投稿 七夕都知事選顛末記➀

環境省は「エコチル調査票」を全面公開せよ 遺伝子組み換えの飼料を使うな 市民によるプロジェクトチームを編成し調査を

たじまよしお

 東京都知事選で自民・公明など国政与党が主導する小池都知事が圧勝し、立憲民主、共産、社民などの野党が支持する蓮舫候補は第3位で敗北した。この敗北は、野党にとって今後の選挙に深刻な影響をもたらすだろう。本紙読者の「たじまよしお」さんから今回の都知事選における野党勢力の影響などについて問題提起が寄せられた。(編集委)

 昨年、春の統一地方選挙のとき私は南信州の郷里に住んでいました。県議会選挙で、日本共産党の女性候補者のKさんの集会に出かけました。学校給食の無償化を公約に掲げていましたので、「無農薬有機農法による給食を、未来を担う子供達にという項目を付け加えてほしい!」と私は発言しました。K候補は深く理解は示しましたが「そのようにします」とは言いませんでした。
 ちょうどその頃少し事情ができて、東京の東久留米の自宅と頻繁に行き来するようになりました。こちらも春の統一地方選挙の真っ盛りで、日本共産党の候補者も学校給食の無償化を掲げ選挙戦を闘っていました。襷(たすき)をかけた候補者とのすれ違いざまに「無農薬有機農法による給食を」と声をかけたところ「おっしゃる通り」と一礼して向こうのほうへ駆けて行きました。
 その後、24年住んでいた南信州の生活を終えて昨年の6月に東久留米の自宅に戻り今回の七夕都知事選挙を迎えました。蓮舫さんが立候補を表明した数日後、私は「都知事候補蓮舫様へ」という文書を郵送しました。そのコピーをそのまま貼り付けます。

都知事候補
   蓮舫様へ
 最近、学校給食の無償化が言われています。無農薬有機農法による農作物を未来をになう子供たちにという取り組みもボツボツ広がっていて、千葉県選出の立憲民主党の議員さんが地域住民と共に実践している様子をデモクラシータイムスでみました。
 農林水産省のホームページには「全耕地面積に占める有機農法の割合」の市町村などの表がありますが東京、多摩地域の名前は見当たりません。関東圏では千葉県の神崎町、神奈川県の小田原市の名前が見られます。
 私は以前、信州の郷里へUターンし昨年の6月に再び東久留米へ戻って来ました。信州の郷里は山間僻地でしたが無農薬有機農法の野菜など自給自足の生活でした。東京へ戻ってきて無農薬有機農法による野菜などを探し回っていますがどこも販売しておりません。ある生協の印刷物に「国内産の鶏肉」という表示が見られますが、この際問題なのは遺伝子組み換えの飼料で飼育しているかどうかが問題であって、国内国外は関係ないのです。スーパーで販売している豆腐一つとっても「国内製造」という表示が見られますが、遺伝子組み換えの大豆を使っているかどうかが問題なのです。「国内産の大豆使用」という表示でしたら、日本は遺伝子組み換えの作物の栽培は禁止されていますので一応信用しても良いと思います。

 この一冊が地球を救う世紀を超えたロングセラーと言われている、『奪われし未来 増補改訂版(シーア・コルボーン、ダイアン・ダマノスキー、ジョン・ピーターソン共著/長尾 力訳)』の「序」で、元米国副大統領 アル・ゴアさんが次のように述べています。
 …… 略 …… レイチェル・カーソンが『沈黙の春』で声を大にして呼びかけてくれたおかげで、私たちは米国民の生命を守るために新たな政策を展開することができた。『奪われし未来』は、カーソンが三十年前に取り上げたのと同じくらい深刻な問題を提起しており、これには私たち一人ひとりが答えていかなくてはならないだろう。『沈黙の春』は合成殺虫剤が招く危険性をめぐっての雄弁かつ重大な警告の書である。そこでは、残留性化学物質が自然界を汚染してゆくさまはもちろん、それが人体に蓄積されてゆく経緯が、詳細に描き出されていた。以来、母乳と体脂肪の研究が進められ、人体汚染の状況が明確に捉えられるようになってきた。カナダのバフィン島北端部のような遠隔地に住む人々からの体内からも、 PCB、DDT、ダイオキシンといった悪名高き残留性化学物質が検出されたのである。そしてさらに悪いことに、この有害化学物質は、胎内で、あるいは母乳を介して、母親が子どもへと譲り渡されてもいたのだ。
 …… 略 …… ここへきて私たちはようやく、この汚染がどのような結果を招いたのかがわかり始めてきた。本書『奪われし未来』はカーソンの志を継ぎ、問題の合成化学物質が、性発達障害や行動および生殖異常といかに関わっているのかを裏付ける膨大な化学データを一つ一つ丹念に検証した労作である。データの大半は、動物や環境への影響に関する研究結果だが、人体と化学物質との関わりを考える上にも極めて貴重な情報である。

 ── 以上紹介したアル・ゴアさんの序文の抜粋は28年前の1996年2月のものです。それから現在までにどのような対策が取られて来たのか。そして現状はどのようになっているのかの疑問を次のようにまとめてみました。

わたしの提案

 環境省には「エコチル調査票」が存在するはずで、それの全面公開を求めること─
 東京都に環境調査の資料がありましたら全面公開を求めること─
 環境省及び東京都による資料では解明されないもの、例えばゴミ焼却施設周辺の母乳に含まれるダイオキシン濃度の調査。男性の精液に含まれる精子の数と精子そのものの様態。あらゆる病気、障がいなどの過去数十年の増加あるいは減少などの調査。資料不十分の場合、都民・市民によるプロジェクトチームを編成し調査にあたること。そこで得た資料をもとに、次の段階で対策を考えること。以上。
たじまよしお」

 今読み返してみて、もう少し要点を整理したほうが良かったと思っているところですが、選挙公約に間に合わさなくてはという当時の事情から見てやむをえなかった、これは少し自分に甘いでしょうか。元米国副大統領 アル・ゴアさんの序文を紹介したのはこの方は『沈黙の春』と『奪われし未来』を読んで要点をよくまとめておられるからです。そして、これら二冊の本が発している警告を現代社会・政治は正面から受け止めているか ── あまり受け止めているようには見えません。

─7月8日 東京新聞朝刊見出し─
 小池都知事3選
石丸 、 蓮舫氏ら及ば ず

 蓮舫候補の街頭情宣で枝野さんが応援演説しているのを見て私は「これでは勝てない」旨のコメントをその動画に寄せました。
 ひとつには無所属で立候補した意味がないということです。そして消費税に前向きな枝野さん、そしてこれに曖昧な姿勢の立憲民主党が前に出たのでは負けるに決まっているという意味のコメントも寄せました。消費税は所得の低いほどに労働者、年金生活者の家計を直撃するのです。この社会の経済を最底辺で支えている人々、シングルマザーや派遣切りで苦しみ闘っている人たちに、宣伝カーの上に立ってもらえと、なん度もコメントしました。
 しかしこのコメントには大きな誤りがあると、七夕選挙の投開票から10日たって反省しているところです。
 この社会の経済を最底辺で支えている人々、シングルマザーや派遣切りで苦しみ闘っている人たちに発言を求める前に、この人たちと常日頃から連帯し支援してきた歴史がないならば、急場しのぎに利用するという身勝手な行為に他ならないということになるのです。

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