「代執行訴訟」手続き開始に抗議

10.5首相官邸前で緊急行動

「止めよう!辺野古埋立て」国会包囲実

 【東京】10月5日午後3時半から、辺野古埋立て「代執行訴訟」手続き開始に抗議する緊急官邸前行動が「止めよう!辺野古埋立て」国会包囲実の呼びかけで行われ、100人ほどが集まった。
 9月27日、行政法研究者有志一同が「9・4辺野古最高裁判決および国土交通大臣の代執行手続着手を憂慮する」声明を出した。研究者たちが衆院議員会館で、午後2時半から記者会見を行っていて、終了し次第合流するということで、それを待って集会が始められた。

県民の意思を踏みにじるな

 主催者を代表して「止めよう!辺野古埋立て」国会包囲実の木村辰彦さんが経緯と趣旨について話した(別掲載)。
 次に参加した大椿ゆうこ議員(社民党参議院)が発言した。
 「昨日、参議院会館で『カタルーニャにとっての自己決定権とは』というテーマでカタルーニャの経済学者を呼んで話を聞いた。カタルーニャがスペインからの独立を問う住民投票を行ってもなお、人々の民主主義が守られない社会の中で生きていく。沖縄の置かれている状況と非常によく似ている。山城博治さんも東京に来ていた。代執行をやるならやってみろ、私たちは反対の立場を示すと言っていた。県民投票を通じて反対の意思を示してもなお、国はとにかく基地建設を国家権力によって強行しようとしている。許せない」。
 「大阪では万博、カジノに向けて工事が進んでいる。カジノを作る夢洲は辺野古と同じように軟弱地盤だ。50m級の杭を打ち込んでカジノを作ろうとしているがこの工事さえまともに進んでいない。それ以上の90m級の杭を打ち込まないと出来ない基地なんかできるわけがない。非常に多くの税金がつぎ込まれている。アメリカのために使われている。これを認めることはできない。この状態を作っているのは沖縄以外に住んでいる人々の無関心だ。これを変え玉城知事を孤立させないために支えていく」。

今やるべきは最賃引き上げ


 次に東京全労協の大森議長が発言。
 「岸田首相はとんでないことをやる人だ。安保三文書の閣議決定。敵基地先制攻撃の変更、沖縄県民が辺野古新基地ノー、知事もノーと言って、あらゆる選挙で結果を出したにも関わらず、県民の声を聞こうとしない。南西諸島で自衛隊基地をどんどんと建設し、ミサイルを配備している。沖縄を戦場にして戦争を起こそうとしている」と指摘し、「労働運動で重要なのは最賃制だ。先進国で一番低く、隣の韓国よりも低い。米国は日本円にして1800円くらいだ。やっと日本は全国平均1002円になった。あらゆる国では地域格差はないのに日本だけはある。東京都は1113円。多くの労働組合は今すぐ1500円にしろと要求している。岸田首相は最賃の1500円の実現は2034~5年代だと述べた。あと10年後だ。今すぐ1500円にしろといっている。そうなっても生活は苦しい」と話し、これからも沖縄連帯闘争を取り組んでいく決意を述べた。

勝利するまで闘いぬく


 行政法研究者有志声明の呼びかけ人の一人である琉球大学教授の徳田博人さんがかけつけ発言した。
 「有志の会で記者会見してきた。9月4日最高裁判決、その後の代執行が如何におかしいかと13人で呼びかけ、一週間くらいで合計101人の賛同者になった。従来は研究者なのでこの賛同をする時に、普通行政の批判はするが、最高裁の批判に関しては判例評釈は形だけだった。これだけの賛同ができるかどうか不安だった。50人集まればいいと思ったが100人を超えた。行政法の研究者はどんなに多くても400人くらいだ。それからすると100人を超えたのはすごいことだ。国会で記者会見をして、記者の反応を見ると、日本には三権分立があるのか、なぜこういうことがまかり通るのか、すごく嘆いていた。今回の記者会見は非常に勉強になって、これを全国の人に伝えたいと思っていると言っていた。これを機会に研究者としてもみなさんといっしょにがんばっていきたい」。
 「どうしても皆さんの力が必要な時がある。辺野古の問題について、あきらめない、最高裁判決が非常におかしな点があると国民的運動へと展開できると変わってくるかなという発言も出てきた。これを如何に広げていくのか、いろんな形で運動を広めていきたい」。
 安保破棄中央実行委員会、埋立て連、川崎の仲間たち、沖縄反戦地主会・関東ブロックが発言した。
 辺野古実の中村さんが「ある研究者が、国交大臣という立場の人間が裁判官もやれば執行官もやる、めちゃくちゃな訴訟で訴えを認める司法はどうなっているのか。司法は三権分立というけれど、司法はその役割を果たしていない、と言っていた。日本政府、最高裁、国交大臣を含めて、毅然としてノーという声を昨日はっきりと表明した玉城デニー知事のゆるぎない決断を心の底から支持をして、支えよう」と最後のまとめを行い、首相官邸に向けて、シュプレヒコールを行った。辺野古埋立ての代執行を許さない。 (M)

