1.29在沖米兵による相次ぐ “性暴力事件”米大使館行動

女性たちを中心に怒りの抗議

基地軍隊はいらない4・29集会実行委員会、
沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック

【東京】1月29日午後7時から、虎ノ門住友不動産タワー前で「1・29沖縄・米兵による相次ぐ“性暴力事件”アメリカ大使館に向け抗議行動」が基地軍隊はいらない4・29集会実行委員会、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック協力で行われ、女性を中心に約100人が集まった。

米軍基地があるから女性への性暴力は続く

 司会者が開催の趣旨を最初に述べた。
 「2023年12月に米兵による少女誘拐・暴行事件など性暴力事件が相次いで起こっている。明らかになっているだけでこの1年間で少なくとも5件の重大な性暴力事件が起こされている。その上それらの事件は日米両政府によって、数カ月間隠蔽された。沖縄の女性たちは大きな集会で何度も怒りの声を上げている」。
 「なかったことにしてはいけない。なかったことにさせてはいけない。いろいろ政府交渉をやったり、新宿デモをやったりしてきた。米軍がいるからこんな事件が起きるわけだから、アメリカ大使館に直接、訴えたく呼びかけた」。
 基地軍隊はいらない4・29集会実行委員会の青木さんが「2023年の少女誘拐暴行犯の米軍兵士ブレノン・ワシントン兵長は裁判で5年の実刑判決が出たが無罪を主張した。ふざけるなと言いたい。米国大使館に向かって抗議したい」と述べ、「事件後も米軍基地の自由使用は続いている、そしてそれを認めている日本政府と国民に、沖縄を国策の道具にするな」と怒りをぶつけた。
 沖縄から電話で、11月22日の米兵による沖縄県民大会実行委員会の共同代表の親川裕子さんがアピールした(別掲載)。

性奴隷制に反対

 次に米国大使館へシュプレヒコール。
 トーク発言は協力団体のアクティブミュージアム「女たちの戦争と平和」の渡辺さん。
 「国連の北京世界国際会議に参加していた。戦時性暴力という戦争の中での暴力と同じようで異なる外国軍の駐留下での性暴力というのはどういうものか。50年も外国軍が駐留している異常な状況について、説明していたのを覚えている。基地軍隊を許さない女たちの会の高里鈴与さんは昨年6月に、外務省が隠蔽している事件が分かった後に、wamとふぇみんとアジア女性資料センターで院内集会をやった。その時、『80年前米軍は上陸してすぐに沖縄の女性を襲い始める一方で、傷ついた人々を救助した。戦場のレイプは戦略と言われますがなぜ救助したのか、米軍の資料に住民を手なずけるための手っ取り早い方法が医療だとあります。救助も強かんも米軍の戦略と言えます。住民を手なずけて、強かんする。米軍のその戦略は今もちっとも変わっていません』」。
 「米国大使館の皆さん聞こえますか。日本の敗戦から80年、もう十分に日本・沖縄を理由し蹂躙したのではないか。もう出ていってほしい。米国による支配はたくさんだ。沖縄の人々の命を脅かさないために、日本独自の外交ができるように、近隣諸国と信頼関係を作るために、日本にある米軍の存在は危険であり、障害でしかありません。イスラエルのパレスチナ人の虐殺に加担しているアメリカと日本は同盟国である。それは恥だ。旧日本軍の性奴隷制を認めない自衛隊も同じだ。軍隊は女性を守らない。武力は平和を作らない」。

