「紙おむつ」
コラム「架橋」
パーキンソン病の叔母は、私が介護に入ってから2年3カ月間「紙おむつ」を使ってきた。「大人用紙おむつ」と小さく書いているメーカーもあるが、それを手にしてみると紙でできているわけでもないし、パンツタイプなので「おむつカバー」もいらない。まさに「うす型軽快パンツ」なのである。
しかもそれを区が「要介護者」に対して2袋(定価5~6000円)月々500円で提供してくれるのだからありがたい。しかし、それをまさか私が、2日前から使用することになるとは想像もしていなかった。
3日前の早朝5時、大便のためにトイレに入ったが、介護ストレスによる「自律神経失調症」と夏バテなどの影響で、きちんと食事が取れているのは朝食だけで、昼抜きで夜は酒中心で下痢が続いていた。トイレから出て、玄関外の通路で一服していると、自分の意志とは無関係に、肛門から液体状のものがツーと流れ出て来るのである。それもかなりの量のようだ。ズボンの上から手を当ててみると、それは便ではなく血であった。
「これはまずい」と風呂場に向かったが、廊下にはポタリポタリと血がしたたり落ちる。浴槽に入ってシャワーでパンツとズボンに付いた血を洗い流すのだが、血だらけである。肛門からはポタポタ、ツーと出血が続いている。
完全に出血が止まるまで30分くらいかかったのだろうか。新しいパンツとズボンに履き替えて、その日は出血することはなかった。しかし安心したのもつかの間、その翌朝も同様のことを繰り返してしまったのであった。
それでまだぐっすりと寝入っている叔母のベッド脇に置いてある、「紙おむつ」を拝借することにしたのである。履き心地は抜群で、何と言っても「安心感」がある。そして大好きな日本酒はしばらく控えることとして、缶チューハイだけとすることにした。
私は痔の出血でこれまで二度ほど通院していたが、医者からは「1カ月の禁酒」が宣告されてきた。しかし今は、禁酒する心のゆとりもない。缶酎ハイだけでしのげるのかまったく自信はない。また大量出血するようであれば、禁酒するしかないのであろう。 (星)

