10.29女川原発再稼働中止抗議行動
日本で一番危険で、民意を無視した女川原発原子炉起動を中止せよ!
女川原発ゲート前抗議行動
東北電力は、10月29日の18時以降、2011年3月11日で被災した女川原発2号機の原子炉内制御棒を抜き起動させると発表した。(30日0時12分、「臨界に達した」と発表)
日本で一番危険で、住民の民意を全く無視した形で原発を動かそうとすることに対して女川町民、石巻市民は、10月29日11時から再稼働中止を求めて抗議の申し入れを行うために女川原発ゲート前に集まった。
東北電力は、事前の連絡で「ゲート前での対応は取らない(受け取らない)」という姿勢で、当日ゲートは閉じられ、その前にバリケードとロープが張られ、警備員を配置するものものしい体制で抗議する住民らをむかえたのである。
責任者を出すように求めるも「自分で連絡しろ」、連絡先の電話番号を尋ねるも「自分で調べろ」と警備員。これが公的企業たる東北電力の原発再稼働に反対する周辺住民への対応である。
抗議する住民らは、県内各地からも結集し、福島からの参加者もあり35名となり、ゲート前申し入れ行動を提起した「女川から未来を考える会」代表の阿部美紀子前女川町議と「さようなら原発inいしのまき実行委員会」近藤事務局長が「申し入れ書」を読み上げた。
「福一事故から13年、原発なしで暮して来られた。原発で発電しなくても支障はない!住民に逃げる訓練、避難を強いる危険な原発、能登半島地震は避難することすらできないことを示し不安を大きくした。福一事故の復旧に見通しがない!福島を繰り返す再稼働に反対する。10万年も管理しなければならない放射性廃棄物を出し続けるのが原発だ!」「平穏な暮らしを望み、基本的人権を脅かすすべての原発に反対し、女川原発2号機の再稼働に反対し中止を!」
ゲート前で阿部美紀子さんは、「避難しなければならないくらい原発は危険だということ。避難しないですむ街にしたい。地震が頻発する日本のどこにも原発を建てる場所はない。原発を止めるために頑張って行く」とこれからも廃炉にむけて粘り強く闘っていくことを訴えた。
11月27日に女川原発差止訴訟の判決受け渡しを迎える原告団長は「危険な原発が再稼働される日がきてしまった。11月末の判決を待たずに民意を無視して強行する東北電力の矜持を疑う。何が起こるか分からない。原発をなくすまで頑張る」と語った。最後まで東北電力社員は出てこなかった。許せない!
参加した住民らは、原発が見える小屋取浜に移動して、参加者全員が再稼働を許さない思いを語るリレートークを約1時間にわたって行ない、原発に向かって再稼働反対!の声をぶつけた。
東北電力へ抗議声明を突きつける
東北電力本社前では原子炉起動中止と抗議のスタンディングとアピールが行われ、引き続き、16時から東北電力本社へ原子炉起動を許さない抗議声明を提出する行動が行われ、50名を超える県民が集まり、福島からも「さようなら原発1000万人アクション呼びかけ人」の武藤類子さんらの参加があり、ともに女川原発の原子炉起動の中止を東北電力に求めた。
「抗議声明」は、女川原発は第一に【被災原発】であり、世界一地震の影響を受けやすいもっとも危険な原発であること。第二に、事故を起こした福島原発と同じ沸騰水型(BWR)マーク1という老朽原発で、過酷事故に耐えられない欠陥炉であること、第三に、能登半島地震で明らかになったように半島部で地震が起きれば避難出来ないこと、女川原発もそのリスクを抱えながら避難計画も全く見直されていないなかでの「見切り発車」であり許されないことを指摘した。加えて、県民投票をはじめとした住民の民意が排除、無視され再稼働が進められてきたこと、このようななかでの再稼働は許さないし、強引に動かすことで反原発の世論を押し潰す目論みに屈せず、反対し続けることを表明した声明である。
東北電力は、この抗議声明に対し「電力の安定的確保とカーボンニュートラルに貢献していく」「安全対策を充分にして稼働していく」と全く県民の声を受入れない姿勢であった。参加者は、この姿勢を糾弾しこれからも原発を止め、廃炉にするために運動をつづけていくこと、11月2日に仙台で開催する「女川原発再稼働するな!全国集会」を全力で取り組むことを確認した。
安全度は極めて高まっている! と宮城県知事
村井宮城県知事は、「再稼働する原発が、福一原発と同じ型で、被災地の原発としては初めての再稼働となるが」と記者会見での質問に「事故後、(東北電力は)しっかりと丁寧に今までやってこられた。私もこの間視察をして、本当にここまでやるのかと驚くほどの対応をしておりました。安全度は極めて高まったと思っておりますが、なお、油断することなく、しっかりと対応していただきたい」と答弁。
県民の民意を県議会と一体となって潰し、無視してきておいて、何を根拠に「安全度は極めて高まった」と言えるのか! 避難計画の見直しにも手を打たず、住民に寄り添う姿勢は全くない。
全国各地でも女川原発再稼働に抗議する行動が展開された!
