投書 ヒロシマ・ナガサキ・パレスチナ
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松井一實(まつい・かずみ)が市長の広島市は平和式典にイスラエルを招待した。長崎市は、パレスチナ暫定自治政府の駐日代表部を平和式典に招待し、イスラエルは招待しなかった。長崎市の鈴木史朗(すずき・しろう)市長は、その理由について「政治的な判断ではなく、式典を平穏かつ厳粛な雰囲気のもとで円滑におこなうため」だと説明した。アメリカ、イギリス、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、欧州連合(EU)の駐日大使は、イスラエルの不招待が理由で長崎の式典への出席を見送った。
この一連の事態をどう考えるべきか。
「核実験のみに反対する。原爆が爆発しなければ、どれだけ放射能を垂れ流そうと、どれだけジェノサイド(集団殺戮)で世界中の人が殺されようと、恒久平和とは関係ない。そんなメッセージを、広島は今までまき散らしてきたのではないか ――」(『地平』2024年9月号141ページ)。
現在四期目の松井市長は、「就任当初から一二年にわたって、「爾臣民」の文言も含めた教育勅語を引用した資料を、新人職員研修で使用しつづけてきた……」(『地平』2024年9月号144ページ)。
「私自身はもともと、すべての国の為政者、つまりその国の軍隊の最高指揮官を招待する(じっさいには大使やその代理の参加がほとんどだが)、という平和式典のあり方自体が気持ち悪いと思っている。為政者だからこそ「広島に来て、核兵器を絶対に使ってはならないと認識してもらう」というロジックのようだが、広島に来て式典に参加するだけで(平和資料館で長めに過ごすというのを加えてもいいが)、そんな魔法のような効果があると、本当に大真面目に信じているのだろうか」(『市民の意見』NО.204 2024/8/18 27ページ、田浪亜央江(たなみ・あおえ)さん)。
現在進行形の虐殺を黙認して、何が「平和式典」だ。広島市は、これでいいのか。松井一實は、辞任するべきだ。長崎市について。イスラエルを招待しない理由は「式典を円滑に実施するため」ではなく、イスラエルによる虐殺に抗議するためであるべきだ。私はそう考える。
武器取引反対ネットワーク(NAJAT)の呼びかけでおこなわれた「イスラエルはジェノサイドをやめろ! 虐殺国家イスラエルを招待する広島市は恥を知れ! 虐殺加担の松井広島市長は辞任しろ! 8・6ヒロシマ原爆の日 イスラエル大使館前ダイ・イン」には約55人が参加した。
市民有志の呼びかけでおこなわれた「英米は虐殺国家イスラエルの支援と長崎市への恫喝をやめろ! 8・8大使館緊急抗議」にはイギリス大使館前に約50人、アメリカ大使館前に約90人が参加した。警察の過剰警備がひどかった。
フリー・パレスタイン。ノーモア・ヒロシマ・ナガサキ。ノー・シオニズム。ノー・インペリアリズム。
(2024年8月20日)
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