突然の破産と解雇に翻弄されたベトナム・ブラジル人労働者に

県共闘・中部地区労・ユニオンネットが緊急食糧支援

 【静岡】静岡県内でベトナムや南米出身の外国人などを雇用する人材派遣会社「エルビースタッフ(本社東京都)は資金繰りの悪化や債務超過を理由に昨年末の28日に破産手続きに入り、社員には、30日で雇用契約を解除し、11月分給与は未払いになること、事業は愛知県の人材派遣会社に譲渡し、その会社への移籍を勧めると説明していた。経営者(堀江健一社長)は代理人の弁護士に丸投げし、雲隠れしたままで連絡が取れない。
 同社は掛川市や都内などに拠点を置きベトナム人やブラジル人、日本人など数百人の社員を県内各地の製造業や梱包(こんぽう)業などに派遣していた。同社のベトナム人は大卒や専門学校卒業者で専門的な労働が可能な「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格で働いていた。11月から1月末で未払給与の額は一人80万円ほどで、全体で、数千万から億単位になることがほぼ確実な状況だ。
 労働者には1月28日時点でも失業給付受給のための離職票や源泉徴収票、健康保険の脱退・加入のための健康保険資格喪失証明書も届いておらず、何等の手続きもできない、八方塞がり状態だ。

たくさんの支援物資・金銭カンパが寄せられた

 昨年末以降、ベトナム人社員たちは磐田労働基準監督署やベトナム大使館に対応を相談していた。静岡労働相談センターに相談が寄せられたことから、県共闘・中部地区労・県ユニオンネットが県下の仲間に呼びかけて緊急食糧支援を行うことになり1月18日、県下の仲間たちから寄せられた食料品を持参して袋井市のベトナムレストラン「フォコ ハノイ」の協力を得て食糧支援を実施した。
 当初は、支援食料品が少なかったらどうしようかと心配だったが、うれしいことにたくさんの支援物資が寄せられた。レトルト食品、缶詰、乾麺といった物から、生米、ミカン、大根までが寄せられた。ご支援いただいたみなさんに感謝申し上げます。
 相談が寄せられて以降、併行してコロナパンデミック以降の緊急生活支援組織である「雇用・生活を支え助け合う会」の金銭カンパも行われて徐々にカンパが集まってきている。
 この日、会場に見えたベトナム、ブラジル人労働者は25人だった。食料品配布後、交流会を開催し現況報告や当面する問題についてうかがった。この日の支援行動には遠州労働者連帯ユニオン、静岡ふれあいユニオン、清水合同労組などから5人が参加した。  (S)

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