2.3民主体制と平和を取り戻し連邦制樹立をめざす院内集会

ミャンマー軍事クーデターから4年

 【東京】2月3日午後4時から、参議院議員会館講堂で「ミャンマー軍事クーデターから4年~ミャンマーに民主体制と平和を取り戻し、真の連邦制樹立をめざす院内集会~」が行われた。超党派の衆参議員が数十人参加した。

民主化支援議員連盟が支援

 超党派「ミャンマーの民主化を支援する議員連盟」近藤昭一会長(衆院議員)が開会のあいさつ。
 「私は軍事クーデターが起こる前のミャンマーの現地を訪れ、民主化を求める皆さんと話をした。残念だが軍事クーデターが起きてから、現地に行くことはできないがタイ国境でミャンマーの皆さんを支援する所に行ったことがある。ミャンマー現地では民主化勢力が命をかけて大きな抵抗運動をして、軍事政権側を押し返している」。
 「しかしながら、多くの命が奪われ、子どもたち、若い人たち、女性などの未来が奪われている。こうしたことに対して、私たち議連は力を合わせてこの状況を一刻も早く止めて、民主化を求める。そのために何が出来るのか、何をしていかなければいけないのか、ということを議論し、しっかりと行動していきたい」。

国軍の実効支配地域は30%

 続いて、ミャンマー国民統一政府(NUG)のソーパラティン駐日代表があいさつ。
 「われわれは70年以上の長きにわたり、真の民主連邦制の確立と人権のための戦いをずっとやってきた。ミャンマーの国軍による権力の行使に正当性はまったくない。クーデターから5年目に入ることになった。これ以上彼らの暴政を放置できない。われわれNUGは早い段階で、各地の少数民族・市民団体・抵抗組織と連携し、軍事独裁による恐怖政治の打倒をめざした。これまで4年にわたる少数民族抵抗組織との共闘、若者たちの勇敢なる健闘により、現在国軍が実効支配できているのは全国の30%にすぎない」。
 「しかし、国内では国民が破壊と絶望の中にいる。日本国政府のあらゆるご支援、力沿いに熱く御礼申し上げる。G7各国とも連携し、ミャンマー問題に真摯に取り組んでいただいていることに心から感謝している」。
 「一方で国軍は2025年本年、総選挙を計画している。これはミャンマー政治史を血で汚すものだ。前回2020年の総選挙では日本から監視団を派遣してもらっている。今回どうなのか、関心を持っている。正当性のない総選挙の結果を承認されないように熱くお願いしたい。現地では空爆だけでなく、2年前からコンピュータウィルスなどサイバーテロ情報操作も激しくなっている。われわれは国軍による総選挙はまったく不当であると非難する。今ミャンマーの情勢は多くの連合組織の団結の前に、軍事独裁も終えんを告げる段階にきている。そこに国軍が関与できる余地はない」。

国民統一政府は着実に政策を実行

 第一部 基調報告/現地からの情勢報告

 「軍事クーデターから4年~春の革命の現状と今後の展望」と題して、NUGのスザンナ・ララソー(女性・青少年・児童問題担当大臣)が基調報告を行った。
 「前回の選挙でカレン民族の代表として当選した。しかし、軍事クーデターが起こった後、NUGの女性・青少年・児童問題担当大臣になった。三つのことを目指している。①紛争や抑圧的体制からの保護②子どもたちの安全と生活できるようにするための提供③福祉・健康、経済的自立のための体系的発展と向上の促進をめざしている」。
 「省の指針・政策」から。
 「NUGが国際的な承認を得るためには財務が欠かせない。そのため、透明性を確保している。 「技術習得支援も行っている。日本政府からの支援にも感謝している。引き続き支援をしてほしい。戦果を逃れた人への支援、レイプ女性への支援、投獄された女性政治犯への支援を行っている。合計で6万2000人の支援を行ってきている」。
 「国内避難民は360万人だ。アメリカのトランプの就任によって国際的援助が一時停止された。アメリカに次ぐ支援をもらっている日本からの支援が非常に大切なものと感じている。引き続き支援をしてほしい」。
 「昨年だけで軍が一千回以上の空爆を行っている。空爆によって多大な被害が出ている。人道支援が必要な人は860万人を超えている。このようなことを防止するために国際社会が軍に対して、行動を起こしてほしい。人道支援のいっそうの強化、青少年の自立・自活のために、就職のための支援を。国際司法裁判所への機関を通じて国軍がこれまでに犯した戦争犯罪を裁いてほしい」。
 現地からの情勢報告がビデオで紹介された。

 そして第二部として、在日ミャンマー人及び国内支援団体からの応援メッセージ
 在日ミャンマー人支援団体からの応援リレー。沖縄・大阪・広島・岡山・北海道からの連帯リレー。NPO法人PEACE、NPO法人ヒューマンライツナウ、日本ビルマ救援センター、NPO法人メータオ・クリニック支援の会、ILO労働者活動局、労働組合
「連合」、一橋大学市原麻衣子教授からのアピール。
 日本政府への要請文の採択、ミャンマー国民と共に~合唱「未来」Kiroro。
 日本政府も深く関係しているミャンマー軍政を打倒して、民主的なミャンマー実現のために持続的な支援を行っていこう。 (M)

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