5・22狭山事件の再審を求める市民集会

東京高裁は再審開始を! 石川一雄さんの雪冤を! えん罪救済のための再審法改正を!

 【東京】5月22日午後1時から、東京・日本教育会館一ツ橋ホールで「えん罪事件・狭山事件63年!東京高裁は再審開始を!石川一雄さんの雪冤を!えん罪救済のための再審法改正を!」狭山事件の再審を求める市民集会が同実行委の主催で開かれた。802人の定数が一杯で立ち見が出る程の人たちが全国から集まって開催された。この集会は再審請求人だった石川一雄さんが昨年3月11日に突然病気で亡くなったので、代わりに第四次再審請求を起こした、妻の早智子さんが参加するものとなった。
 集会の前段で、ジンタらムータによる世界の解放歌が披露され、集会を盛り上げた。西島藤彦さん(部落解放同盟中央本部委員長)が開会のあいさつで狭山再審請求がどのようになっているのかを明らかにした。

証人尋問の実現を求める

 第四次再審請求を担当する東京高裁第四刑事部の裁判長が、3月18日に代わった。家令和典裁判長は定年退職し、前田巌裁判官が新しい裁判長として就任した。4月1日には、もう一人の裁判官が代わった。
 そして検察官は3月31日に、筆跡、脅迫状をはじめ血液型、足跡、スコップ、目撃証言、鞄、万年筆、自白など今日まで弁護団が専門家をあげて積み上げてきた証拠に対する反論を出してきた。
 その締めくくりとして、証人尋問の必要性はなく、速やかに再審請求を棄却すべきと、とんでもない暴挙に出てきた。この反論に対して、しっかり反論の作業をしている。引き続いて、われわれとしては東京高裁第四刑事部に対して、再審開始に向けて 証人尋問の実施を強く求めていくことを確認した。
 5月19日には、第四次の再審請求の第四回目の三者協議が開かれた。次回は7月中旬に開かれる予定。7月の三者協議においては一連の反論に対して、弁護団からプレゼンテーションが行われることが決まった。
 私たちは引き続いて、石川早智子さんによる第四次の再審を全力で支援し、石川一雄さんに対する再審無罪判決を勝ちとらなければならない。各地で集会や街頭宣伝などを通しながら、大きな世論をつくりあげていこう。新百万人署名運動を早期に実現をしながら、裁判所・検察庁にせまっていかなければならない。

再審法改正の取り組み

 再審法の改正について。被害者のための再審法改正を早期に実現する議員連盟からもこの政府案に対する批判が続出している。最終的には検察官による抗告を原則禁止を本則に入れることで修正されたものの、今日の閣議決定を受けて、内閣提出法案として国会に提出された。
 しかし、この法案は例外的に抗告する余地を残した。証拠開示には限定的なことや再審請求も門前払いにする議題調査規定、開示証拠の目的外使用の禁止などえん罪救済の妨げになる問題がこの政府案の中では多く示されているところだ。
 そして2026年1月衆議院解散で廃案になった超党派議連による法案が野党三党(中道、共産、みらい)によって、衆院に再提出された。国会審議で政府案の問題点が徹底的に議論され、修正され、議連法案の内容を踏まえた再審法改正が実現するよう、強く求めていく。
 第四次裁判闘争においても、再審法改正は不可欠な課題だ。石川早智子さんもこの間、えん罪被害者のための再審法改正を訴えてきた。日弁連やえん罪被害者団体と連携しながら、一日も早く狭山事件の再審開始を石川さんの無罪判決を実現するために、再審法を求める運動を盛り上げていかなければならない。

 次に参加した西岡義高・衆議院議員(国民民主党)、福島みずほ・参議院議員(社民党)、有田芳生・衆議院議員(中道・改革連合)、高木真理・参議院議員(立憲民主党)が連帯のあいさつを行った。

