9.11さいたま地裁 韓国サンケン支援弾圧判決

尾澤さんへの不当判決を許すな

日韓労働者連帯をより強固にしよう

 【東京】埼玉県新座市に本社・工場がある(株)サンケン電気に対し同社の100%子会社である韓国サンケンの企業閉鎖・全員解雇の不当な攻撃に反対する闘いが繰り広げられた。この闘いの中心を担っていた尾澤孝司さんを、埼玉県警は不当逮捕した。そして2021年5月10日、デッチ上げ起訴が強行され、同年12月27日に保釈されるまで7カ月以上の拘留が強行されたのである。
 韓国サンケンの争議に連帯する闘いは、具体的な課題を通じた持続的な労働者連帯闘争への挑戦として、私たちにとっても新しい経験として今後につないでいく必要がある。

無理矢理
有罪判決
 9月11日、埼玉県さいたま地方裁判所で「尾澤孝司裁判」の判決公判が行われた。
 午前8時30分からさいたま地裁の前に多くの支援の仲間が集まった。韓国からは、韓国サンケン労組のオヘジン分会長、裁判で証人になったキム・ウニョンさん、韓国ワイパー労組のチェ・ユンミ分会長、金属労組の国際局長、韓国オプティカルハイテク労組のチェ分会長が参加した。傍聴券の発行は44人分に限られたが、参加者は100人を超えた。判決前集会で尾澤さんは「最後の判決公判ぐらいは大法廷でやるように」と裁判所に申し入れていたが、中法廷での開廷となった。
 午前10時に開廷。刑事第3部、金子大作裁判長は「罰金40万円」という不当な有罪判決を言い渡した。その上で「未決拘留80日を超えているので1日5000円として相殺する」という理由で、罰金支払いを免除する、というものだった(つまり実質の『罰金』支払いはゼロ)。
 この判決の評価については、詳しい人々にゆずるが「有罪判決」であることに変わりはない。判決報告集会では、荒木弁護士が「正しく判断すれば無罪。事件にするようなことではないのに、あえて事件にしているので中途半端な有罪判決になっている」と話していた。また上野弁護士は検察の主張をうのみにした判決を批判した。

韓国の代表
支援に感謝
 キム・ウニョンさんからは「尾澤さんが無罪になるまで韓国サンケンの闘争は終わらない」と引き続き闘う決意を述べた。韓国ワイパー労組のチェ・ユンミ分会長は「日本での闘いが大きな力となった」と支援の人々に感謝し、「社会的雇用基金」を勝ち取り、分会として新たな事業を展開すると話していた。韓国オプティカルハイテク労組のチェ・ヒョンファン分会長からは、大阪に本社のある日東電工に対し雇用を求めているという報告があった。

尾澤さんが
控訴を表明
 尾澤さんは「今日の判決は温情で罰金にしてやったというふざけたものだ。弁護側の主張はまったく取り入れられていない」と批判し、「日韓連帯運動を否定するもので絶対に許せない。控訴して闘う」と決意表明した。
 尾澤さんの決意に連帯の意をこめて、日韓労働者の連帯・控訴審の勝利を共に勝ち取ろう。    (K)
 

不当判決を受けこれからも闘うと尾澤さん(中央 9.11)

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