2.24渋谷ハチ公前で、ウクライナ人がロシアの戦争を止めようと訴え

侵略から3年
ロシア軍の侵略戦争を直ちに中止させ、占領地からの撤退を

【東京】ロシアがウクライナへの全面侵攻をして3年目の2月24日午後2時から渋谷駅ハチ公前で、ウクライナ人数百人が「ロシアの戦争を止めよう、捕虜の虐待をやめろ、子どもたちを返せ」と訴えた。

 ロシア軍に手を縛られ、目隠しをされた捕虜となった人を模した姿の3人や戦争で片足を失い、日本でリハビリを行っている兵士などが参加した。トランプのプーチンの言い分を認めてゼレンスキーを非難する「停戦」問題などの話は一切話されることなく、ロシア軍の非道なウクライナ人捕虜に対する処遇や子どもたちの拉致、ウクライナの原発や戦術核を使用するという脅しなどを厳しく批判し、即時に戦争をやめ、占領地からの撤退を求めた。

ロシアのウクライナ侵略は世界の脅威だ

 集会での発言を以下紹介する。

 Aさん いままさにロシアの捕虜になっている人々、不法に拉致されウクライナから強制移住さらせれた人々のことだ。
 ジュネーブ条約は医療・食料・安全が保障され、国連や赤十字が状況を監視できるようにするものだ。問題なのは独裁国家が国際条約を無視する点にあり、ジュネーブ条約は機能していない。
 ロシアが捕虜に対してどんな脅迫をしているのか、彼らが語る体験談は身の毛もよだつ。体中のあざ、傷跡、骨折などその外見は残酷な行為を物語っている。拷問や虐待を受け、食料や水、医療を断られ、外部との連絡を絶たれ、身体的にも精神的にも屈辱を与えられる。国連も赤十字も彼らに面会することもできない。
 2022年2月以降、捕虜から遺体として戻ってきたウクライナ人の数は184人にのぼる。これは国際人道法に対する重大な違反だ。
 ロシアの刑務所で起きた爆発で少なくとも50人のウクライナの捕虜が死亡した。それでもロシアは処罰を受けていない。ロシアの捕虜となることはイコール死だ。ロシアは殺し屋だ。ロシアによって殺されたすべての捕虜を悼み、黙とうを捧げましょう。
 私たちはブチャなどの惨状を目撃し、ダムの破壊を見た。民間施設、病院などの日常的な攻撃を目にした。
 バルト諸国、ポーランド、フィンランド、モルドバそして日本までも脅しの対象になっている。ジョージア、ハンガリー、ベラルーシ、スロバキアの傀儡政権で、カザフスタンの主権や民族アイデンティティまでも、嘲笑される状況です。北朝鮮やイランなどの独裁国家との同盟も進んでいる。
 では、次に侵攻される国はどこだろうか。ウクライナ人だけではなく、ロシアが支配する地域に住むトバ人、ブラート人、ヤクート人などジェノサイドが進行しており、彼らは肉ひきというような突撃に大量に投入されている。
 ヨーロッパだけがロシアの最終目的ではない。日本やアメリカもこれを理解する必要がある。みなさん来年の予定は何ですか。世界をどうやって救えばいいですか。

虐待を受ける捕虜たち

 Bさん 百年前からロシアはずっとウクライナ人を殺害している。その結果、外国に住んでいるウクライナ人の数は国外の数と同じになった。多くのウクライナ人は自分の家族を守るために、海外に逃げていく。
 自分の兄の家族がウクライナに残っている。キーウ州が占領されて、彼らは数週間地下で暮らしていた。キーウとウクライナ東部、南部から避難してきた人の手伝いもしてきた。姪っ子の旦那さんが残念ながら2年前に亡くなった。もう一人の姪っ子の旦那さんは行方不明になった。捕虜になったかもしれない。地球上でもっとも恐ろしい場所はロシアの収容所だ。
 生き残った人たちは精神的にも、肉体的にも完全に破壊されている。今まではウクライナとの捕虜の交換が49回行われた。その中で、ウクライナに戻ってきたのは2825人だけだ。そのうち、ウクライナの兵士は2681人。そして未だに、ロシアの捕虜となっているウクライナの兵士の数は8000人だ。
 その人たちのおかげで、われわれはまだ生きている。彼らはウクライナの土地を守っている。日本でリハビリを受けている二人の英雄の兵士がここにいる。
 必ず勝利するがそれは簡単ではない。そのため私たちウクライナ人と日本にいるウクライナ人と世界にいるウクライナ人とみんなと団結してがんばらなくてはならない。
 本日ここに様々な国の旗もあるが、リトアニアとか、クリミアの旗もあった。ここに集まった皆さんに大きな感謝を申し上げたい。ウクライナに栄光あれ、英雄に栄光あれ。

