酷暑と働きかた

コラム「架橋」

 清掃現場で働く仲間の話。毎朝の同僚との会話は「今日、何℃まで気温が上がる? 予報だと35℃を超えると出ているよ」、というものだ。朝6時、クーラーの効いていないビルの中は30℃。そこで仕事を始めると汗が滝のように噴き出してくる。顔の汗を拭いても拭いても、流れ出てくる。下着は汗でびっしょりと濡れてしまう。汗が体にまとわりつくので気持ちが悪い。
 何しろ、水分補給が熱中症にかからない重要対策だ。水分補給とともに、塩分補給もしなければならない。塩飴をなめる。
 同僚から単なる塩飴でなく、塩黒糖をもらった。沖縄で作られた黒糖に塩が入ったもので、こくがあり、栄養も取れそうで、単なる塩飴より美味しいのだ。どこでも売っているものではないらしく、ネットで検索し、注文してみた。
 暑さの限界をインターネットで調べると「人間の生存における暑さの限界は、科学的に湿球温度35℃(または気温40℃以上の猛暑)とされている。これを超えると汗が蒸発せず、体温調節ができなくなって命の危険に直面します」と出てきた。毎日のように40℃を超える酷暑日が続き、注意報が出されている。
 高市総理が「働いて、働いて、働いてまいります」と過労死を促進するような答弁をして、それが良いことのように、持てはやす。高市総理の言うように、この高温下で働いたら、確実に熱中症になってしまうだろう。何十年にも渡り、長時間労働や重労働を規制し、過労死をなくそうと闘ってきた人々の声をつぶす総理の発言もめずらしいものだ。こんなこと許せる話ではない。
 清掃現場ではダブルワークが当たり前のように行われているようだ。様々な理由があるだろうが、一つの職場の稼ぎだけではやっていけないからだ。私が1970年代に民間の工場で働いていた時、320人ぐらいの全従業員の9割以上が正規職であり、非正規は退職者や事務職のパートだけであった。ダブルワークなんて考えられなかった。今では非正規の割合が5割に近づいているとか。外国人労働者への規制も強化され、労働条件が改悪されている。暑い時は休むしかない。 (滝)