この日は、首相官邸前でも、当日の呼びかけに12名が参加して、トラブル続きの女川原発を動かすな!被災原発再稼働反対、事故が起きても避難出来ないとプラカードを掲げ、女川原発2号機の再稼働をやめろ!の声を石破政権に訴えた。
広島市中区の平和記念公園の原爆慰霊碑前では、広島県原水禁と県平和運動センターの仲間たち42名が「女川原発2号機の再稼働に抗議」と書いた横断幕を掲げ、抗議の座り込みをした。
全国各地での抗議行動には勇気を頂く。その闘いとしっかりつながりながら、すべての原発廃炉へ向け闘っていく。負げねど!(m)
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抗議声明
東北電力は女川原発2号機の原子炉起動を中止せよ!
東北電力は10月29日、女川原発2号機の原子炉を起動する(制御棒の引き抜き開始)と発表した。
13年半ぶりに女川に「原子の火が灯る」ことを意味し、大災害時などに過酷事故につながる危険性が格段に高まることを意味する。住民を危険にさらす原子炉起動に断固として抗議するとともに、直ちに中止することを求める。そして、その先の再稼働(発電再開)と営業運転開始を断念することを求める。
女川原発の再稼働は、3・11以降これまでの国内12基の原発再稼働とは段階を画するものである。
次の理由から、「これまでで最も危険な再稼働」と言って過言ではない。
第一に、女川原発は、3・11大震災など、過去3度も基準地震動を上まわる激しい揺れに襲われ、重大な損傷を受けた「被災原発」である。そのつど修理され、耐震補強が施されてきたが、現在の基準地震動1000ガルまで耐えられる保証はない。アメリカ原子力学会の論文で「世界一地震の影響を受けやすい原発」とされた女川原発に、1000ガルを超える地震が来ない保証もまったくない。
第二に、女川原発は、福島第一原発と同じBWRマークⅠという、極めて古い型の沸騰水型原発である。マークⅠは格納容器が小さく、過酷事故に耐えられない欠陥炉だと、従来から指摘されていた。そもそも、福島原発事故の原因が完全には究明されていないのに同じ型の原発を動かしていいのか?という根本的な疑問に誰も答えていない。
第三に、今年元日の能登半島地震は、半島部にある原発の地理的リスクを突きつけた。半島部で原発複合災害が起これば、避難もできないし屋内退避も出来ないことが、誰の目にも明らかになった。牡鹿半島にある女川原発も同じリスクを抱えるが、避難計画の見直しは行われていない。
このように、二重にも三重にも危険な女川原発を「見切り発車」することは絶対に許されない。
これまで、「原発」県民投票をはじめ住民の意思表示の機会はことごとく奪われ、住民の意思を排除した中で、再稼働プロセスが進められてきた。それは、3・11大震災と福島原発事故を体験した東北・宮城の住民の間に、原発に対する不安・不信、根強い反原発世論が存在するからである。今でも宮城県民対象の世論調査を行えば、女川原発再稼働「反対」が「賛成」を上まわるのだ。
女川原発再稼働は、被災地のまん中で「被災原発」を強引に動かすことによって、その反原発世論を一気に押しつぶしてしまおう。既成事実の積み上げによって、「動いてしまったものは仕方ない」と諦めさせようとする目論見でもある。
私たちは決してこれに屈しない。私たちは絶対に諦めないし、黙らない。
