「日の丸・君が代」の強制をはね返す! 3・7神奈川集会とデモ

 【神奈川】3月7日、「日の丸・君が代」強制と法制化に反対する会と日本基督教団神奈川教区社会委員会ヤスクニ・天皇制問題小委員会の共催で「日の丸・君が代」反対集会を横浜市南区で行い、デモは伊勢佐木町モールを歩いた。
 右翼の妨害があったが、「天皇制は差別の元凶」、「『日の丸・君が代』を強制するな」、「(旧皇族男子との)養子縁組(案)やめろ」などと元気にコールした。

女性、自然、被植民地の民衆への搾取


 集会では、大学教員の本山央子(ひさこ)さんが、強さへの執着と「守られたい」欲望 わたしたちが生きる現実としての帝国主義、というテーマで話をした。
 集会参加者は高市自民党の衆院選圧勝に続き、トランプ・ネタニヤフが仕かけたイラン侵略という現実にどう対するかという意識を持って集まったはずだ。この資本主義下、様々な暴力、搾取が横行する社会を、本山さんは多彩な切り口で縦横に提起した。メディアで報じられる天然資源争奪戦以外の「資源」、すなわち女性が担ってきた家事労働、水、大気のような天然資源、植民地とされた地域で切り下げられた労働によって、私たちが生きる社会がどう維持されているかという問題である。
 言い換えれば、マルクスが言う労働力の搾取以外に、その外部とされた分野(女性、自然、被植民地の民衆)への搾取が、市場での対等な交換という装いのもとで深く進行しているという指摘でもある。この構造が、しばしば暴力によって下支えされている例は、国家の軍隊進駐、多国籍企業の収奪と同時に、家庭内暴力の常態化についても見られるという本山さんの説明にはうなずくほかない。
 こうして「外」とされたものを市場へと包摂する一方で、放逐をおこない、枯渇するまで依存する、という関係についての本山さんの説明は非常にわかりやすい。

ナンシー・フレイザーの問いから

 出産、育児といった(労働力)再生産労働の対価を度外視する感覚、移住労働者が家族での永住を拒否される趨勢、非正規労働者、社会保障受給者の困窮ということを結びつけて考えることを迫られるのであった。
 コストにくみこまれるもの、くみこまれないものの差異、再生産していい、しなくていい、という決定を誰がおこなうのか、という問題など、高市的、トランプ的なものを考えるためにも、本山さんが紹介したナンシー・フレイザーなどフェミニズム側の提起を掘り下げる必要を強く感じている。
 本山さんは暴力の問題について憲法9条がうたう平和外交だけでなく、日本は軍事を基本にしてきたという認識を持つべきだとし、帝国主義への道に流れていこうとする人、右派的潮流へ向かう人の中に「外」とされた存在にされたくないという恐怖心などが働いているのではないかと指摘した。右派勢力とされる人たち個々とどう向き合うかという面で、この点も引き続き考えていかねばならない。
 質疑では中国についての考え方、少子化政策、ベーシックインカムなどについて意見が交わされた。
 いくつかの団体からアピールをうけた。
 反五輪の会の吉田さんは、2月におこなわれたミラノ・コルティナ五輪の「惨状」を訴えた。アメリカ政府によるICE(移民・税関捜査局)派遣を受け入れるなどする五輪開催への抗議デモにミラノで1万人以上の人が集まり、イタリアのメローニ首相は「五輪反対はイタリアの敵」などと発言している。
 吉田さんは東京五輪開催の問題と重ねながら、選手村用地の大会後の不動産開発にみられる公共資産の民間への売り渡し、ボブスレーなど会場建設での森林伐採など環境破壊、警備員凍死など労働者の犠牲、野宿者の強制排除、などを挙げた。2028年開催予定地のロサンゼルスを含め、すべての五輪は平和の祭典ではなく、国家の装置にすぎないと訴えた。
 立川自衛隊監視テント村の井上森さんは国旗損壊罪への考え方、軍事情勢への想定について提起した。

市民監視をいかにはね返すか


 すべての軍隊に「NO!」を・ファイト神奈川の木元さんは、3月に長距離射程ミサイルが搬入、設置されようとしている熊本・健軍駐屯地、静岡・富士駐屯地での抗議行動の様子を紹介しながら、戦端が開かれてしまう危険性、ミサイル維持費、開発費の高額化に言及し、対話が大事だと強調した。
 毎年、大軍拡と基地強化にNO!アクションが発行する冊子である「2026年度9兆円超の増税大軍拡予算案を批判する!」にも木元さんは文章を載せている。スタンド・オフ・ミサイルー調達から運用、の中で紹介された文章には、「防衛」という建前からの大幅な逸脱を知らせるミサイル配備推進の事実が並び、慄然とする。
 元教員である外山さんは、高市政権が制定をもくろむ国旗損壊罪について発言した。これまでの国旗・国歌法のように敬意を持つことをうながす法律と違い、刑罰で脅すという点が最大の違いだと警鐘を鳴らした。
 国旗・国歌法制定時でさえ、学校は大騒ぎだったのだから、これ以上の萎縮をもたらす法律は許されないと強調した。
 台湾・沖縄とともに~黒潮ネットの呼びかけ人である稲垣さんは、「存立危機事態」発言以降、反戦運動の中でも台湾の住民に対する認識が進まない中、住民の自己決定権を考えるきっかけとして漫画「隙間」読書会開催することなどを提案した。「隙間」は台湾から沖縄にやってきた留学生を通して、民主化に向かいつつ矛盾にさらされる台湾社会などを描く全4巻である。
 IT化の浸透、技術「革新」に伴い、搾取と監視が量的にも質的にも強まる傾向のなかで、「日の丸・君が代」を含む抑圧によって人権が損なわることを減らすためにも、街頭での行動を増やしていきたい。       (海田)

週刊かけはし

購読料
《開封》1部:3ヶ月5,064円、6ヶ月 10,128円 ※3部以上は送料当社負担
《密封》1部:3ヶ月6,088円
《手渡》1部:1ヶ月 1,520円、3ヶ月 4,560円
《購読料・新時代社直送》
振替口座 00860-4-156009  新時代社