琉球弧の島じまは最前線に位置しているのではない6・27官邸前宣言
呼びかけ:島じまスタンディング、STOP大軍拡アクション
【東京】6月27日午後6時から、首相官邸前(国会議事堂前駅)で「琉球弧の島じまは最前線に位置しているのではない 6・27官邸前宣言」が〈呼びかけ〉島じまスタンディング、STOP大軍拡アクションで行われた。この行動には、衆議院第1議員会館1階国際会議室/院内集会政府要請を行った「島々から呼びかける 全国を戦場にさせない!東京行動」に参加した沖縄の島々や九州・大分の仲間が参加した。
あまりにもひどい防衛省の回答
司会者の島じまスタンディングの女性が発言した。「あまりにもひどい回答ばかりで、聞いていた私たちも腹が立った。島々からおカネ・時間をかけて来た人たちは本当に腹が立ったろう。仮定の問題で防衛のためにカネを使うな。島々の人びとの切実な思いがひしひしと伝わった。島々の人はただ静かに暮らしたいだけ。静かで平和な今の暮らしを防衛といってミサイル、弾薬庫を持ち込み、危なく危険にさせているのは防衛省、あなたたちだ。島からミサイル基地すべてを撤去してください」。
次に、主催者あいさつを島々スタンディングが行った。
「南西諸島が最前線だと言われてしまっているのに、危機感をもっている。海の生命線とか絶対国防圏とか言われていた。それに相当する言葉がいまの南西諸島は最前線という言い方だ。この言葉が何の疑問もなく使われるようになれば、この国は戦時体制に入っているだろう。10年間に渡って、日本の報道機関は琉球弧の最前線基地化というものをほとんど報道しない。戦争協力をしてきたと思っている。与那国などに基地が作られ、安保三文書が出てきて、敵基地攻撃能力とか、南西シフトが次の段階、本格的な戦争体制に移っていく。台湾有事だとか住民保護だとか、そういったものの宣伝といっしょに、南西諸島は最前線であると宣伝を同時に行っていくとしたら、さらに最悪の戦争協力になっていく。官邸・記者会館に抗議していきたい」。
次に【琉球弧の島じまは最前線に位置しているのではない宣言】が読み上げられた。
島々の人びとからの訴え
続いて、島々の人から発言が続いた。
与那国島の明るい未来を願うイソバの会の山口きょうこさん。
藤井幸子さん(「石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会」)が発言した。
「まさに南西諸島だけでなく、今日は大分と福岡、京都が参加した。京都は新たに弾薬庫を増設することで参加し、状況を伝え、政府にも要請を行った。全国各地で138カ所の弾薬庫が増設されることになっている」。
大分での弾薬庫反対運動
大分敷戸ミサイル弾薬庫問題を考える市民の会
「去年の2月に、大型弾薬庫を2棟つくるという話が新聞報道された。もともとここは弾薬庫が自衛隊の発足の翌年に1955年にできた。1986年、地元の代議士が国会質問して、33棟の弾薬庫にTNT火薬弾丸の千トンが貯蔵されている。使い道は日出生台での演習に使っている。広さは1・2キロ×1・2キロ。当時は人口も少なかったが、1970年前後から、人口が増えた。1968年頃から建設されて、そこに大分大学は統合移転した。大分県の臨海地帯には工場などが立ち並び、人口が増えている。今は住宅密集地、ど真ん中のという位置にある。一キロの中に一万六千人くらいが住んでいる。大分駅までの距離も5~6キロだ。なぜ、住宅密集地に作るんだということで、多くの人が反対している」。
「保管するものがミサイルだ。従来は演習用の弾、演習弾を貯蔵していたが、今度からは敵基地ミサイルと使われるそれを保管する。そんなことをしたら、狙われるのではないか。保管するものがとても危ないものではないかと反対運動が起こっている。弾薬庫について、自衛隊は説明会を開くと火薬庫、火薬庫、火薬庫と言う。だけど火薬庫ではなく、弾薬庫だ。何で火薬庫という言葉を使うかというと、火薬類取締り法を準用するという理屈のために、火薬庫という言葉を使っている」。
「火薬と弾薬とどっちが危ないかといえば、弾薬が危ない。安全なものの規則を危険なものの規則として準用する、そんなばかなことはないだろうというのが根本にある。自衛隊の通達の中に、火薬取締りに関する通達があって、もし弾薬庫が火事に合ったらどうするか、防衛省のホームページでは火事になったらすぐ、消火活動すると書いてある。通達に何と書いてあるかというと、もし火事になったら、消火活動はするなと書いてある。爆発が終わった時にはしてもよい、やばそうな時はするなと書いてある。危ない時は600m離れろと書いてある」。