加えて、東北電力は女川原発敷地内に使用済み燃料の乾式貯蔵施設建設を計画しており、女川が半永久的な「核のゴミ捨て場」にされる恐れが高まっている。女川原発再稼働は、この「核のゴミ」をさらに増やす行ないでもあり、その意味でも決して許されるものではない。
私たちは、宮城の子ども達に、さらにその先の将来世代に、放射能という負の遺産を残す原発にあくまで反対し続け、ふるさと宮城の美しい海と大地を守り抜く。
東北電力に、女川原発2号機の原子炉起動を中止し、再稼働を断念するよう、重ねて強く求めるものである。
2024年10月29日
女川原発再稼働を許さない!みやぎアクション
原発問題住民運動宮城県連絡センター さようなら原発みやぎ実行委員会
東北電力社長 樋口康二郎様
申入書 2024年10月29日
女川から未来を考える会 (代表:阿部美紀子)、さようなら原発 inいしのまき実行委員会 (事務局長:近藤 武文)
御社は、10 月末に女川原発2号機の原子炉起動を 、11 月に発電再開を 、12 月に営業運転を開始するとしています。私たちは、女川原発2号機の再稼働に反対し、中止を求めます。
東日本大震災、福島原発事故から13年。原発がなくても暮らしてこられました。住民に逃げる訓練、避難を強いる計画を伴うほど危険な原発。今でも解決できない福島の現実。10万年も管理しなければならない放射性廃棄物。いずれは廃炉となり、廃炉作業に多額の費用と時間が必要な原発。この13年、自然と共生し、循環できるエネルギー、システムを模索し構築したほうが、御社としても良かったのではないかと考えます。
① 自然災害への不安は大きい
原発が発電しなくても生活に支障がありません。一方、原発があることで生活に支障が生じています。日々避難しなくてはならない不安を感じさせられています。能登半島地震の様子から、不安は大きくなっています。避難計画を示されても安心はできません。私たちは、女川原発2号機の再稼働に反対し、中止を求めます。
② 東京電力福島第一原発事故から学ぶ
東京電力福島第一原発事故の復旧には見通しが立っていません。立ち入ることができないふるさとがあることに、私たちは目を背けることはできません。同じようなことがあってはなりません。私たちは、女川原発2号機の再稼働に反対し、中止を求めます。
③多量の温排水が海水温を高める
二酸化炭素を出さない温暖化対策の優等生のように言われますが、温排水の問題には触れてもいません。海水温より7度高い温排水は、女川原発2号機からは毎秒60トン排出され、温度のあがった海水は二酸化炭素の吸収率を低下させます。漁業への影響も心配されます。私たちは、女川原発2 号機の再稼働に反対し、中止を求めます。
④10万年間も子孫に危険を強いない
原発は放射性廃棄物を生みます。それは10万年間も子孫に危険を強いるものです。女川原発で生じた放射性廃棄物が、どこでどのように10万年間を待つのか、全く明らかになっていません。私たちは、女川原発2号機の再稼働に反対し、中止を求めます。
⑤人的災害(戦争・テロ)への不安は大きい
戦争が続いています。そこでは、原発は標的になります。自然災害だけでなく、意図的な事故を生じさせられかねない存在が、身近にあることは大きな不安です。私たちは、女川原発2号機の再稼働に反対し、中止を求めます。
以上、私たちは平穏な暮らしを望み、基本的人権を脅かす全ての原発に反対し、女川原発2号機の再稼働に反対し、中止を求めます。
週刊かけはし
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