政策論争なき高市自民党政権の圧勝
コラム「架橋」
大雪が日本列島を覆う真冬の2月8日、日曜日。「高市早苗を選ぶのか。野田、斉藤の中道革新連合を選ぶのか」と、高市首相自らが国民を煽った第51回衆議院選挙が行われた。戦後最短と言われる16日間の選挙戦は、各陣営ともにSNSを駆使し、アイドルさながらの人気投票の様を呈した。国のあり方を問うというスローガンのもと、高市首相が口にした「国論を二分する政策」が選挙戦で論じられたかというわけではない。
投票行動の要となるNHKの党首討論においては、当日になって突然支持者との握手で手を痛め療養と称して前代未聞の逃亡劇を演じ、延べ1万5000キロに及ぶ遊説に出かけた。これはテレビ討論の中で他党首から統一教会問題や消費税減税、防衛力強化などを問われても確信を持って論じられないと悟っていたからに他ならない。
報道によれば、逃亡劇はその2日前に、木原官房長官らによって画策されていたことも明らかとなった。
まさに「大義なき解散」とはこのことである。しかも、選挙期間中にも関わらず、アメリカ大統領トランプから送られた賛意は、「力による平和」を標榜する高市首相への期待の現れである。彼らの言う「早苗の大胆かつ懸命な選挙実施の大きな成果を収めた」とうそぶいたが、この祝意は日本の民主勢力を選挙によって一掃し、日本をアジアの砦、属国とする思惑が顕著に透けて見える。
さて「国論を二部する政策」とは、自民党や右派勢力が唱える憲法改悪に他ならない。世論調査によれば、選挙戦の後半になると有権者の関心は高市フィーバーではなく、憲法改正、防衛力強化に向けられてきたという。
自民党単独316議席と右派勢力の数をあわせれば、憲法改正の発議はまったなしの状況だ。しかし、投票率は、前回比2・41ポイント増というが、全体では56・26%に過ぎない。これが民意だとすれば、これからが正念場だ。高市のすべての政策にNOを叩きつけよう。 (雨)

