏みに
じってもいい」
キムさんは「トランプの大統領就任以来、強者は弱者から奪い、踏みにじってもいいという論議が公然と語られる残念な状況になっている。政府や企業は自分たちの利益だけを考えていて、戦争をやめる気がない。過去の戦争にも現在の戦争にも責任は認めないし、謝罪しない。だから韓国では軍事緊張が高まると株価が大幅に上昇するという状況だ。戦争は儲かる、武器輸出で経済が成長する。だから市民の力で変えていくしかない。韓国の運動は被害の経験がベースになっているが、加害についてあまり知らされていないという問題がある。加害国としての責任に関わってきた日本の運動との交流を通じて、平和のための連帯を広げていきたい」と提起した。
脱走米兵
支援運動
クォンさんは「韓・ベトナム平和財団」の活動の様子をスライドで説明しながら、ベトナム戦争における韓国の加害責任の問題に取り組み始めるにあたって、刺激となったのは1980―90年代の日本の運動との出会いだったと当時の社会状況を振り返る。参考になったのはベトナム戦争時の脱走米兵支援、2000年12月に東京で開かれた「日本軍性奴隷制を裁く女性国際戦犯法廷」、2001年のピースボートでのベトナム戦争跡地の訪問などの経験だった。韓国では2018年にソウルで「ベトナム戦争時期の韓国軍による民間人虐殺、真相究明のための市民平和法廷」が開催され、約1300人の市民が傍聴に参加した。韓国のある高校教科書では東京での国際法廷とソウルでの市民法廷が取り上げられ、その「交差性」について言及されているという。ベトナムの虐殺被害者たちは、政府が平和外交と経済成長を優先して、加害責任の究明や賠償請求に積極的でないこともあり、ベトナム国内でも声を上げにくい状況なので、韓国側の支援活動家は映画をまずベトナムの人たちに見てもらえるようにという想いで制作し、韓国内での訴訟とも連携しながら「ハンギョレ」などのメディアや元国会議員、教会指導者、法律家、平和活動家など幅広い人たちと協力しながら運動を進めてきた。
反省なき日
本政府問う
2人の報告を受けて古橋さんは、戦争に関わる被害と加害の重層性と現在性というテーマに沿って、日本の市民運動にとって沖縄の戦後処理と米軍基地の問題と、第二次世界大戦中に米兵として戦った日系二世(米陸軍442連隊)の問題を取り上げて、「国のため」、「天皇のため」に犠牲を強いる、そして自発的にそれに従うという構造が変わっていないし、日本政府はそのことに何の反省もしていないことを指摘し、「私たちが国境を越えて連帯するためには、国家が私たちに忠誠心を求めることに対して、はっきりと拒否しなければならない」と結んだ 。 (大阪支局A)
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写真は2017年に韓国済州江汀村に建設された追悼像(「ベトナムピエタ」、ハンギョレ新聞社)と「フォンニィ・フォンニャット虐殺から56年を迎え、韓ベ平和財団が送った供花と法事用のフルーツバスケットがクアンナム省ディエンバン市社のフォンニィ村入口の慰霊碑の前に置かれている」(韓ベ平和財団提供、ハンギョレ新聞社)。

フォンニィフォンニャット村記念碑

ベトナム虐殺追悼の像_ハンギョレ新聞より
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