7・5とめよう!東海第二原発

村上達也さん(前東海村村長)が思いを語る

 【東京東部】7月5日、東京都足立区の「足立区シアター1010」で村上達也さん(茨城県東海村・前村長)の講演会があった。主催は「とめよう!東海第二原発 東京東部グループ」。村上さんは「東電福島第一原発事故前と現在の世界」と題して1時間余りの講演をし、参加者からの質疑応答を受けた。会場には定員を大きく超える70人ほどが集まった。

首都圏に近い老朽原発

 茨城県東海村の「東海第二原発」(日本原電)は1978年に運転を開始した。すでに47年も経過した老朽原発は2011年の東日本大震災以降、14年以上も停止したままだ。現在、再稼働のための津波対策として防潮堤建設が進んでいるが、この工事では土台となる鉄筋の変形や欠陥、手抜き打設が明らかになった。原電はこのことを7カ月もひた隠ししていた。
 また同原発には、発電・売電をしていないにもかかわらず、「維持資金」として電力5社から年間1千億円、2011~2014年で総額1兆数千億円が支払われている。これらすべて市民が支払った電力料金が原資である。原発から30キロ圏内の人口は90万人。同村には核関連施設が多数あり、内陸側には住宅密集地が広がっている。首都圏に最も近く、ひとたび事故が起これば甚大な被害となることは明らかだ。
 午後2時、司会の久保清隆さんによる講師の紹介の後、講演が始まった。村上さんは高齢を理由に会場まで足を運ぶことがかなり困難であると前置きし、用意したレジュメと共に現在の思いを語った。(要旨別掲)
 10分間の休憩をはさんで参加者と村上さんの間で質疑応答が行われた。参加者にはあらかじめメモ用紙を配布し、それを回収するかたちで質問を受けた。

原点を問う質問次々と

 「柏崎刈羽原発(東電)から300キロの施設に母が暮らしている。どうしたら原発をとめられるか」「原発と原爆は抑止力の対関係になっていないか」「水戸や土浦に住む友人に、どう反原発を語ればいいか」「六市村の合意は有効か」「原発を止めた後代替電力はどうするのか」「ゼネコン利権は大きいのか」など、原発の是非をめぐる基本的な質問が多かった。これに対し、村上さんは以下のように応答した。
 「新潟の県議も市議も原発について熱心に話している。関心を持っているようだ。原発と原爆は対の関係でも抑止力でもない。戦争になれば原発が狙われる」。
 「原発について話せば、まず相手の答えがなくて当然だ。原発のメリットとデメリットを説明したらどうか」「代替エネルギー問題とよく言うが、巨大なビルや建築物やそこで使う冷暖房が本当に必要か。エネルギーの無駄だ。もっと畑や森を作る。消費を野放しにしない発想が必要だ。億ションなどいらない」。 「原発メーカーの利権というより建設会社の利権がすごい。大手から中小まで縦の関係で群がっている。日立や東芝だけではない」。

東部地域の活動を共有

 会場との質疑応答の後、東部地域から参加した仲間が次々と発言した。
 「ひろばかつしか」の女性は、「行政に事故の際の避難計画策定を求めている。だがそれが簡単にはできないことじたいが、原発が不要だという証だ」。「足立三反の会」の男性は、会の軌跡とスタンディング活動の報告。「脱原発オール荒川アクション」の男性もまた地域での情宣の様子を紹介し、間近に迫った参院選に向け「原発と政治を結びつけて選挙を闘おう」と訴えた。
 「市民の声江東」の間庭尚之さん(立憲民主党・江東区議)は、自身の子供が東日本大震災の3日前に生まれ、飲み水の放射能汚染問題で大変苦労したエピソードを語った。
 「月1原発映画祭」で活動する台東区の女性は、8月2日に「谷中の家」で開かれる映画上映会への参加とクラウドファンディングについて呼びかけた。
 屋内の集会の後、参加者たちは北千住駅前でリレートークを行ない、道行く人に反原発を訴えた。  (佐藤隆)

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

村上達也元村長の講演から

 体力が落ちる中、たんぽぽ舎のみなさんにはいつもお世話になっている。まずお礼申し上げたい。
 東海第二原発を再稼働しようとする日本原電は、とんでもない会社だ。苦労しないで儲かる。日本初の原発を造った。過酷なJOC事故後も東海村で新規増設をめざしてきた。今は会社も施設もボロボロだ。夜郎自大になっている。
 安倍晋三の秘書官の今井尚哉が「原子力立国になる」と宣言した。私が村長の時、「これは国策だ」とさんざん言われた。「地方の一村長にとやかく言われない」と。先の大戦の日本軍の無謀な思想が残っている。地震のないアメリカでは原発は100基以下だ。
 今年9月の東海村村長選挙で現職の山田修村長が出馬、4期目を目指している。対抗馬がいない。再稼働を目指す山田を変えなければならない。東海村村会議員の18人のうち、原子力企業関係者は4人、自民党系8人。原発推進派14人で反対派は4人だ。村長も県議も原発べったり。村役場職員も私に会うのを避けている。私の長女(村上志保さん)は 2024年1月の東海村議会議員選挙に立候補し当選した。
 原子力界はヒエラルキーで発展してきた。初代規制委員長の田中俊一氏は東北大出身だ。私は東海村のJ─PARC(大強度陽子加速器施設)には反対していない。中性子の研究は最先端の科学で反対はしない。J─PARCは金にならない。だから私は追い出された。日本原電はゾンビだ。死に体の会社が復活(再稼働)しようとしている。絶対許さない。水戸市長は原発推進だが避難計画が立てられない。この計画を阻止することがポイントだ。

村上達也さん(茨城県東海村・前村長)

週刊かけはし

購読料
《開封》1部:3ヶ月5,064円、6ヶ月 10,128円 ※3部以上は送料当社負担
《密封》1部:3ヶ月6,088円
《手渡》1部:1ヶ月 1,520円、3ヶ月 4,560円
《購読料・新時代社直送》
振替口座 00860-4-156009  新時代社