3.21とめよう戦争への道 目指そうアジアの平和 2026春 関西のつどい

憲法の平和主義を貫き、アジアの平和にに公言する外交を

 【大阪】3月21日、関西の労働組合や市民団体を中心とする実行委員会の主催で「とめよう戦争への道 目指そうアジアの平和 2026春 関西のつどい」が「エルおおさか」大ホールで開催され、約500人が参加した。
 司会は全港湾大阪支部の関谷和人さん、冒頭の主催者あいさつは実行委員会を代表して大阪平和人権センター事務局長の有本翼さん。有本さんは「はじめに、3月16日に辺野古沖で起こった転覆事故で亡くなった船長と高校生に哀悼の意を表します」と述べ、次に、いま世界中で起こっている戦争と犠牲について触れ、大阪平和人権センターとして5月16日に普天間基地と嘉手納基地に向けて実施される沖縄平和行進と県民大会への参加を報告、また参加を呼びかけた。

日本でもますます戦争が身近な
話題に


 メインの講演と対話は飯島滋明さん(名古屋学院大学経済学部教授)と高良沙哉さん(参議院議員)。

飯島滋明さん


飯島さんは「どうなる? どうする? 日本の防衛政策」というテーマで、ここ数日の中東をめぐる状況や高市訪米・日米首脳会談について触れながら、日本でもますます戦争が身近な問題となっていることを多くの資料を駆使してわかりやすく説明した。ごく簡単に要点のみ列記する。
 ①03年にイラク戦争が始まった翌年にファルージャで住民虐殺が起こり、サッカー場2面分が墓場になるぐらい死者が出た(その半数は女性や子供、老人)。実行したのは人を殺すための特別の訓練を受けた特殊な部隊。それは沖縄から出動した海兵隊だった。同じことが今繰り返されている。佐世保から強襲揚陸艦が出港し、沖縄で海兵隊を積んで、もうシンガポールあたりは超えている。もしかしたら同じことをやるかも知れない。
 ②ガソリンの値段が1年間で300円ほど上がると言われている。遠いイランでの戦争が私たちの生活にも影響を及ぼしている。核戦争の危険も切迫している。日本国憲法の平和主義は日本が戦争しないだけではなく、国際社会の中で戦争の拡大を止めるために積極的に役割も果たすことを求めている。
 ③自衛隊配備・強化は抑止力とはならない。昨年11月23日に小泉防衛相は与那国島に03式中距離地対空誘導弾(通称「中SAM」)を配備すると発言した。2030年までにという計画である。今のイランの戦争を見ていて、いろんな所に攻撃用の軍事力を配備しておいて、攻撃されないだろうなどと思えるだろうか? むしろ戦争を引き寄せるだけだ。
 ④「自衛隊はいざとなれば国民のために命をかけて戦うのに、憲法違反と言われるのは可哀そう」という議論について。自衛官に聞き取りをしていると、実際に戦場に行かされる自衛官の多くは憲法改正に賛成しない。今のイラン情勢を見ていると、もし今の憲法9条がなかったら、高市首相が自衛隊を出すと言い出したら自衛隊が海外で戦うことになる。
 ⑤スパイ防止法は外国のスパイが日本の防衛に関する情報を盗むのを取り締まるだけが目的ではなく、国内にいる戦争に協力的でない人たちをスパイだとみなして取り締まり、委縮させる法律である。
 ⑥米軍兵士による性犯罪・暴力は沖縄以外の基地周辺でも多発している。「外国人犯罪が問題だ」、「国民を守る」と言って憲法改正を急ぐと言うのなら、その前に、米国人が犯罪を犯しても裁かれない日米地位協定(および関連する密約)を変えるべきだ。

現実を見ず、住民を分断し置き去りにす
る安全保障戦略

高良沙哉さん


 高良沙哉さんは「危ない! 基地強化が進む沖縄」というテーマに沿って国会でのやり取りと沖縄の各地での聞き取りをもとにこの間の状況について報告した。
 辺野古で地元の人たちと話していると、「毎日、きれいな海に工事用の杭が打たれる音と光景を自分たちの家の庭から、あるいは家の近くから見聞きするたびに心が締め付けられる」という声を聞く。ところが市街地に行くと「もうですね。辺野古の議論をしたくない」という人もいる。
 石垣、与那国、宮古や沖縄の島は海に囲まれている。戦争になった時、住民や観光客はどうなるのか。与那国では3年前に地域ごとに避難計画の説明がされているが、戦争が起こってからでは逃げられない。その点について質問してもまともな答が返ってこない。具体的な現実を見ないような安全保障戦略に対して私たちの側から「これはおかしい。見直さないといけない」と言っていくことが大事だ。

対談:押し付けられる分断と問われている問題

 飯島さんと高良さんの講演の後、2人の対談。沖縄現地の現在の状況について高良さんの報告を補足する形で、飯島さんから高良さんに2つの質問。

 Q1 米兵の犯罪や基地の関連する環境問題(PFASによる汚染の問題など)は全国的な問題になりつつあるが、今どういう状況か?
 A 最近の国会の議論では、外国人に対して規制を強めるべきだという政党や政権の発言が目立つが、沖縄から見れば法も守らない外国人の代表は米軍兵士だろうと思う。沖縄からどんなに声を上げても全国的な議論になりにくい。ましてや性犯罪の場合、性犯罪に対する議論がなかなかなされてこなかった日本の社会の中で、一層注目されにくいという状況がある。
 Q2 与那国島では自衛隊が来ることに賛成か反対で住民が分断されている。地域の平和を守ると言いながら実は地域のコミュニティ、家族をズタズタにしている。そのあたりのことも話してください。
 A はじめは自衛隊だから守ってくれるという期待があったかもしれないが、人口が減っていくのに歯止めをかけたいというのもあったと思う。しかし自衛隊配備をした後の現実として、駐屯地には自衛官が配備されても子どもが就学年齢になると家族は帰っていき、人口は増えない。一方で島の人は住みづらくなって出ていってしまう。
 宮古島では昨年、地域で反対運動をしている女性2人に対して自衛隊の司令官が恫喝をしたという事件も起こった。小泉防衛大臣は沖縄の人たちの抗議活動や抵抗運動に対して偏った情報発信をして、だんだん地域の中で議論がしにくくなっている。

[飯島さんのコメント] 今いろんなとこで軍事化が進んでいる一方で、子どもの貧困が深刻な問題になっている。授業料を払えなくて大学をやめる学生もいる。「防衛費」(軍事費)を5兆円にするという話だが、そんなお金があれば大学の授業料を無償にすることができる。そうやっていろいろ実現していけば私たちの生活も変わる。今日は沖縄の話が中心だったが、実は自分たちの生活にも関わっていることを考えてほしい。
 最後に「特別アピール」として「核廃絶をめざす第28代高校生平和大使(大阪)」の小久保沙羅さんが25年9月のヨーロッパ訪問・国連軍縮部(ジュネーブ)での活動と「高校生1万人署名」運動について報告し、支援・協力を呼びかけた。この運動は1998年にインドとパキスタンが核実験を実施したことに危機感を募らせた長崎の市民が、被爆国日本から高校生を国連へ派遣することを呼びかけたのをきっかけにして始まった。「私たちは微力だけど無力じゃない」をモットーにして活動を続けていて、今回の国連軍縮部訪問では11万1071筆の署名を提出し、累計283万4213筆となった。
 高校生たちの感性と行動力にあふれた報告に会場からは何度も大きな拍手が送られた。
(大阪支局A)

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