1・27日東電工情宣禁止裁判第2回口頭弁論

日東電工は組合敵視をやめ話合いを行え 労働権の侵害をやめろ

 【大阪】日東電工によるスラップ訴訟である、全国的・全面的な情宣禁止裁判の第2回口頭弁論が1月27日、大阪地裁809号法廷で開かれた。傍聴用35席を超えて傍聴人が法廷内に入り、6、7名は立ち席の状態を、冒頭、裁判長が静粛を条件に認めて裁判が始まった。

日東電工という企業

 日東電工は電子部品メーカーの大手企業であり、大阪に本社を置き、100%子会社のオプティカルハイテック(KОH、慶尚北道平沢市)と韓国日東オプティカル(京畿道亀尾市)を韓国に置いていた。韓国の子会社KОHは2003年11月に、韓国の国家産業団地に、用地の50年間無償貸与、法人税や財産取得税減免などの措置を受けて建設された。ところが管理不十分の漏電が原因と言われているが、2022年10月工場が全焼。11月に突如メールで会社の清算を通告し、希望退職を募り191人がそれに応じたという。KОHは希望退職に応じなかった17人を整理解雇した。現在も労働組合員7人は、別の子会社への雇用継続を求めて闘いを継続している。うち2人の組合員は、焼けた工場の屋上を占拠し600日の籠城闘争をつづけてきたが、会社は労働組合との話し合いを一切拒否している。

情宣禁止訴訟という弾圧

 争議が起きてから、日東電工本社のある日本に韓国の労働組合KОHの組合員が来日し、KОHを支援する日本の労働組合や市民の支援団体とともに、本社や社長宅などに要請行動が行われている。話し合いに応じない日東電工に対し、社長宅を訪問し門前で要請文を読み上げた日本の支援団体(KОHを支援する会)の2人に損害賠償の訴訟を起こしており、その第1回口答弁論が昨年11月に東京地裁で開かれた。
 日東電工がこの東京地裁で起こした訴訟とは別に、大阪ユニオンネットワーク西山代表、KОHチェ委員長、支援する会尾澤さんら5名を被告に起こした情宣禁止訴訟が今回の大阪地裁での裁判である。この裁判の第1回口頭弁論は昨年10月に行われ、今回が2回目である。日東電工は5人に対し、本店(大阪茨木市)・大阪本社(大阪市)・東京本社・全国の支店・事業所(埼玉県深谷市、三重県亀山市、広島県尾道市)から300から400メートル以内での一切の情宣活動の禁止を要求して訴訟を起こした。

日東電工は責任を果たせ!

 法廷では、裁判の始まる前に行われた進行協議の内容が、裁判長の方から発表された。
 そして口頭弁論に移り、始めに日東電工労組(これは日本の日東電工正社員の組合ではなく、KОH争議に関わって日本の労働委員会に申立てをするために日本でつくられた組合、大阪ユニオンネットワークに加盟)の意見陳述を全日建連帯労組関西地本の西山直洋さんが行った。
 西山さんは、この訴訟はオプティカルハイテック労組・日本現地の労働組合・日本の市民社会を相手取り提起されたスラップ訴訟(企業や権力者が批判的な市民や団体を黙らせる目的で起こす訴訟)である。実質的に責任を持っている親会社の日東電工は雇用継承に責任ある立場を示していない。韓国大統領府が争議解決に乗り出している。この訴訟は問題解決ではなくむしろ対立の長期化と労働権の侵害を招くだけであることを述べた。
 続いて意見陳述した尾澤孝司さんは、支会(KОH)は日東電工が100%所有する別の子会社への雇用継承を求めている。日東電工が組合との話し合いをかたくなに拒否する背景には労働組合への嫌悪と蔑視がある。韓国のKBSが放映した『燃えた屋上』というドキュメンタリー番組がゴールデンタイムに放映され大きな反響を呼んだ。300人の国会議員のうち93人の国会議員が日本政府に争議解決を促す書簡に署名した。裁判長はこのことを十分認識し公正公平な判断をしてほしいと述べた。
 最後に森博行弁護士が口頭弁論で、日東電工は韓国の2つの子会社を100%所有しており、最終的な使用者であることは、最高裁の判例に基づいても明確。雇用継続できないはずがない、交渉に応じる義務がある。また、憲法21条(表現の自由)、25条(生存権)により、会社が街宣活動を止める権利はない、と述べた。

第3回口頭弁論に結集を!

 最後に、裁判長が今後の日程として、追加の準備書面は3月末までに提出し、第3回口頭弁論は7月13日14時開廷、この2つの間の4月13日に非公開の進行協議を行うことを伝え、終了した。
 裁判終了後、弁護士会館で報告会が開かれた。先ず、弁護団の紹介(大阪から森弁護士、谷弁護士、上林弁護士、東京から浅田弁護士)と尾澤さん夫妻の紹介があった。

憲法28条と21条

 要点だけをまとめると、この裁判の被告のうち労働組合の方は憲法28条(労働者の団結権、団体交渉権、団体行動権)が根拠となるが、一方市民運動の方は21条(表現の自由)が根拠となること。立ち席の法廷は今までに経験がない出来事で、東京地裁の裁判官が非常に管理的であるため法廷がもめたので、そのことも意識にあったのではないか、同じ対応を次も期待するのは難しい。
 主任裁判官が異動になるので、新年度に入ってすぐ裁判をするのは困難なので、4月は進行協議になった。会社が問題としていることをすぐ解決したければ、本訴ではなく差止請求の仮執行を求めるはずだが、そうでないということは、勝訴が目的ではなく時間をかけるのが目的だろうということ。実質的な裁判は、次回の7月13日の口答弁論から始まるとのこと、などであった。7月13日14時大阪地裁の傍聴に是非参加を。       (T・T)

裁判後の報告会(1.27大阪弁護士会館)

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