スマホよもやま話

コラム「架橋」

 長く愛用した1台目のスマホを、ついに買い替えた。写真もきれいに撮れ、動作が遅くなった他は特に不満がなかった。6年前の購入時は「落としても壊れない」と国産の頑丈さがウリ。当時では先駆的な唯一無二の性能だった。
 大型連休前の大手量販店。「本体代金税込み一括11円」。「スマホ代を少しでも安くと考えるなら、乗り換えが一番いい」。どの店員も口を揃えていた。「一括11円」の2機種の在庫を聞くと、第一候補は売り切れ、仕方なく第二候補を購入した。
 愛用した1台目はだいぶ前に製造中止で修理不能。私はキャリア会社の連絡を軽視しつつ、オプションの「安心パック」に加入し続けていた。これは、修理できないなら意味のない「不安」で無駄な出費である。地元の専門店に乗り込んだが、スタッフにのらりくらりと逃げられ、怒りと不信が残った。さらに「7月から料金値上げ」と一方的なメールが届いた。
 店頭での手続きで「すべて終わり」と思いきや、前述の「安心パック」は、乗り換えと同時には解約できないことを、連休から2週間後に届いた「契約継続確認ハガキ」によって初めて知った。専用サイトから解約しようと挑戦したが、すべてエラーになった。専門店に出向くと「カスハラ対策」で店内では録画録音中。募る不満をなんとか抑え、やっと完全解約にこぎつけた。
 職場の同僚たちは息抜きに、仕事で使うPCを使わず、私物のスマホを睨む。机の上に「紙」はなく、データはすべてサーバーかクラウド上にある。まず印刷しないと気がすまない私は、身の回りが冊子だらけである。「若い衆はよくもまあ、書類を見ずに仕事ができるなぁ」と感心してしまう。
 この国でパソコンが普及し始めたのが1980年代とすれば、今の30~40歳代は生活にパソコンがあって当たり前。それ以前の時代を知らない。私のようなパートタイマーとは、はなからスキルが違うのだ。
 「本体11円」でも通信各社は儲かるようになっている。突然画面に現れる意味不明のアプリ、頻繁に促されるパスワードや本人認証の類。「紙世代」シニアは慣れるまでに一苦労、どっと疲れてしまうのだ。    (隆)