投稿「戦争止めよう!沖縄・西日本ネットワーク」をつくろう
ミサイルも弾薬庫もいらない大分集会開催
尾形 淳(「南西諸島への自衛隊配備に反対する大阪の会」会員)
11月30日(土)に「戦争をさせない沖縄・西日本ネットワーク(仮称)交流集会in大分」が、大分市アイネス大会議室で14時から開催された。そして翌12月1日の9時からは敷戸弾薬庫へのフィールドワーク、12時からは同市の若草公園で「ミサイルも弾薬庫もいらない!平和をめざすつどいin大分2024」が行われた。
【11月30日】
〔由布院温泉に敵基地攻撃ミサイルが配備される〕
朝早く大分港に着いた私たちは、車ですぐ由布院に向かう。朝早いにも関わらず、由布院の温泉街は観光客と観光バスでいっぱいである。その温泉街の北方わずか900メートルの地点に、長射程ミサイル配備が計画されている自衛隊湯布院駐屯地がある。
その北西5キロには西日本最大の演習場、日出台(ひじゅうだい)演習場があり、連日のように演習が行われている。
2024年3月、湯布院駐屯地に西部方面隊第2特科団の本部が置かれ、その下に第5ミサイル連隊(熊本・健軍駐屯地)、第7ミサイル連隊(沖縄・勝連)を配置した。そして、湯布院駐屯地には第301多連装ロケット部隊を置き、開発中の島嶼防衛用の高速滑空弾を配備する。
また、25年3月には湯布院基地の第8ミサイル連隊を再編し、敵基地攻撃能力を持つ長射程ミサイルを導入する。湯布院駐屯地は九州、沖縄のミサイル部隊の司令塔になるわけである。
―沖縄・西日本ネットワーク(仮称)」の交流集会―
〔沖縄・九州で急速に進む自衛隊の軍事力強化〕
「ガマフヤー・ノーモア沖縄戦 命どう宝の会」の共同代表の具志堅隆松さんの基調報告の後、各地の報告に入る。
「大分敷戸ミサイル弾薬庫問題を考える市民の会」の合田公計さんは「住民には何も知らされないまま、新弾薬庫の建設計画が進められた。今年の6月の東京行動の際に防衛省は、弾薬庫が軍事目標になるかどうかは、その時にならないと分からないと、住民を愚弄するような回答をした」と、怒りを露わにした。
「湯布院駐屯地敵基地攻撃ミサイル問題を考えるネットワーク」の鯨津(ときつ)賢司さんは「由布院は山間の静かな温泉地というイメージだと思いますが」と話し始め、湯布院駐屯地への長射程ミサイル配備の内容と反対運動について語ってくれた。
「空自築城(つきき)基地前2の日座り込み運動」の渡辺ひろ子さんは、「福岡の築城基地では米軍機を受け入れるため、駐機場整備や滑走路延長計画を進めている」と報告した。
「鹿児島県護憲フォーラム」の磨島昭広さんは「鹿児島では馬毛島の基地建設、日米軍事演習、鹿野基地でのKC─130のローテーション展開、奄美大島のミサイル基地、さつま町での弾薬庫建設等が大きな問題になっている」と鹿児島で進む軍事化の動きを会場に訴えた。
「石垣島の平和と自然を守る会」の藤井幸子さんは「キーン・ソード25では奄美群島や沖縄の島々の近海に、これまでで最大規模の自衛隊=人員3万3000人、艦艇約30隻、航空機250機、米軍=人員1万2000人、艦艇10隻、航空機120機を展開した」と報告した。
この後、ネットワーク発足に向けての意見交換をした後、来年2025年2月22日(土)に、鹿児島市で「戦争止めよう!沖縄・西日本ネットワーク」の発足集会を行うことを全体の拍手で確認して交流集会を終えた。
尚、大分県以外からの参加者が、東京、神奈川、長野、静岡、滋賀、奈良、京都、大阪、広島、山口、福岡、熊本、鹿児島、沖縄の14都府県に及んだ。
【12月2日】
―敷戸弾薬庫のフィールドワークと平和をめざすつどいin大分―〔住宅密集地の隣はミサイル弾薬庫〕
陸上自衛隊大分分屯地(敷戸弾薬庫)を見下ろす団地の敷地から、弾薬庫の概要の説明を受ける。この弾薬庫には1986年現在で、33棟の弾薬庫に1000トンの弾薬が保管されている。ここに長距離ミサイル用の大型弾薬庫が9棟新設される。
団地のすぐ下にある大きな病院のすぐ先に弾薬庫の正門があり、古い弾薬庫が見える。南西部は住宅地で、横を国道10号が走っている。そして、その西には住宅密集地が広がる。
弾薬庫と住宅地の最短距離は180メートル。鴛野(おしの)小学校は弾薬庫のある分屯地と堀を隔てて隣接している。弾薬庫建設用地から400メートルの距離には保育所もある。
このように敷戸弾薬庫の周囲には大分大学、小中学校、保育園、幼稚園、病院、介護施設等がある。3キロメートル以内には4万人が暮らす住宅密集地があり、JR大分駅や大分市役所まではわずか6キロ、人口47万人の大分市の大部分が半径10キロ以内に入る
この日は冬晴れ、団地のある高台からは市街地越しに、由布岳が遠望できた。ここに立つと住民の人たちの弾薬庫建設に対する危機意識がヒシヒシと伝わってくる。
昼からは「平和をめざすつどい」に参加。集会のメインになるスピーチは前日の交流会の報告とほとんど同じだったが、サムルノリやパレスチナ人と日本人の両親を持つダニー・ジンさんのヒップホップもあり、つどいをにぎやかで楽しいものにしていた。
人命軽視の弾薬庫建設をやめさせよう!(12.1)
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