投書「アレン・ネルソン 9条を抱きしめて~元米海兵隊員が語る戦争の真実~」
9・29 川崎・多摩市民館で上映会
米兵の凶悪犯罪はなぜ繰り返されるのか
SM
上映会の概要、新聞・電子書籍・インターネット
9月29日、川崎の多摩市民館 大会議室で「アレン・ネルソン 9条を抱きしめて~元米海兵隊員が語る戦争の真実~」の上映会が開かれた。監督の阿部裕一さんによるトークと質疑応答もあった。主催は「地域から平和を考える会」だ。129人が参加した。私は9月26日の『神奈川新聞』の記事で上映会を知った。鑑賞後、関連するマンガ「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」に興味を持ち、紙版が高額であることを知り、電子書籍を購入した。さらにインターネットで「NNNドキュメント 9条を抱きしめて」も視聴した。
「キル!」「キル!!」「キル!!!」 ― そうだ叫べ・吠えろ
ベトナム戦争では米軍5万8千人、南北ベトナム人民は200万人が死亡した。映画では、海兵隊の訓練で「お前たちの仕事はなんだ」「殺しだ!」と叫ばされる場面が描かれる。戦闘が始まれば兵士は感情を失い、動くものを区別なく撃ち殺す。東洋人を蔑視する「グークス」という呼称が使われる。ベトナム人は人間として扱われなかった。ネルソンさんは、殺される直前のベトコン兵士の「なぜあなたたちは私たちの国にいて私たちを殺すのですか」という言葉に衝撃を受ける。さらに壕で女性の出産に立ち会い、「ベトナム人もアメリカ人も同じ人間だ」と気づく。殺したベトナム人の財布の家族写真を見て涙を流したという。
ネルソンさんの人生と、監督の危機感
ネルソンさんは1947年にブルックリンで生まれ、18歳で海兵隊に入隊し、翌年ベトナム戦争に従軍する。ホームレスを経験し、大学卒業後に結婚する。PTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しむ。1995年の米軍少女暴行事件を機に沖縄へ赴き、米軍基地の現実を知り、9条に出会う。全国で千回を超える講演をおこなう。2009年に多発性骨髄腫(血液のがん)で死去する。ベトナム戦争で浴びた枯葉剤が原因とみられる。61歳だった。遺骨は石川県加賀市のお寺・光闡坊(こうせんぼう)に納骨された。
監督は「彼が12年間活動出来たのは多くのボランティアの支えがあったから」「日本が戦争へ向かう危機感から映画をつくった」と語った。沖縄の高校で上映した際、千人中七百人のほとんどが「戦争を知らせる教育が必要」と感想を書いたという。「平和学習は大切だ」。
質疑では「沖縄で米兵犯罪がなぜ頻発するのか」「イスラエルはなぜ民間人を大量虐殺出来るのか」との問いも出た。監督は「アメリカにとって沖縄は植民地と同じだ。沖縄の人も米兵にとっては『グークス』なんだ」と述べた。参加者からは「夫の父は戦争PTSDだが、日本には戦争PTSDがないことにされ、補償も何もない。これでいいのか」との声もあった。
世界平和は1人1人の手にかかっている
ネルソンさんは「9条を読んだ時、キング牧師の演説『私には夢がある』を知った時のような衝撃を受けた」「日本は9条のおかげで直接的には戦争に関わっていない」「9条は悲しみを通して生まれた」と語る。「日本の子どもたちは戦争を知らない。9条があるからだ。政治家が9条を消そうとしているが、断じて許してはならない。9条は日本だけでなく世界の人びとのために必要だ」。
「さとうきび畑」などで知られる歌手の森山良子(りょうこ)さんは「敵味方ではなく、一人一人の命が無残に奪われることに常に悲しみと怒りを感じている」とメッセージを寄せている。
(2026年10月5日)

20260929・「アレン・ネルソン 9条を抱きしめて~元米海兵隊員が語る戦争の真実~」上映会
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