1.27福島原発事故被害者 裁判提訴行動と院内集会

今こそ東電の責任を問う
子ども甲状腺がん患者守れ
被害者いじめを許さない

人生を変えた

「被ばく」体験
 1月27日午後1時、東京地裁前で「福島原発事故 子ども甲状腺がん裁判」提訴の行動が行われた。2011年3・11の福島原発事故で被ばくし、甲状腺がんを発病した当時6歳から16歳だった子どもたちが東京電力に対して総額6億1600万円の損賠補償を求める闘いだ。
 裁判提訴の行動に続いて「1・27子ども甲状腺がん裁判全国支援集会 甲状腺がん患者に今こそ救済を」が、午後4時から衆院第1議員会館で行われた。現在は17歳から27歳になっている当該の「子ども患者」を支援していくためだ。司会は、いわき市で生れ育った講談師の神田香織さん。
 井戸謙一弁護士は、この日午後1時に原告6人で200ページに及ぶ提訴状を提出したことを報告した。
 「原告は子ども甲状腺がんにかかり摘出手術を行ったものの、4人が再発し、甲状腺組織を全部摘出しなければならない、という過酷な状況にある」「原告たちは再発を繰り返し、多い人は実に4回にわたる手術を受けた」。
 「甲状腺がんにかかって以来、人生が変わったという子どもたち。就職も大学も困難となり、医療保険にもかかれない、という追い詰められた状況も待ち受けている。こうした中で苦しんでいる子どもたちへの経済的補償をかちとり、声を上げていくことが大事だし、裁判によって治療、生活保障を勝ち取ることは希望になる」。
 「しかし国は、原発事故と発病の因果関係を認めていない。だが30数万人の子どもたちの中から300人が甲状腺がんを発病しているのだ。第一の原因が被ばくだということを東電が否定するのであれば何が原因だというのか。国や福島県がやってきたことはチェルノブイリの原発事故と比較しても7分の1だと言われる。こんな状態で多くの病者が出たのは当然だと言わなければならない」、と井戸弁護士は訴えた。
 井戸さんはさらに「重い決断をした皆さんへの強力な支援を」と呼びかけた。

切り捨てNO
支援広げよう
 次に各界の人びとからの発言。れいわ新選組の山本太郎参院議員は「今や国会の中でも原発の問題が語られなくなっている。野党からも『薬を飲めばいいじゃないか』という声も出てくる。補償・賠償が必要だという訴えを国会の中でもしていこう」と強調した。
 海渡雄一弁護士は「原告となった6人の若者を全力で支えたい。6人の原告のうち4人が病気を再発し、4人のうち3人が放射線治療を受けている。小児甲状腺がんの過酷な治療だ。裁判に勝訴すると共に、生活保障の制度が必要であり物心両面からの支援を」と強調した。
 北村弁護士は、「患者からの聞き取りをして、その一端を知るだけでも支えなければならないということがわかる」と語った。
 原告からは「高校生の時、甲状腺がんで2回手術を受けたが、再発した。声を上げることで状況を変えていきたい」「事故の時14歳だった。20歳で甲状腺がんの手術、その後も数回の手術を受けた」という発言も。
 国会議員からは、立憲民主党の川田龍平参院議員、近藤昭一衆院議員、阿部知子衆院議員、社民党の福島みずほ参院議員・党首から激励と支援の発言が行われた。さらに福島第1原発の収束作業で働いて被ばくした「あらかぶ」さん支援にかかわっている、双葉地方原発反対同盟を50年前に立ち上げた石丸さん、子ども脱被ばく裁判と続いた。子ども脱原発裁判の仲間は「われわれの責任は子どもたちを全力で守ることだ。あったことをなかったことにさせない」、とアピール。
 甲状腺の病に苦しんでいる患者家族は「若い人びとの決意に大きな支援を得た」と語った。
 いわき市出身の鴨下さんは「3・11の時には東京にも汚染が拡がった。10年後も汚染は続いているが、国は健康被害を認めていない。被害者いじめや被害者への攻撃が続いている。政府が国民を攻撃し、国民を切り捨てている」と改めての怒りの声を表明した。
 共に支援しよう。 (K)
 
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