大阪9区で市民連合結成
自民・維新を倒す市民と野党の統一候補を
【大阪】9月22日、茨木市ローズWAMで9区市民連合(準)キックオフ集会が開かれた。集会には大阪9区(茨木市・箕面市・豊能町・能勢町)内の市民活動家や野党関係者など30人が参加し、9区市民連合を正式に結成して自民・維新を倒す市民と野党の統一候補の擁立に向けて各政党への申し入れなどにとりくむことを確認した。
司会のあいさつのあと、第1部「9区の課題を考える」として2つの報告がおこなわれた。
松永健治さんの報告
まず地域の公共交通を守り、発展させていくという課題について、堺市の「バス・公共交通を考える会」の松永健治さんが「堺市の『おでかけ応援制度』改革阻止の闘いを振り返って」という報告をおこなった。
松永さんは、65歳以上の高齢者が運賃100円で市内のどこにもバスや路面電車を使って出かけられるという堺市の「おでかけ応援制度」が、維新公認の永藤市長が改悪しようとしたことを2回にわたって阻止した市民の運動について紹介し、さらに日本の公共交通が民間事業者中心の「独立採算制」をとっていることの問題点を指摘した。その上で、ヨーロッパなどでは「移動は権利」と考え、公共交通を「社会の土台」として位置付けていること、日本でも「赤字の補填」という限定された枠での国の補助制度ではあっても、それをうまく活用して地域の公共交通の充実にとりくんできた先進自治体の例があることを紹介し、「公共交通」という名にふさわしい公的制度の構築をめざして、さまざまな運動と連携してとりくみをすすめようと呼びかけた。
大阪9区内でも、北大阪急行の延伸にともなうバス路線の再編・減便、バス・鉄道運賃の値上げなどに直面しており、住民にとって大きな関心事となっているため、非常に示唆に富む報告だった。
寺本勉さんの報告
続いて、「住民監査結果の履行を求める豊能町民の会」の寺本勉さんが「豊能町スマートシティ事業 住民監査請求と住民訴訟で問いかけているもの」というテーマで報告した。
寺本さんは、豊能町で2022年度に実施されたスマートシティ事業(デジタル田園都市国家推進事業)が、4億円近い予算をかけたにもかかわらず、ほとんど住民サービス向上につながらず、いわゆるIT企業を儲けさせるだけの結果に終わっただけでなく、約束されていたIT企業からの寄付金が三分の一程度しか入らず、財政面で町に大きな負担を強いることになったと指摘。
さらに、これに対して住民が情報開示請求や資料の分析、議会の傍聴、学習などを重ね、この事業の責任を問うために住民監査請求をおこなったこと、監査委員が請求を認め、前町長に3900万円余りの賠償請求をするように町に勧告したこと、にもかかわらず町が勧告の履行を拒否したため、住民訴訟に踏み切ったことを報告し、住民自治と民主主義を取り戻すとりくみとして、裁判闘争とともに地域での運動をさらにすすめたいと述べた。
参加者からの質疑のあと、第2部「予想される解散総選挙に向けて意見交換」に移った。 その中では、8月におこなわれた箕面市長選で維新の現職が惨敗を喫し、市議選でも議席は増やしたものの得票数は前回から大幅に減らすなど、維新の退潮があらわになっていて、次の総選挙は維新と自民をともに倒すチャンスであることなどが話された。ちなみに集会当日に投開票された摂津市長選でも維新は候補者を立てられず(維新府議が離党して立候補したが大敗)、府議補選でも2010年以来初めて議席を失う結果となった。
最後に、「この集会をもって9区市民連合を結成する」「大阪9区で立憲野党の統一候補を擁立するために各政党などに申し入れる」「市民連合としての街頭演説会を開催する」などを確認して、集会を終えた。大阪9区では、すでに現職(維新所属だが、党員資格停止処分中のため無所属で立候補予定)、自民、社民、参政の新人候補が立候補を表明していて、激戦が予想されている。これまで2回の総選挙で、当選には至らなかったが「野党と市民の統一候補」を実現させてきた力を自民と維新を倒すために結集することが求められている。
(T)
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