6.9関生大津2次コンプライアンス事件
不当判決(1審追認)を糾弾する
弾圧を許さず、上告して闘う
【大阪】大津2次コンプライアンス事件の控訴審判決公判が6月9日、大阪高裁で開かれ、大坪裁判長が不当判決を言い渡した。関生支部の産業別労働組合活動であるコンプライアンス活動やビラ配布が、強要未遂罪・威力業務妨害罪とされた事件の大津地裁判決(24年2月6日)では、ビラを配布した関生支部組合員と元組合員7人が無罪(確定)、他方、現場活動に従事した2人は、恐喝未遂・威力業務妨害で懲役2年6月と懲役1年6月(共に執行猶予6月)の有罪判決だった。この事件の大阪高裁判決は、控訴を棄却し1審判決を踏襲。
コンプライアンス活動を軽視する司法
被告2人は建設現場ごとに、A元組合員はフジタ事件の「恐喝未遂の共犯」、О組合員はフジタ事件・日建事件・東横イン事件の「恐喝未遂と威力業務妨害の共犯」とされた。判決は、「個別の活動が軽微であっても、一連の活動はアウト社から契約変更を目的としたもの」であったとし1審判決を追認した。
コンプライアンス活動は、工事の現場での法令違反を指摘し、法令遵守を求め、生コンの品質と価格を業界全体で適正に確保し、事故につながらないようにするため関生支部が重要な産業政策として位置づけているものである。
坪井裁判長についてはこんな事実がある。2003年に滋賀県内で起きた「湖東記念病院事件」。看護助手が患者の人工呼吸器のチューブを引き抜き殺害させた罪で、懲役12年が確定。出所後に再審が始まり、2020年に無罪が確定する。しかし当初、再審が認められなかった。2010年9月大津地裁での再審請求審で再審棄却を決めた裁判長が坪井裁判長だった。
弁護団は次々と抗議発言
判決の始まる前段で、当該支部と支援に集まった労働組合・市民で裁判所を包囲するデモが行われた。希望者が傍聴席数を超えたので抽選が行われ、当選者は法廷へ。公判終了後、若松浜公園で公判報告会が開かれた。
あれが威力業務妨害か
中井弁護士は、「不当判決だ。フジタは使用者ではないから、憲法28条は及ばないと。そんなことあるかい。一部正当なものも含まれていたとしても、ウソもあったと。証拠ビデオをちゃんと見たのか。あれが威力業務妨害だとなると、何もできなくなる。ビデオ見るのをめんどくさがった判決だ」と発言。
関生つぶしのための判決
太田弁護士は、「申し訳ないけど、結論見えていた。坪井祐子はメチャクチャワルで有名。大阪地裁の時からそうだ。控訴趣意書を出したのが昨年12月終わり。その後事実調整をして第1回公判を3月、第2回は6月と決めた。2回目は判決だなと思っていたら、案の定だった。第1回ではこちらの証拠申請全て却下。先行している大津1次事件は非常に丁寧に事前の進行の打合せをやって、証拠も学者の意見書も出して、ある程度の証拠調べもしてくれた。その上で私たちが証拠に基づいて意見をのべて、判決は今年11月ですよ。今日の裁判は、初めからあの判決を書くと決めていたとしか思えない。何も突っ込んだ判断をしていない。おそらくちゃんと読んでいないのだろう。軽微な行為でも一連の行為として見ると威力業務妨害だと言うが、その理由を説明していない。コンプライアンスでは、些細な行為だと言うが、他どんなに違法な行為をやっているか触れていない。些細な違法を見逃すと大きな事故につながる。目的がダメだから行為もダメ、その発想を変えなければいけない。それを変えるのは、昨年の国連の動き、その他無罪判決の動きといった社会の動きだ」と発言。
裁判官は労働組合法を無理解
湯川委員長が発言し、「不当判決の可能性が高いなと思っていた。コンプライアンス判決で、星山建設の民事裁判では、私たちのコンプライアンス活動は合法だという判断を得ている。労使関係があるなしにかかわらず、その場で民事裁判を起こして勝っている。民事で合法であるものがどうして刑事で違法なのか。このおかしなことがずっと行われている。要するにこのやり方は弾圧なのだ。そのために理屈を述べているのであって、裁判官が労働組合法も知らない。産業別労働組合がどういう活動をしているか全く無理解だ。それで判断されたのではたまったものではない」と述べ、上告して闘うことを明らかにした。 最後に、朝鮮総連大阪、反原発若狭の会、Xバンドレーダー基地反対京都連絡会から連帯のアピールがあった。 (T・T)

不当判決を糾弾する弁護団(6.9)
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