「猿と柿」
コラム「架橋」
猿との争いは柿とりんごであった。小さい時からライバルであるが、干し柿を争った記憶はない。りんごは私の家の実は、ビー玉大くらいであったが、隣のりんごはこぶし程あったので、りんごのライバルはそっちであった。
りんごを争っていた友だちは、猿が真っ赤なりんごを見つけ、そっちの方にライバル関係を変えたので救われたと言っていたのを思い出した。一旦猿とライバル関係になると毎日朝から日暮れまでライバルになるので、口で言い表せないほど厳しい。
同じライバルでも、栗拾いの関係はこっちが勝つことがなく、彼は必死に24時間拾い続けるので、ライバルは瞬間で終わってしまう。
ライバル関係は木の実をめぐる秋と思いがちだが、夏から始まる。猿は洗たくをした白い服が好きで、夏の白い服は干しておくと奪い合いになる。私が二度ほど負けて、上半身裸で過ごした記憶がある。私は猿が白い服がなぜ好きか知らない。それも洗たくした白いやつばかりだ。
猿は白いノートが好き。それは人間がノートを大事にするからだ。これも目を付けられるとあきらめるしかない。彼らは古いやつは用がなく、新しい白いやつだけに目をつける。人間が持っているものを欲しがるといった方がいいのかもしれない。
猿はりんごがうまいと思うと誰かれかまわず、相手のりんごを取る。そしてまずいと捨てる。
柿を盗んで渋柿であったら、二度と柿を盗まない。きっと私が持っていた柿は渋かったのだろう。
この猿は、私の所より向かいのパン屋で悪さをしました。パンを盗み、それだけではすまないのです。必ず盗んだパンにイチゴのジャムかチョコレートを塗って持っていくのです。猿が来るたびに向かいのパン屋は、パンやジャム・チョコを隠す闘いをしていた。最後にはパン屋の若者に棒で殴られた。(武)

