6.30山谷の仲間たちが横山晋さんの偲ぶ会
同志 横山晋 追悼
【東京】6月30日午後5時から、山谷労働者福祉会館で5月5日に急逝した横山晋さんのお別れ会が行われた。
「山谷」と書かれた山谷労働者福祉会館の黒色の旗と遺影が飾られ、横の壁には横山さんが作った炊き出しのメニューが飾られた。そして、その時の社会・政治を分かりやすく説明した「大字報」も置かれた。
進行役を山谷労働者福祉会館の町田さんが行い、横山さんが亡くなった状況を説明した。
「5月5日、横山さんが今日の日曜日いつものように、野菜だとか肉とかをわれわれの車で、買い出しに行ってくれた。手際よく買い出しして、メニューを壁にいろいろ書いて、毎回食事に来る人たちに見てもらうような、大字報を『日刊現代』を使いながら作っていた。みんなで炊き出しをした」。
「とてもその日に亡くなるとは夢にも思わなかった。一応作業が終わって、みんな帰る時、結構暑かった。すごく気がつくタイプの人で、みんな熱いだろう、アイスクリーム食べたほうがいいと、じゃおれ買ってくるかな、と独り言いって出ていった」。
「横山さんがまさかアイスクリーム売り場で倒れているとは知らず、横山さんどうしたんだろう、帰っちゃったのだろうか、そのまま帰ったと流れた」。
「皆さんと一緒にお通夜と葬儀に参加した。彼の人脈、彼が闘ってきたいろんな人とかかわりがあったので山谷だけでなく、いろんな方とお付き合いがあったとそこで初めてすごいと分かった」。
「急なお別れだったので、その後すぐわれわれのうちうちで軽いお別れ会をやった」。
最後が仲間たちといっしょだった
次に妹さんがあいさつ。
「兄がどんな活動をしていたのか知らずにいたんですが、炊き出しのお手伝いをしているのを聞いていたので、兄が長年活動の中で、皆さんと最後にいっしょに過ごすことができたのは兄も幸せだったのではないかと思っている」。
「兄の家を片づけにいった。兄の家から、上手なイラストの書き方という本があった(一同爆笑)。遺品整理をしながら知らなかった兄の顔、いろんな一面を知ることができて、できれば亡くなる前にいろんなことを聞きたかった。それはすごく残念に思っている。こうして仲間の皆さんに温かく送っていただけるのは兄が一番びっくりしていて、亡くなったことを本人が分かっていないのじゃないかと思う。遺族としても本当に感謝している。長い間お世話になり、ありがとうございました」。
横山さんの様々な活動について
横山さんが所属していた「かけはし」の仲間からの発言。
「かけはし」編集部。「横山さんを初めて見かけたのは、三里塚闘争の時で、まだ高校生で学生服を着てデモをしていた。なかなかない光景で、そうした若者がいると驚いた。山谷支援の運動を長くやっていたこと、練馬の反基地闘争への関わり、最近では『かけはし』の写真撮影をやってくれていた」。
荒川で活動している仲間より。
「私より二つぐらい下でしたが、元気で献身的、誠実だった。模範になるような活動家だった。誰よりも体を目いっぱい動かしていた」。
江東で活動している仲間より。
「今から40年前の労働情報に載った当時働いていた印刷会社の労働組合青年部長の時のインタビュー。高校生の時まで柔道をやっていて、警察官になろうと思っていたけれども、成田空港の強行開港・管制塔占拠闘争を見て、なんか違うんじゃないかと思って三里塚に来るようになった。他の人と対談しているが、最後に若い者の訳の分からないエネルギーを組織していければ本当に社会を変えようというふうに持っていける。そういう社会全体を動かせるような運動を作りたい。これが40年前の彼の決意だ」。
三里塚田んぼクラブでいっしょにやっている仲間より。
「石井紀子さんの畑をいっしょに手伝っていた。越年越冬の時には、柳川秀夫さんの所に野菜を取りに行ってくれていた。反天皇制デモで必ず前で写真を撮っていて、右翼来たなと思ったら、横山さんが盾になっていた」。
五輪爆竹抗議裁判の黒岩さん。「もっともっと付き合いたかった。本当に残念だった」。
山谷の仲間たちが横山さんを語る
次に参加した20数人の山谷の仲間たちが献花し一言ずつ思い出を話してくれた。
・「横山さんいつもニコニコして、すごく楽しそうで、私は話しかけるのは苦手なんですが、横山さんは何でも言えた気がする。本当にありがとうございました」。
・「日曜日に来たらいつもいた。もっともっと教えてほしかった」。
・「横山さんと会って2年くらい。いろんなことを勉強させてもらった。とてもいい人だった。不思議なところがあって、人間味があるというか。私より20歳若いんですが何を経験してきたら、こんな人格できるのかなあと思えるくらいいかす人だった。非常に残念です」。
・「横山さんは買い出しを一生懸命やっていた。悲しいです」。
・「横山さんは毎週買い出しをがんばってくれていて、横山さんが居なくなったら、結構たいへんなことになっている。フルタイムの仕事をしながら、毎週かならずやってくれていた。覚悟みたいなものを感じていた。ありがとうございました」。
山谷の仲間たちの気持ちのこもった一言が続いた。そして最後に、「インターナショナル」を全員で合唱し、横山さんとお別れした。(M)
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