宝くじと銭洗い弁天
コラム「架橋」
昨年の12月23日午後6時頃のこと。何十年にもわたって、狭山事件の石川さんの再審を求める宣伝行動をJR亀戸駅前で行っている。その駅の隣に宝くじ売場がある。3億円が当たるドリームジャンボの売り出し日、長蛇の列が作られている。買うのに30分以上もかかりそうなのに、後から後から人の列が続く。もしかしたらと夢を追う。
人形町に小網神社という小さいが由緒ある神社がある。強運厄除けの神様として知られている。銭洗い弁天様もあり、ここで銭を洗っていく人も多い。財産や金運にもご利益があるとされている。東京のパワースポット「小網神社」となっている
正月をはさんで、お参りの人が普通の日、日中から数百メートルの長蛇の列を作る。宝くじの話といい、神社へのお参りといい、現代の世相を反映していることに間違いはない。神頼りをしたくなる庶民の気持ちはよく分かる。そして、年が明けて狭山23デーで亀戸駅に行くと、なんと5000万円の当選者が出たと大きな張り紙がしてあった。こんな小さな売店でも高額の当たりくじが出ると知ってびっくりだ。それでも普段は人がほとんどいないのだが。
こうした神頼みや一発当ててみるようなことではないが、ダブルワークが当たり前のように行われていることを最近知って驚いている。朝5時頃の始発電車にのり、午前6時過ぎから仕事が始まる清掃現場。そこで4時間働き、昼に自分の仕事をして、また夕方別の清掃の仕事へ。別の人は正規職で3時半まで働き、別の現場にいく。そんな人がなぜそうしているのかは知らない。当然何らかの事情で、カネが必要になっているのだろう。本業では食えない、正社員でもその給料ではやっていけない。
いまや非正規職が働く労働者の4割だという。定年制はいまや65歳からもっと引き上げられ、70歳という声も。高齢者が働くのが当たり前の社会になっている。ゆとりのある生活なんてあるのか。人間らしい生活とは? 「働いて、働いて、働く」という高市首相の言葉はどう労働者に響いているのか? かく言う私もダブルワークのような働き方をしている。 (滝)

