4.24袴田事件再審第14回公判
「有罪立証」取り下げろ
検察のストーリーは成り立たない
第14回公判は、4月17日の第13回公判に引き続き「5点の衣類」に付着した血痕と袴田さんのDNA型は「一致しない」と結論した弁護側鑑定を巡って審理した。
有罪立証を
取り下げろ
検察側は弁護側鑑定の「信頼性に疑問がある」として10年前に再審決定をした静岡地裁判決に対する東京高裁での控訴審において弁護・検察双方の鑑定人が「袴田さんの血液ではない」とし袴田さんと被害者のDNAも検出されなかったことを不問にしながら弁護側鑑定に対する鑑定手法への意見書や捜査報告書をもとに陳述を行った。その後、弁護団による反証が行われこの日の審理を終えた。双方の立証は実質的に終わり5月22日の第15回公判で検察による論告求刑、弁護側の最終弁論が行われる。公判終了後の記者会見が地裁構内の弁護士会館で行われた。弁護団の田中薫弁護士は会見の中でマスコミに対してあなたたちはどう思っているのかと問いかける一方、検察は「袴田さんがどこから侵入して何時に犯行が始まり、どうやって金を奪ったのか。何一つ立証できていない」と検察側を厳しく批判した。
死刑の論告求刑をするな!有罪立証を取り下げろ!
姉ひで子さん
の意見陳述
最終公判では姉のひで子さんが巌さんに代わって意見陳述を行う。会見の中で、ひで子さんは「58年闘ってきた。検察が何と言おうと巌は無実です。巌は今、何も言わない。昔書いた陳述書などから抜粋して、巌の気持ちを率直に申し上げたい。裁判官にも検察官にも、皆さんにも聞いてほしい」と述べた。第一次再審時に巌さんが書いた陳述書が記された本が証拠として採用された。
検察は、論告求刑に先立ち、被害者遺族の意見陳述を行うという。当人は出廷することなく提出された書面を検察官が読み上げる。裁判官の心証を得ようと、事件当時生まれてもいない遺族(これって遺族と言うの?)を引っ張り出して、事件立証もできなかった「検察のストーリー」に沿った陳述をするのだろう。弁護団は陳述に反対する意見書を裁判所に提出するとしている。(S)
傍聴人に対する過剰警備をやめろ
4月24日、裁判所は傍聴人の上着の背中部分のFREE HAKAMADAとプリントされた文字のHAKAMADAを緑色の梱包用テープで覆うよう強制した。
拒否すれば傍聴券を剥奪、弁護人の背広の襟についていた袴田支援バッジも外すよう求めた。
昨年10月27日からの再審第1回公判からずっと一般傍聴者の荷物(カバン、携帯電話等)の持ち込み禁止、入廷前の金属探知機を使用した身体検査、筆記具やノートの中まで検閲する過剰な警備、強権的な訴訟指揮が続いてきた。 (S)

梱包用テープで隠すよう強要されたHAKAМADAの文字(4.24)
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