ロシアへの制裁の強化で戦争をやめさせよう

 Cさん ロシアの侵略戦争に何の正統性もない。ロシアは核の脅しとテロ行為をこれまで何度も行い、世界の安全を脅かしてきた。全面侵攻が始まって以来、プーチン大統領を含むロシアの高官は核の準備態勢を強調し、戦術核兵器の使用を繰り返し示唆してきた。
 ロシアはヨーロッパ最大のザポリージャ原発を占領し、放射能漏れなどの原発災害のリスクを常に生じさせ、脅迫の手段として利用してきた。国際社会は無法に原発を占領するロシア軍の即時撤退を求めるべきだ。
 また、今年2月14日夜には、ロシア軍によるチェルノブイリ原発発電所の4号炉に対する無人機の攻撃があった。爆撃の位置があと15mずれていたら、放射能漏れの可能性があった。IAEA国際原子力機関はこの攻撃を受け、深い懸念を示している。
 ロシアはこの侵略戦争で、北朝鮮からロシアに対する支援は武器や弾薬に留まらず、兵力の提供を受けるようになった。北朝鮮が戦闘員をロシアに提供する代わりに、ロシアがミサイル、核開発を支援している。これまで北朝鮮が開発に失敗してきたスパイ衛星の開発を支援し、100万バレル以上の石油を供給している。1万9千人以上の北朝鮮兵士がロシアに派遣され、すでにウクライナの戦争に参加している。ロシアと北朝鮮のこの軍事的協力関係はウクライナだけでなく、東アジアを含む世界への脅威だ。
 国際社会はロシアが行ってきた人道に対する犯罪に対して、外交及び経済的圧力と被害者に対する補償など決定的措置をしなければならない。ウクライナが自国民を守るためにも、ロシアの軍事力を弱体化させ、ロシアが侵略を継続する能力を制限するために、国際的な制裁措置を強化する必要がある。
 ロシアの戦争資金を絶ち、ロシアの同盟国への軍事物資供与をやめさせること、ICC国際刑事裁判所をはじめとする国際機関はロシアがウクライナで犯した戦争犯罪の調査に開戦以来尽力してきた。またブチャなどロシア軍が去った街からは武器を持っていない多くの遺体と拷問の痕跡が見つかっている。
 ロシア軍による住宅街、学校、病院などに対し、繰り返し行われている爆撃により、重要な市民インフラが破壊され、多くの民間人が犠牲になっている。非軍事施設を狙ったこれらの攻撃はジュネーブ条約に違反する戦争犯罪だ。ロシアによる最も深刻な戦争犯罪の一つが占領地域からのウクライナの子どもたちの強制移送だ。1万9千人以上の子どもたちが違法にロシアに連れ去られている。ICCからはプーチン大統領などに対する逮捕状が出ている。多くの子どもたちは自分がウクライナ人であるというアイデンティティを奪われ、教育や医療を受ける機会を失い、心理的にも身体的にも重大な被害を受けている。決してあってはならないことだ。子どもたちの帰還を必ず成し遂げなければならない。

ウクライナに平和を

 集会の最後に「ウクライナに平和を ロシアを止めよう プーチンをとめよう 戦争をとめよう ロシアはテロ国家 ウクライナを助けよう 世界を助けよう 世界に平和を」とシュプレヒコールを行い、ウクライナ国歌を歌い集会を終えた。ロシア軍の侵略戦争を直ちに中止させ、占領地からの撤退を。 (M) 

「ウクライナに平和を ロシアを止めよう」とアピール(2.24渋谷)

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