投書 内ゲバ禁止法を考える

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 「『ゲバルトの杜』を観た」(『かけはし』第2827号、2024年9月2日発行、投書)で、私は「内ゲバについては『内ゲバ禁止法』のようなものを作るべきではないかと思っている」と書いた。これに対して、「内ゲバ禁止法というのは、日本国家の法としての意味なのか」「もしそうなら、必ずそれは組織対策型の危険な治安法になるので反対」だ、「単に党派間暴力を法で裁いてほしいなら現行法でも十分可能」だ、という意見を伝えてほしいという意見を聞いた。

 そこで、私の「内ゲバ禁止法」についての考えをのべさせていただきたい。「内ゲバ禁止法」には2つある。
 第1は、「こころの禁止法」だ。これは、法律ではない。だが、内ゲバは絶対しない、内ゲバ組織とはかかわらない、内ゲバ反対のために活動する。多くの人がこれを実践すれば、これが内ゲバ主義一掃のための基礎になる。
 第2は、「法律としての禁止法」だ。私は、法律には反対するものと賛成するものがある。憲法1条(天皇条項)には反対だが、憲法9条には賛成だ。死刑には反対だが、差別禁止法には賛成だ。痴漢冤罪には反対だが、「ホンモノの痴漢」の取り締まりには賛成する。いわゆる宗教弾圧には反対だが、統一教会(世界平和統一家庭連合)の解散には賛成だ。内ゲバ党派についても統一教会と「似たところ」がある。カルトと「似たところ」がある。「人間の生の尊厳なくして、人間の解放はない」。

 ただし、自公政権に「内ゲバ禁止法」が出来るかどうか、「自公政権のもとでは、内ゲバ禁止法は反対派弾圧法になってしまうのはないか」、そういう疑問をもつ人がいるのは理解出来る。革命政権には出来ても、「革新リベラル政権」に「内ゲバ禁止法」が出来るかどうか、「左翼弾圧法」や「反対派弾圧法」のたぐいではないものが出来るかどうか。それは私には分からない。それは民衆間で議論すればいい。私のは、1つの問題提起だ。

 大切なのは、内ゲバ主義を一掃するために、民主主義を実践するために、何が出来るかをみんなで考えることだ。「左翼弾圧法」や「反対派弾圧法」をつくらせないためにも、それが世論に支持されるような世の中をつくらないためにも、内ゲバ主義の一掃が必要だ。「こころの内ゲバ禁止法」が必要だ。そう思っている。
 わが魂は、内ゲバで「虫けら」のように殺されていった人びと、戦争で無念の内に死んでいった人びととともにある。「差別も暴力もない世界」を作り出そう。
(2024年9月5日)

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