CОP30:ブラジル開催の皮肉

採掘主義との矛盾が赤裸々に

ミゲル・ウルバン・クレスポ

 過ぎゆく日々を通じて、証拠――科学的にだけではなく、昨年のバレンシア〔洪水〕で経験されたような経験上でも――が環境的な非常事態を確証している。ぞっとするような未来の現象としてではなく、現在の事実として。

気候否認と
偽装の間で


 あらためて、COPが、想定では気候変動と闘う、あるいはその影響を引き下げるための、国際レベルでの政治的諸決定を行おうと再度集まろうとしている。ブラジルでの今回それは、環境危機の悪化一方の諸影響、およびドナルド・トランプによってホワイトハウスを起点に擁護され高まる気候否認の両者により特性づけられた流れの中で、アマゾンでの開催という象徴的な重みをもっている。
 ブラジルは今、グリーン資本主義の闘士として自身を位置させようと世界的な気候危機を利用している。この動きは大部分国内的な政治的策謀によって推進され、同時にブラジルを地域的かつ国際的な大国としての位置に置きつつ、大統領選を1年後に控える中、極右のボルソナロ運動の気候変動否認主義に対する敵対者としての役目を果たしている。
 そしてこのすべては今次のような流れの中で起きている。つまり、「再軍備」というもっとカーキ色に染まった軍国主義の相貌を示すためにグリーンディールの外見を投げ捨てようとしているEU、およびトランプ主義インターナショナルが擁護する否認主義の成長、を特徴とする流れだ。
 ベレンで開催されるCOP30は、石油生産を引き上げ、化石燃料の新分野を拡大し、気候危機とその極端な気象災害を悪化させているアグリビジネスの後押しをする中で、世界的な環境課題を先導するという、ブラジルのソフトパワーの限界を示すだろう。事実、気候サミットの1ヵ月前、ブラジルの国有石油企業であるペトロブラスは、アマゾン川海盆における削孔許可を得た。この稼動はブラジルを世界4位の石油産出国にするだろう。その上位は米国、サウジアラビア、ロシアだけだ。

利益追求が
大手振って


 実際前2回のCOP会合は、化石燃料に集中した経済をもつ国である、アゼルバイジャンのバクー(2024年)とアラブ首長国連邦のドバイ(2023年)で開催され、このタイプのサミットの存在に関わる矛盾を示した。ドバイの場合では、アブダビ国有石油企業(ADNOC)のCEOが、国際会合の主催者代表としての彼の地位を諸々の取引をまとめるために利用した。
 バクーでは化石燃料ロビーイストが1700人以上の代表を抱えた一方、それは気候変動にもっとも脆弱な諸国の代表団より圧倒的に多い数だった。これらは、COPの企業によるぶんどり、また進行中の環境危機に取り組む有益なフォーラムとして役目を果たす点での構造的な欠陥を具体的に示す1例だ。
 しかし、COPの統制外にあるよう見えるのは化石燃料だけではなく、他の地球搾取的な活動もあり、その例が鉱業とアグリビジネスだ。ブラジルは、森林破壊における集約な農業の役割、温室効果ガス排出に対するこの国の主な寄与部門の役割、これを認めるのをこれまで避けてきた。
 この事実はあらためて、旗艦的な方策としての「国際熱帯林保護基金」(TFFF)によってこのサミットでこの国が売り込もうとしているグリーン資本主義の化粧板とぶつかっている。ひとつの公・私イニシアチブは、世銀が管理し、金融市場に投資し、その年当たりの利益――見積もりは約40億ドル――をその森林を保全する諸国内に配分する、そうした1250億ドル(諸政府から250億ドル、そして多国籍企業から千億ドル)の資金創出を目的にしている。
 熱帯林基金を売り込みつつもその一方、2、3週後に、EU・メルコスル貿易協定――民衆的には「自動車と牛肉の交換協定」として知られている――の調印が予定されている。そこでは、EUがその多国籍の自動車、自動車部品、エネルギー、飲料品、金融サーヴィス企業のためメルコスル市場参入の改善をめざす一方、その見返りにメルコスル諸国は、他の産品の中でもそれらの原料物質、牛肉、チキン、大豆、砂糖、およびバイオ燃料向けエタノールのため、EU市場参入を広げたがっている。
 われわれは、森林破壊された地域の63%が牧草地で占められているという形で、家畜農業がアマゾンでの森林破壊では最大の推進力になっていることを無視してはならない。

