「来るべきときを前に」
コラム「架橋」
「政治の信頼回復に向けてぜひ、︿志﹀のある議員に政倫審をはじめあらゆる場で説明責任を果たしてもらうことを期待している」と岸田首相︿党首﹀。「責任者が…」「秘書が…」「資料が…」「記憶が…」と。あれもないこれもない、調査した形跡もなければ責任もない。大金を目の前に「少々」「私も少々」「みんなで少々」と掠め取る「政治の世界の常識」に唖然となる。わずか数年前「桜をみる会」の「公職選挙法違反・買収・疑惑」と「前夜祭」を巡る「政治資金規正法違反」。以降も「安倍政治・手法」が連綿と続き財界・大資本との癒着構造が「社会的責任・コスト負担」という意味不明の言葉で企業献金が公然化している。
「丁寧に」という枕詞をつけ「説明責任」「政治責任」でお茶を濁す対応に怒りと政治不信が拡大し全国世論調査結果としてハッキリと現れた。首相、自民党幹部の説明に「90%」が不十分と答え、十分というのは僅か「3%」。自民支持層でも「84%」が不十分と回答している。裏金問題への首相対応も「83%」が評価しない。
カネがカネを産み果実を貪り食う財閥と富裕層。「特権階級」と化した政治家の所業にウンザリし不公平で不平等な政治に怒っているのだ。更に2月末の全国世論調査「衆議院選比例区」投票先では「自民21%」という結果が。14年からの同様の調査では、有権者の「30~40%台」を維持してきたが、今回は、ほぼ三分の一から50%が自民党からの離反を示している。
「私利私欲」にまみれた自民党政治の腐敗、それを象徴したのがパー券、裏金問題だ。「最高益」「株価高騰」と大企業、富裕層が笑い転げ、庶民は急激なインフレの中で「1円」でも安い店を探して苦しい生活を送っている。自民党の党則改正案では、「無関与」を主張すれば「除名なし」、違法性の認識はなかったと言えば「処分」なしだ。倫理審査会に登場した鉄面皮議員と同じ応答すれば全員「白」となる仕掛けだ。
安倍派は比例区を通じて国家観を共有する差別・排外主義者を議員に仕立て上げてきた。そして復活当選で議員を水ぶくれ的に増やしてきた。いま、その驕りが自民党を溶解させている。マスコミが一斉に報道した自民党青年局懇親会。青年局は次世代議員の「登竜門」だという。議題は「ダイバーシティ」とあるが透けて見えるのは無自覚な主催者の意識。懇親会を開いた11月は、地検特捜部が5派閥の関係者の調査時期だ。その最中に「饗宴」に興じるとは!
藤原青年局長は「政治刷新本部メンバー」、中曽根局長代理は「地盤・看板・金」を背負う「金のスプーン」を喰わえて生まれた世襲議員。自らの命取りとなる「変化」は好まず前例踏襲の次世代リーダー候補。「懇親会」を経て1月に青年局「党改革提言書」を提出したそうだ。物事は「酒宴」で決まると言う派閥政治の伝統を踏襲したのだろう。
︿志﹀ある者に不正なし。自民党は怒りの深さに右往左往している。そんな状況だからこそ「新しい社会像」を示し、人々と共有し政権交代の一票を投票すべく準備する時だ。選挙は近い! (朝田)