中東の戦火を台湾有事に重ねて
コラム「架橋」
アメリカとイスラエルのイランへの空爆とミサイル攻撃、イランのイスラエルや湾岸諸国の米軍基地や石油基地への反撃、瓦礫となった建造物、燃え上がる石油関連施設や港湾施設、逃げ惑う住民。
その凄まじい様子をテレビニュースで見ながら、私は南西諸島に住む人々がどんな気持ちでこの映像を見ているのだろうかと思った。そして同時に、高市首相はどう感じているのか、とも思った。
ミサイルも空爆も、予告なしに突然、空から降ってくる。基地のみならず、学校にも病院にもお構いなしに降ってくる。そして、兵士だろうが民間人だろうが、大人だろうが子供だろうが、無差別に殺していく。
そうした攻撃の前には国連憲章も国際法も無力なのは、今回の戦闘だけではなく、ウクライナやガザの惨状を見ればあまりにも明らかである。
政府は2025年3月、与那国島、石垣島、宮古島の住民と観光客=約12万人を6日間で九州と山口県に避難させると発表した。その計画が絵に描いた餅に過ぎないことを、今回の戦闘は明らかにした。敵の攻撃は住民が避難するまで悠長に6日間も待ってくれるはずがない。
しかし、政府は住民は守れなくても、自衛隊のことは守るつもりのようである。防衛省は自衛隊の司令部と重要施設を守るために、海上自衛隊舞鶴地方総監部等、全国の自衛隊の13施設の地下化を計画している。
反撃能力を持てば持つほど、仮想敵もまた防御力と反撃能力を強化する。これは歴史の現実である。
防衛省は、3月31日に熊本県の陸自健軍基地と静岡県の陸自富士駐屯地に反撃能力を持つ長射程ミサイルを配備すると発表した。
私は高市首相と防衛省の幹部に古の人の言葉を送りたい。
「生兵法は怪我のもと」
(O)

