高額医療
コラム「架橋」
先々週、大学病院で月一度ある前立腺がんの定期検診があった。以前、このコラムでも書いたように全摘し、完治したはずのがん細胞がリンパに転移してしまった。ぞくにいうステージ4である。そのため毎月、採血を受けPSAの数値を測り、抗がん剤の一種であるゴックス(ホルモン療法)の皮下注射を打っている。診断結果は0・75。前回の0・4より上がっていた。
今まで全摘手術を行った後もPSAが下がらず、放射線治療やホルモン剤を処方されていたが一向によくならない。そこでゴナックス注射が始まってもう1年になるが、数値が下がらないのは世の中の常。医師が言うには「ゴナックスに耐性ができ、去勢抵抗性前立腺がんが現れている可能性も否定できない」とのこと。次の検査結果によってはCTを撮って別の新薬を考えたいと事なげに告げた。そして最後に、ボクに高額医療になるけど大丈夫かと尋ねた。
高額医療と聞いてボクは、はたと困った。今打っているゴテックスも1回8000円を超えているからだ。限度額があり、所得に応じて還付されるというが、何でも1日の経口投与額が2000円にというからまさしく高額医療に違いない。
また、ボクはこの他に軽い双極性障害Ⅰ型や高血圧やら睡眠障害、高尿酸値などさまざまな既往症があるから年間の医療費は決して少なくないのだ。
毎年、確定申告で全ての領収書を提出しているが、今年は還付金どころか追徴金まで発生してしまった。まったく「泣きっらに蜂」とはこのことである。
さらには、男性ホルモンを抑えるゴナックスの副作用が齢68の体力と精神状態に追い打ちをかける。男性ホルモンが低下すると、女性の更年期障害と同じ症状が発生する。ホットフラッシュや気分の落ち込み、イライラ、不眠、筋力の低下、目眩など云々。それらの症状が双極性障害をより悪化させるリスクが多分にあるという。加えて「外泊」などはもっての他。朝になると強い不安感に襲われる。処方されている気分安定剤や睡眠薬など薬は8種類におよぶ。
AIにこれらの症状を入力すると絶望的な回答ばかり。これからも騙し騙し行くしかないだろう。 (雨)

