12.21共同テーブル近畿

新自由主義の横暴 貧富の差拡大を撃つ左派リベラルの結集をめざす市民の集い

 【大阪】12月21日、共同テーブル近畿主催の「新自由主義の横暴 貧富の差拡大を撃つ 左派リベラルの結集をめざす市民の集い」が大阪PLP会館で開かれ、約60人が参加した。集会の協賛団体には、関西共同行動や京都・滋賀の1000人委員会、社民党・新社会党の近畿ブロック協議会などが名を連ねた。

左派・リベラルの課題をどう提起するか

 集会は主催者あいさつで始まり、共同テーブル近畿・事務局の佐藤さんが「社民党・共産党が総選挙で票数を減らした。これをどう克服していくのかが、左派・リベラルの課題」と集会の狙いについて提起した。
 続いて、纐纈(こうけつ)厚さん(山口大学名誉教授)が「護憲勢力再結集の方途をめぐって 非西欧型社民主義の追求と憲法9、25条の実現へ」、木戸衛一さん(元大阪大学教授)が「濁流にいかに抗するのか ドイツ・欧州からの視点」というテーマでそれぞれ問題提起をおこなった。

社民主義・リベラリズムの今日的課題

 纐纈さんは、かつて麻生久(社会大衆党創設者)が、二・二六事件の直後、1936年5月に衆議院で行った演説で「今日の国民生活の不安という問題は、これを一言にして尽せば、資本主義経済組織が一時代の役割を果して、今日は下り坂になって、国民生活を支えて行く力を失って来たということに帰着すると私は思うのであります」と述べたことを引用して、これは今日にも通底している問題意識であり、日本資本主義が国民の生活・未来を支えることができなくなっている、その上で、「社会大衆党は親軍政党に傾斜し、軍に寄り添うことによってしか国民の生活を変えられないという認識に至ってしまい、右翼と左翼の接合が起きてしまった」と指摘した。そして、国民の生活、労働環境の改善などのために国家に役割を果たさせるとともに、国家を相対化するという最前線に立っているのが社会民主主義だが、戦後日本に通底する3つの原理=覇権原理、安保原理、帝国継承原理の克服が社民主義・リベラリズムの課題であり、これができなければ、麻生久の二の舞になる可能性があると警告した。

平和・人権のより広いプラットフォームを

 一方、木戸さんは、イギリス労働党、フランス社会党、ドイツ社民党などヨーロッパでの社民主義の現状について触れ、たとえばドイツ社民党はコソボ空爆や福祉切り下げをおこなってきたことを指摘した。
 そして、オーストリア共産党が「成功」したのは、党内の「対等性」と「透明性」を確保し、住宅問題に焦点を当てて選挙運動や日常活動をやって、有権者の信頼をかちえたから、という例を紹介し、まともな政治を求める人々の中で、社民、新社会党、共産党の枠を取っ払うことが必要であると述べた。
 さらに「日本はかつて天皇のために死ねるという『カルト国家』だった。そこから抜け出せずに、天皇制によって思考が捻じ曲げられているという状況がある。足元から国のあり方を変えようと考える人が増えることが重要」「ネオリベが40年間牛耳っていたことの結果として、有権者自体がネオリベ化している。
 その中で、次の参議院選挙では、社民、共産、立憲の良心的な人々、れいわが結集できるプラットフォーム、つまり二つの原理=平和、人権を旗頭にした、より広い、世代を超えたプラットフォームを作っていくことが必要」と締めくくった。

若者とどのように向き合っていくか

 休憩のあと、西尾慧吾さん(大椿裕子参議院議員秘書)がコーディネーターとなって、参加者からの質問を踏まえた討論がおこなわれた。
 質問に答える形で、「生活・貧困問題が深刻化しており、生活の直結した課題を掲げるべき」「野党共闘は、政策が鮮明になるような、たとえば護憲野党共闘といったネーミングが必要」「平和憲法のもとで日本の軍事化が進行しているという現実がある。根本的には、市民のための憲法という発想を」(纐纈さん)、「ネオリベ化した有権者は自己責任論に陥っているので、福祉ということばが響かない。もっと直接に響く言葉で訴える必要がある」「改憲しないと国家として『半人前』であるとの批判に対しては、開き直って『半人前』でいい、『半人前』だからこそ市民社会に近くなると言うべき。『選民思想』や植民地主義的発想が残っていることが問題」(木戸さん)とそれぞれの問題意識が示された。また、今後の課題として、若者とどのように向き合っていくのか、が挙げられた。  (О)

参議院選挙に向けて何を準備するのか(12.21)

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