「鹿児島その他で説明している時は、弾薬庫40トンの場合は550mの保安距離を取りますから、大丈夫です。大分の場合は弾薬庫から住宅地までは380mから400mしかない。そうすると15トンしか貯蔵したらいかんということだ。とてもおかしい」。
「台湾の戦争になぜ日本が参戦しなければいけないのか、岸田首相は台湾有事は日本有事と言っているのではないか、と質問したら、岸田首相はそういうことは言っていない、安倍首相は言っていたが。ケースバイケースなので一概には答えられないということだった。場合によってはやるということだ」。
「12月1日に、大分で全国の人にたくさん来てもらって、集会をやりたい。先ほどの宣言について、強く同感だ」。
馬毛島基地建設の工事中止を
ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会の上里清美さん
「皆さんがこうやって島々に気持ちを一つにして、集まっていただき、同じ怒りを持って、いっしょの気持ちでがんばりたい。防衛省はうそつき。本当によくうそをつく。宮古島に2015年頃に、自衛隊基地を作るという話があった時に、宮古の集落の皆さんに防衛省が話をしたのは宮古島の基地には弾薬庫は置かない、ヘリは飛ばさない。もちろんオスプレイも飛ばさないと。ところが2019年に、宮古島駐屯地が完成して、見ると弾薬庫があるではないか。現場の隊員に、あれ弾薬庫ですかと聞いたら、はいと素直に答えた。」。
「交渉の時、宮古島、石垣島、与那国島、有事の時とか存立危機の時には、九州に避難させることになっている。有事とはどういう時をいうのかと聞いても、それがはっきりしない答えだ。その時、私たち住民に説明しない中、私たちは家庭もばらばらになり、住んでいる所を捨てて、宮古島住民は、石垣島住民、与那国島住民ばらばらになって、どこで生きていくのか。ホテルとか旅館は一カ月は保障する。その後はもう、勝手にしてくれということだった。本当に無責任だと思う。そういうことにおカネ使うんであれば、中国とか台湾でも出かけ行って仲良くなってほしい」。
沖縄の宮古島から
「何よりやっぱり、言葉が通じなかった。何だこれはと。疎開・避難のことがでるが、私たちは息をしているから生きているわけではなくて、宮古で宮古の風があって、太陽があって、土があって、宮古で生きているから自分がある。この風土があって、私たちは生きている。だから、この風土をまったく考えない防衛省。領土ではないんだよ。分かるか。領土ではないんだぞ、風土だぞ。この風土を守ることを平和を守るという。みんながそれぞれの地域で、風土を守ってがんばりましょう」。
石垣島の平和と自然を守る市民連絡会
「石垣に来て、きれいな海に満足して帰ってください。そうすることで国が何をしているか分かります。私たちはこのきれいな海を残したい一心です。カンムリ鷲を残したい、与那国馬を守りたい、与那国島にある樽舞湿地にコウノトリが飛んでくる。サアーユイユイ」。
馬毛島の和田かおりさん
「種子島では防衛省による説明会が何度か開かれている。防衛省は説明をしたことで、住民の理解を得たという風にすり替える。このことを認識しておいた方がよい。馬毛島基地建設の工事が着々と進んでいる。自衛隊の基地建設が進み戦争の準備が進められている。それに反対しているのだ。北海道から沖縄までの業者が馬毛島基地建設のためにやってきている。種子島には28億円の交付金が交付された。一番最初に各市長が取り組んだ一つに、子どもたちの給食の無償化。自分の孫に、種子島においで自衛隊基地ができるから、給食費ただなんだよ、と言うわけないでしょ。医療費無償化も始まる。文科省も厚生労働省も自分たちがやるべきことを何で防衛予算でさせるんだ。私たちの税金はあるべき姿で使いなさい」。
「全国政治の真ん中で声をあげた。ここから、負けない、折れない、闘い続けるぞ、ということでがんばろう」。
STOP大軍拡アクションの植松さん
「敵対しているように見えつつ、アメリカと中国は共犯関係ではないか、軍事緊張という構造を作り上げることで、それぞれの政権・軍が得をする。民主主義を制限することもできる。そして軍需産業がもうかる。そして、島々の人が苦しめられる」と指摘した。
最後の島々アクションの女性が歌を披露し、今後とも闘いを継続することを誓い合った。
(M)
琉球弧の軍事要塞化をやめろと訴える首相官邸前行動(6.27)
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