気候否認主義が
よりマシ論強化


 今回のCOPは、トランプがホワイトハウスに戻って以後最初のものになるだろう。米国は、曖昧さのない意図を示す声明で、この週末の首脳サミット参加を止めるだけではなく、ベレンサミットで次の月曜日に始まる技術的交渉に高位の代表者派遣をも抑制するだろう。
 こうして彼は、多国間フォーラムに対する完全な軽蔑を見せつけ、世界的な反動の波の明確な特性として気候変動否認を繰り返している。事実、反動的な国際運動のラテンアメリカにおけるもっとも著名な人物であるアルゼンチン大統領のハビエル・ミレイは、トランプの例に倣い、ベレンでのCOPもボイコットするだろう。
 超右翼の否認主義はグリーン資本主義のよりマシの論理に奉仕する。熱帯雨林向けの投機的基金の像をその中で拡大する凹面鏡は、アマゾンにおける石油探査への批判を避け、あるいはEUの軍事的なカーキ色づいたグリーンをも守っている。それは、否認主義の重大さと影響力を増幅しつつ、また高まる一方の不満の時代に反エリートのレッテルをそれらに貼り付けつつ、気候緩和政策のため可能なことの範囲を狭めるひとつの方法だ。

民衆の国際連携
が同時に進展中


 しかし、ブラジルでのこれらの日々、そこにいるのはグリーンの、カーキ色の、また化石燃料のロビーイスト、あるいは署名のため儀式的なやり方でやって来る政府の代表だけではない。暴力的で略奪的なモデルを、またよりマシな悪というグリーンウォッシングを拒絶する政治的、社会的、さらに労働組合の組織間の幅広い連合確立を目指して、さまざまな草の根のイニシアチブと会合も進展させられるだろう。
 否認主義と地球搾取資本の緑の化粧板の重大さを前に、基本になることは、新たな環境・諸領域の国際主義を、徹底的に、またコミュニティの諸々の歩みに密接に結びつけて構築することだ。この流れの中でベレンの今週末は、プエブロス・コントラ・エル・エクストラクティビスモ(地球搾取主義に反対する人民)の船出だった。
 それらは、それらの領域でいのちを破壊するあらゆる計画を、孤立した脅威としてではなく、軍事化したグリーン資本主義の推進力の具体的な現出として糾弾している。なぜならば、気候の非常事態、環境的かつ社会的な危機、さらに超オリガルヒの利益に奉仕する反動国際主義の前進を前に、資本のロビーイストどもに寄生されたゾンビ的組織に成り果てたサミットに頼り続けることはできないからだ。
 われわれは、いのちと領域を中心に置く勝利を諸々勝ち取るために利潤の独裁に立ち向かう必要がある。「地球搾取主義に反対する人民」は、地球搾取主義の論理に反対する民衆的闘争を助ける控え目なイニシアチブとして生まれた。同時にこれらの日々、サンパウロでのポスト地球搾取派サミットからベレンでのエコ社会主義者集会や人民サミットまで、他の数多くのイニシアチブがブラジルで具体化中だ。これらの提案は、可能であることの範囲を広げつつ、気候否認とグリーン資本主義の間でそれらの実利を求めるゆすりの先に向かっている。(2025年11月7日)

▼筆者は、スペインのアンティカピタリスタスの指導的メンバーで、2015年から2024年までポデモスリストによる前EU議員。(「インターナショナルビューポイント」2025年11月16日)

THE YOUTH FRONT(青年戦線)

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