国会包囲実の木村辰彦さんの発言から

「公益」をふみにじっているのは米軍と日本政府だ


 

 昨日、10月4日玉城デニー知事は大浦湾の軟弱地盤の改良工事に伴う沖縄防衛局からの設計変更申請を不承認にした。この知事の毅然とした勇気ある態度を私たちは心から歓迎したい。
 沖縄防衛局は大浦湾の軟弱地盤の改良工事を申請した。玉城知事は公有水面埋立法に基づき、厳正な審査を行い、この工事はとても出来ない工事で技術的に不可能だとこれを不承認とした。国土交通省は玉城知事の採決を取り消し、同時に国土交通省が玉城知事に対して、設計変更申請を承認しろと圧力をかけた。
 沖縄県は採決は違法だと裁判を行った。残念ながら最高裁は国土交通省の是正の指示は適法であるとし、玉城知事が不承認にした理由、軟弱地盤の問題については一切審査することなく、国土交通省の採決は適法だからこれに従わない玉城知事が違法だという判決を下した。
 そして、9月20日に玉城知事がニューヨークに行っている最中に国土交通省は玉城知事に対して、設計変更申請を承認しろとの勧告を行った。玉城知事は28日にそれを拒否した。29日により強制力の高い承認しろとの指示を行った。玉城知事も県議会与党の意見を聞き、多くの県民の激励を受け、行政法学者の記者会見の影響も受けて、毅然とこれを拒否した。

地方自治法に
違反する暴挙
 国土交通省は10月5日、地方自治法に基づく代執行訴訟を提訴した。地方自治法ではこれを起こすためには、三つの条件がある。一つは国は地方と何度も話し合っても解決ができない、国が万策尽き果てた時に最後の手段としての代執行訴訟。今回国は玉城知事が何度も話し合いを求めたにも関わらず、一切話し合いに応ずることなく、問答無用に設計変更の承認を求めた。明らかに地方自治法に反する暴挙だ。
 二つ目は地方自治法で代執行訴訟を提訴できるのは実際の判断が明らかに法律に違反している場合のみだ。玉城知事は沖縄だけが特別の理由をつけて、不承認にしたわけではない。公有埋立法の定める条件、本当に工事が安全にできるのか、沖縄のために合理的な工事なのか、それらを専門家の意見も聞いて厳正な判断を行った結果、軟弱地盤の工事は認めることはできないと科学的な知見に基づいて不承認とした。ですからまったく法律違反などない。きちんと公有埋立法に乗っ取って判断した。
 三つ目は行使することによって、公益を著しく害する場合に代執行ができるとなっている。ここで言う公益とは玉城知事が行った公益は軟弱地盤の改良工事では大浦湾の美しい海が壊される、そして技術的に工事ができない。大浦湾の海を守るために知事は不承認にした。明らかに沖縄県民の利益、美しい海を守る公益のための拒否だ。何ら公益はやましいことはない。
 日本政府は、辺野古の新基地建設は、普天間飛行場の危険性の早期除去だと言った。あの大浦湾の工事はいったいいつ完成するのか、まったく目途の立たない工事だ。これから20~30年続く、あるいはできない工事かもしれない。沖縄県民の公益からすれば普天間飛行場の即時無条件撤去が危険性の除去の早期解決だ。大浦湾の工事の合理性は一切ない。
 埋立て工事の目的は沖縄の負担軽減ではなくて、日本の抑止力の向上、沖縄に基地を押し付けるそのための攻撃だ。公益を害しているのは日本政府だ。法治国家として絶対に許すことのできない暴挙だ。

沖縄と連帯し
首都圏で闘う
 今日裁判が提訴された。法律では15日以内に、福岡高裁那覇支部で審理が行われる。最高裁に行っても、厳しい判決が予想される。最高裁は玉城知事が不承認にした中身について一切審査していない。つまり、玉城知事が不承認としたことを違法とは判断を下していない。今後の裁判の中では、玉城知事ががんばって、その不承認の理由について審査を行わせていく。
 3月から6月にかけてオール沖縄会議が呼びかけた辺野古新基地建設の断念を求める署名は全国で56万近く集まった。そのうち46万が全国からの署名だ。沖縄の与那嶺代表が「本土の皆さんが沖縄の問題を自分たちのこととして思って、署名を書いてくれた。その成果の表れだ」と話した。今回の署名は沖縄県民を大きく激励した。この署名運動の成果を受け継いで、辺野古の闘いは新たな局面に入る。沖縄県民と連帯して首都圏でがんばっていきたい。(発言要旨、文責編集部)
 

沖縄以外の住民の無関心を変えよう、と訴えた社民党の大椿ゆうこ参院議員(10.5)

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