国連の女性差別撤廃委員会で取り上げられる

 リレートークが行われ、参加者の中から、女性会議の発言の後に、安保法制違憲訴訟女の会の原告、日本女性差別撤廃条約NGОネットワーク女性差別撤廃条約ネットワーク(JNNC)世話人の亀永さんが発言した。
 「沖縄の女性に対する性暴力を何度も起こしても、それに対して日本政府は何もやらない。事態が何も変わっていないことを本当に痛感している。この状況を変えるためには、沖縄の人々と連帯して、私たちが東京で何をやっていくのかということが問われている」。
 「日米地位協定を変えるための活動をしっかりやっていかなければいけない。それだけでなく、日米地位協定は事件が起きてからどうするかという対処方針を決めるかもしれないが、問題はそのような事件を二度と再び起こさないことだ」。
 「そのためにはやはり、米軍基地を撤去すること、軍隊はいらない、私たちは平和で安全な中で暮らしたいという声をしっかりと日本政府にあげていくことだ」。
 「ひとつ報告がある。昨年の10月に国連の女性差別撤廃委員会で、日本が女性差別撤廃をどのように実行しているのかの実状を審議する、日本報告審議という会議があった。その会議を経て国連の女性差別撤廃委員会が日本に対して、総括所見という勧告を出した。その中に、初めて沖縄の米軍による女性に対する暴力という項目が入った。そこで女性差別撤廃委員会が言っているのは、『このような性犯罪を防止する責任が日本政府にあるということ、被害者に対して謝罪と補償する責任があるということ、日米地位協定の改定に日本政府は取り組まなければいけない』ということだ。この勧告を出したのは親川裕子さんを始めとして高里鈴与さんなど、沖縄の女性たちが女性差別撤廃委員会に現状の報告をNGOレポートとして提出をして、ねばり強い訴えをしたからです」。
 「沖縄における米軍による女性に対する暴力が頻発をしているという実状は国連という国際機関の中でも由々しきこととして、問題にされ始めているということです。しかし一方で、国連全体や安保理理事会がそのような問題を認識しているかというとそうではありません」。
 「一方で、世界は戦争に満ち溢れています。ウクライナ戦争は続いてるしガザはとりあえずの停戦が実現しているが、ヨルダン川西岸に対するイスラエルによる空爆はいっこうに止んでいない。トランプは何とガザの人々を強制送還させて、ガザを更地にしてリゾート地にせよという、あの男は世界は自分の庭だと思っているのか、とんでもないようなことを言い出している」。
 「私たちは沖縄の人々に、70%の基地を本当につらい思いを押しつけてきたことをつくづくと自分たちの責任だと思わなくてはいけない。そのために何ができるのか、4・29集会実行委を始めとして3団体が行動を呼びかけてくれて、そのたびに参加しているが今後もっと何ができるのかを考えていきたい」。
 続いて、「松戸沖縄とつながろう会」が沖縄の映画と連帯のツアーを報告をした。最後に実行委と一坪関東ブロックの在日米国大使と在日米軍司令官への申し入れ書を読み上げた。そして在日米国大使館へ、米兵による女性への性暴力をなくせ、シュプレヒコールをあげた。      (M)

沖縄県民大会実行委員会の共同代表の親川裕子さんのアピール

 「1月に改めて米兵による女性への性暴力事件が起きていたことが9日に分かった。去年の11月に発生していた。11月23日に沖縄防衛局、外務省沖縄事務所に抗議に行った。その時点でこの事件はもしかして知っていたのではないか。強い不信感を持っている。改めて両組織に抗議にいった。その時、知っていたかと問うと個別の事案には答えないという返答を繰り返していた。いっさい期待を持てないと強く感じる。11月の事件は証拠が固まらなかったということで、不起訴という判断が下された。勇気をもって訴え出た女性は、一体誰に頼ればいいのか。こういった不正義が起きた時に、どうしたら、被害者の人権が回復できるのか、そうした道も閉ざされた。そうしたことに強い怒りを感じた」。
 「女性に対する性暴力はまだまだ日本社会の中で、フジテレビの中居正広氏の事件でマスコミは騒いでいるが、あれも本当ならば、性暴力と言わざるをえない。女性とのトラブルとか表現をあいまいにしている。日本社会は性暴力に対して認識が甘い、弱い、足りない」。
 「米軍基地を抱えさせられている沖縄では米兵からの暴力に対しても、尊厳の回復が至らない。そういったところが、被害者の気持ちを傷つけていると言わざるをえない。声を上げ続ける。来週には政府への要請で東京に行く。皆さんといっしょに声を上げられればと考えている」。
 2月6日(木)親川さんらが日本政府に対する要請行動。午後6時半から市民集会を行う。衆議院第二議員会館、1階多目的室で、市民集会を開催する。

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