一雄の雪冤晴らしたい

 続いて、第四次再審請求人の石川早智子さんがアピールした。
 2025年3月7日に一雄は入院した。私は毎日、特別に面会を許してもらって、毎日一回だけ15分間許された。3月11日午後3時に、病院に行った。その夜、午後10時31分に一雄は急逝した。最後の言葉は「5・23狭山集会に行く」、だった。最後の最後まで、闘い続けたあの日から、一年と二カ月あまり、私の時間は止まったままだ。しかしこの一年あまり、支援者の皆さんに支えられ、彼の闘うという意志とともに、闘い続けなければと、心を奮い立たせてきた毎日だった。62年間、命を削り、闘い続け、いつも闘いの先頭にいた一雄のいない、今日は二回目の5・23の集会です。一雄の読んだ詩は段ボール箱二箱ある。(短歌の紹介)……。差別、えん罪をなくしたいと走り続けた彼の生涯でした。
 (……)一雄が願ったように笑顔で報告できるように何としても雪冤を晴らしたい。勝利するまで闘い続けます。今後とも皆さんのご支援・ご協力を心からお願いし、彼が最後に残した歌を紹介したい。「私がうぐいす、縦横無尽に飛んでいく、えん罪訴え、支援のお願い」。

 金聖雄映画監督の新作映画「うそがほんとに ほんとがうそに」の予告編が上映され、金さんが映画について説明した。竹下政行弁護士(狭山事件再審弁護団事務局長)が四次再審の現状について報告し、中山武敏弁護士もあいさつした。

鑑定人尋問、再審決定を

 片山明幸さん(部落解放同盟中央本部副委員長)が基調提案した。
 現状と見通し、第四次再審になり、4回の三者協議が持たれた。当時の裁判長家令和典さんはもしかしたら、自分の任期中に判決までは書けないけれども、裁判の見通しがつくような対応をして退職するのではないかというふうに思っていた。そこに大きな期待があったが、検察はそのことを十分知っているわけで、最大限の嫌がらせ、引き延ばし、妨害をして、意見書提出を年度一杯の3月31日までに出してきた。そのため家令さんは何も判断ができないまま、定年退官になってしまった。
 新しい裁判長前田巌さんに代わった。どういう裁判長か分からないが、7月に弁護団のプレゼンテーションをやることを裁判長は決めた。この裁判の争点を弁護団が石川一雄が無実だというのはこういう証拠に基づいてということを説明すること。検察側も必ず、それに対して、反撃してくるだろう。
 今後の展望について。四次になり、裁判長が代わり、3年も4年もかかると心配する人がいるが、その心配はいらない。三次で弁護団ががんばって新証拠を積み上げてきた。中でも11人の鑑定尋問、万年筆のインクの成分と脅迫状の筆跡というように的を絞って、鑑定人尋問をやれというように、請求している。三次で提出したものは新品でそのまま生きている。
 新百万人署名、集会、映画の上映会、ひとり芝居とか様々な方法がある。裁判は大詰めを迎えている。緊張した関係である。ここでがんばれば新しい裁判長が鑑定人尋問をやり、再審開始を決めることは十分にあるということをその確信をもって取り組んでもらいたい。

 続いて、えん罪被害者が連帯のアピールを行った。菅家利和さん(足利事件えん罪被害者)、青木惠子さん(東住吉事件えん罪被害者)と今市事件で裁判のやり直しを求めている勝又さんの母親、西山美香さん(湖東記念病院事件えん罪被害者)、阪原弘次さん(日野町事件えん罪被害者 故阪原弘さんの長男、再審請求人)。
 鴨志田祐美弁護士(日弁連再審法改正推進室長)が特別報告「再審法改正の現在地」を行った(2面に掲載)。鎌田慧さんが(狭山事件の再審を求める市民の会事務局長)のアピール、集会アピール、団結がんばろうをやり、神田児童公園までデモを行った。石川一雄さんにただちに再審・無罪を。       (M)

「東京高裁は石川一雄さんの再審開始を」とデモでアピール(5.22)


 

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