6.30袴田巌さんに完全無罪判決を!清水集会
判決公判は9月26日
【静岡】「袴田事件」から58年の6月30日、静岡市清水区の清水テルサで袴田巌さんの完全無罪判決を求める集会が開かれ、80人が参加した。
1966年6月30日未明、清水市(現静岡市清水区)横砂のみそ製造会社の専務宅から出火し、全焼した現場から刃物による多数の傷を受けた一家4人の死体が発見され、強いガソリン臭が残っており放火であることも明白だった。両隣の人たちに気づかれることなく、一度に4人を刃物で殺傷し、証拠を残さないよう放火して逃走、犯人は短時間に手際よくこれだけの犯行を行った。
みそ製造会社の従業員であった袴田巌さんは8月18日に逮捕された。いわゆる「袴田事件」の発端だった。「袴田事件」は袴田巌さんが起こした「事件」ではありません。袴田さんが身に覚えのない罪に問われ、死刑判決を受け、半世紀にわたって獄中に押し込められ、未だもって根本的な解決に至っていない「冤罪事件」である。
集会に出席した姉の袴田ひで子さんは、「9月26日(の判決)は大いに期待している」とあいさつした。
この日の集会には、巌さんがみそ製造会社に勤める前に清水のキャバレーでボーイとして働いていた当時、巌さん一家が暮らしていた会社の寮で家族ぐるみで付き合いをしていた渡辺昭子さん(90才、夫はキャバレーでバンド演奏をしていた)が駆けつけてくださった。渡辺さんは、海水浴や遊園地へ行ったりした家族ぐるみの付き合いを映した写真を交え、物静かでおとなしい巌さんの人柄などを話してくださった。
この日の集会のメインである弁護団報告は、再審公判を担当した間光洋弁護士から再審公判開始決定から5月22日の第15回公判での論告求刑までを時系列に従って報告いただいた。
報告の中で、間弁護士は、検察官は犯行動機も侵入経路も殺害方法も、何時から犯行に着手して、どうやって金を奪ったのかも何一つ立証できていないことを簡潔に述べた。また、公判開始前から各方面から要請した傍聴枠拡大への拒絶、法廷内への警備員の配置や傍聴人の持ち物検査といった異様ともいえる過剰警備、公判中の支障ともならない小さな支援バッジの禁止などにも触れ、地裁の強硬な対応や国井裁判長の強権的な訴訟指揮を批判した。9月26日の判決までおよそあと3ヶ月、袴田巌さんの完全無罪を勝ち取るためにあらゆる手段を駆使して行動しよう。
判決公判は9月26日午後2時に開廷する。判決には再審第1回公判と同様、多数の傍聴希望者、報道陣が詰めかける。傍聴整理券はおそらく午前9時頃に配布されることになるだろう。支援団体は、これまでの再審公判同様、午前8時半には地裁前に集合することになるだろう。多くの仲間に声をかけ静岡地裁に集まろう! (S)
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