「せわしい世 柿の実揺れ」

コラム「架橋」

 ベランダに干した柿の実に、ようやく太陽の光が届き始めた。異常気象が進み、日本の「四季」が「二季」に変わっていくと気象学者が予測している。
 「誰かさんが 誰かさんが 小さい秋見つけた」。私の小さい秋は「スイッチョン」と鳴くウマオイ「リーンリーン」とスズムシ「コーロコロコロコロ」とコオロギ・・草むらの虫の声だ。
 「短い秋」温暖化は遠い先の話しではない。世界中で起きた災害は差し迫る危機の警告。せわしない4月から日を追って増える「サイバー攻撃」「個人情報流出」の報道。政府が、流出情報は2億6千万人に上ると発表。日本の総人口は1億2380万人(10月総務省統計)。いまも個人情報の流出は続いている。
 その背景として「生成AI(人工知能)の性能向上」と「攻撃者によるAI活用」が主因と言われているがどうも釈然としない。
 「鉄壁の防御」と言う金融機関のシステムが破られた報道を読み、思い出したことがある。
 中国の故事「盾と矛を売る商人」の話しだ。「この盾はとても固く、どんな矛でも突き通すことはできない!」そして「この矛はとても鋭く、どんな盾でも突き通すことができる!」と商人は自慢した。
 それを聞いた見物人が「では、その矛でその盾を突き刺したらどうなるのか?」と問い返すと、商人は何も答えられなかったという話だ。
 2011年3月11日、福島原発事故。日本の原発は、「五重の壁」で防御され「原発事故は絶対起きない!」という「安全神話」が崩壊した日だ。
 この世に「絶対」と言うことはないのだ。200名のホワイトハッカーを擁するGMO。内部から「脆弱性の指摘」があったが「無視」したため「充分な対応が出来なかった」と会社代表が認めた。
 大阪大では、運用先NECが「契約」を無視し「業務を委託」「ファイルも共有」し委託先で盗まれたという。
 「安全」より「利益優先」本性を露わにした強欲資本主義。AI開発業者は人々の不安を餌に、さらなる利益拡大を急ぐ。
 そのうち<完璧な制御!鉄壁の防御!>を謳う「新型最強モデル」!が続々と市場を席巻する《矛盾》嘘も方便の世か?
(朝田)