「炊立てのご飯」
コラム「架橋」
スーパーの棚「お一人様一袋でお願いします」の貼り紙。10袋に満たない量が米問題の現実を映し出す。5K4000円台!「24年度米が店頭に並べば米価は落ち着く」と「豪語」し、米不足の原因は「流通の目詰まり」が原因と。
収穫の秋が過ぎても収まらぬ米価高騰。予測外れに大慌てで「備蓄米21万トン放出」へ。見立ては、一儲けを企む「業者」が放出によって大慌てで市場に米を売る︿ハズ﹀!それで米の価格が下がる︿ハズだ﹀⁉である。「悪徳業者」? 米が「あるのか」「ないのか」? コロコロ変わる農水大臣説明に釈然としない。
遠い昔、農家の親戚から新米が届くと「晩御飯は新米だよ」と母の声。ホカホカの炊立てご飯を神棚に供え、家族全員で祝って食べたものだ。
本当に美味かった。飯館村の叔父の家を父と訪ねたとき、田圃を見に行った。山を切り開いた「猫の額」ほどの段々畑。田圃を囲む縄にぶら下がる「荷札」は、冷害の被害調査済の記しだ。叔父がポツリと「今年の出稼ぎは早いな」との声に頷く父。
政府は「人口減=需要減」だから「減反」「規模拡大・効率化」のごり押し政策で農家を追い詰め、気候変動は農業を直撃した。
耳にしなくなった「欠食児童」の言葉。三度の食事もまゝならぬ子どもを指す戦前からの用語。「教室の隅に目ばかり光らしてゐるこの子達に先ず腹一杯食べさせろ、義務教育はそれからだ」(「教壇の歌」泉春枝 プロレタリア短歌集1930年)
「義務教育」と「無償の学校給食」は一体だと国に迫る。米不足の影響は、全国10867カ所の子ども食堂、フードバンク、困窮家庭へ拡がっている。生活苦に喘ぎ食事もまゝならぬ国民の声に政治家は耳を塞ぐな! 本当に腹立たしい。2005年224万人~2023年116万人と農業人口は急激に減った。
政府が行うべきことは、農家の所得保証制度と食料自給の道に舵を切ること。大企業が搾取し貯めこんだ600兆円の金(富)を使って労働者国民の生活に資することだ。
(朝田)